エッセー
第12回

<テーマパークのサービス低下について>





 久しくこのようなところには行っていなかったのですが、子供が行きたいと言い、双子もやっと託児所に預けられるようになったので、計画を立てて、足を運びました。
 この間、上の子を私たち両親が一緒にどこかへ遊びに連れて行ってあげるといったことは全くできませんでした。

 平日に行ければ比較的良いのですが、様々な理由から休日に行くことしかできません。
 テーマパークに居る時間、プラス往復の時間を決めて、この間、双子を託児所に預ける段取りをします。最低8時間ぐらいは必要になります。
 どこの託児所でも、だいたい、1時間一人につき、800円程度でしょう(0・1才、諸経費別の平均金額)。双子ですから、料金も2倍です。6400×2+諸経費×2で、最低でも15000円は必要です。
 このことから、まず遠出は無理です。

 前回、このテーマパークに行ったのは長女が生まれる前でしたが、入場料が上がっていました。それに加え、障害者等の待ち時間優遇措置のサービスが大幅に変更されていました。
 調べてみると、関東にあるテーマパークでは2002年5月20日に同制度を突然廃止、ここのパークもそこに準じてということらしく、いつから廃止になったのかは知りませんが、こんなことでよいのでしょうか。
 どちらも開園当初は、列に並ぶことが困難なこと、移動が困難なこと、アトラクションに制限があることなどから、「速やかに案内」してもらうことができていました。それでも、楽しめるアトラクションは一部です。例えば、私などの視覚障害者であれば、3Dや4Dを売りにしているものなどは全くといっていいほど意味がありませんし、その他でも目を瞑って楽しめそうなものといったら、子連れということも手伝ってほとんどありません。
 ただ、自分が楽しもうというのではなく、子供に楽しませてあげたいというのが目的ですので、以前あった、待ち時間の優遇制度はありがたかったのですが、子供が大きくなり、やっと行ける時にこの制度がなくなっていたことに、酷く落胆しました。
 往復の時間を引くと、5時間ほどしか居られません。おまけに休日ということもあり、90分待ちといったアトラクションがほとんどでした。そのうえ、移動も困難です。なんとか2つのアトラクションに行けましたが、この2つのアトラクションに行くだけのために、高額な入場料を支払わなければなりません。アトラクションに行けないので、パーク内で買い物をすることも多くなります。限られた時間の中、食事をするにも長蛇の列です。あげくの果てにファーストフード!娘も歩きつかれて、私が抱きながら妻の腕につかまり、走って移動、もうくたくたです。
 この日、一日の出費はこれだけで3万円以上でした。

 でも、こんなに計画をして、我慢をさせてきた娘を喜ばせてあげたいと私も妻も必死になるが故に、口論になりそうになるも、お互い娘のためにぐっとこらえ、力を合わせて、めったにないこの機会を楽しめるように努力しました。
 そして結局のところ、全てのショーやアトラクションが終わった閉園時間間際が、一番ゆったりとした気分になれて、団欒を味わえたような気がします。

 最後の最後に二つのうちの1つのアトラクションに滑り込み、もうすぐ乗れるという時に、急に娘がトイレに行きたいと言い出し、思わずかっとなる妻をなだめて、落ち着いて対応し、私は我慢させようとしましたが、咄嗟に妻が娘を連れてトイレに走ってくれました。妻の判断は、さすがだと感心し、正しかったと後で思いました。娘はいつ言い出そうかとタイミングを見計らっていたようで、ここに至るまでにも、かなり我慢をしていたようです。必死になっている私たちのことを子供ながらに理解し、言い出せなかった娘の健気さと親を思う心にも感動しました。
 そして、少し時間には遅れましたが、最後ということで、乗せてもらうことができ、これが幸いして、娘は大喜びしてくれました。
 ちなみに1つ目のアトラクションでは怖がってしまい、大泣きしてしまいました。二つ目に乗る前にもこの恐怖心があり、とても緊張していた娘に「これは怖くないから」と、何度も説明しながら、寒い中、長い時間待っていたせいもあって、トイレを我慢することができなくなってしまったのでしょう。私と妻の執念、そして娘の心が一つになり、アトラクションの出口から、喜びいっぱい、笑顔いっぱいで戻ってきてくれました。ああ、本当によかった!うれしい!(写真)

 数年ぶりの3人でのレジャーは、娘がとても喜んでくれ、私たちもほっとしました。この充実感があったから良かったものの、もしあの時間に合っていなかったらと思うと、今思い出しても、ぞっとします。
 しかし、このアトラクションでも3人同時はダメですと、子供と、私(障害者)に一人ずつの介助者が必要だというのです。大きく揺れたり、足元が危ないような乗り物でもありません。結局、私は遠慮し、妻に娘を頼みました。娘の喜んでいる姿をその場で共に味わうことも叶わなかったのです。
 安全対策の強化とはいえ、あまりにも非情なシステムだとは思われませんか。
 障害者の団体の来場には、その人数分の介助者が必要になるということです。パークでの制限を設けるのはかまいませんが、もう少し当人に委ねるだけの融通をもたせるべきではないでしょうか。人権問題にも発展してきます。
 私も同行したいと訴えましたが、「その場合、お子さんに待ってもらわなければ」と平然と言い放つのです。全く呆れました。そんなことをして何の意味があるのか(怒)!!
 まあ、こんな所で言い合っても仕方がないし、せっかくの雰囲気もぶち壊しになると思い、ここはぐっとこらえました。

 これは、私の家族を例にとった一例ですが、他にもいろんな障害や家庭事情もあると思います。それらに配慮し、証明書の提示により、障害者や一人親家庭などを優遇してもよいのではと私は思います。以前の制度を復活させると共に、更なるサービス向上・拡大を強く望みます。
 これらの問題に取り組み、署名活動をされている団体のページがありましたので、記しておきます。管理者の方とも連絡を取り合い、私も即署名させていただきました。趣旨にご賛同いただける方は是非とも署名にご協力ください。よろしくお願いいたします。
http://www.eft.gr.jp/gacard/tdrcampaign.htm

写真・文章提供:中島敏明