エッセー
第4回
<えっ!双子?!>

長女が2才になり、少し落ち着いてきた頃、妻が体調不良を訴え、もしかしてと思い、クリニックへ。
 そして、結果を報告する電話が。
 「卵が二つ見えるよって、先生も驚いてはった。でもまだ週数が早いので、突然一つが消えることもあるらしい。」と!
 これを聞いた瞬間、いろんな考えが頭をめぐり、一時ぼーっとしてしまいました。どちらの家系にも多胎の例がなかったので、本当に驚きました。
 以前から、兄弟は3人ぐらいが望ましいねと話していたので、もし無事に産まれれば3人ということになりますが、双子の育児がどういったものなのか、想像もできませんでした。

 そして、定期検診が続き、つわりは酷かったものの、これといったトラブルもなく、出産予定日の2週間前が予定帝王切開の日となっており、無事にその日を迎えることができました。

 それまでは、トイレに立つのも一苦労で、床を這ってゆっくりしか進めないほど、大きなお腹で、体中が痛く、ろくに眠れず、苦しかったようです。

 手術になるので、立ちあいは叶いませんでしたが、控え室で祈る思いで待っていると、異なった声の産声が二つ、はっきりと聞こえました。
 すぐに二人を両手に抱え写真を撮ってもらいましたが、義母もあわてておられたのか、焦点が全く合っていませんでした。(涙)

 2838gと、2502gの元気な女の子でした。二人合わせると、5340gですね。妻の労に感謝です。保育器に入ることもなく、翌日から母児同室でした。これはさすがに大変で、せめて一人ずつにしてほしいと要望。術後の傷が痛む中での同室は苦痛だったと振り返る妻。

 長女の時の個人クリニックと双子の時の大病院では、いろんな面で違っていました。当然、どちらにも一長一短があるとは思いますが、出産予定がある人は是非とも、広く綿密な事前調査をされることをお勧めします。

 さて、今回は前回のように、どう関わろうかなんて考えている余裕はありませんでした。二人がフル回転で育児に取りかからなければどうしようもありません。

 職場には育児休業を申請し、6週間育児に没頭しました。毎日、長女を幼稚園へ送迎したり、双子にミルクを作って飲ませたり、おしめを換えたり、沐浴をしたりと、とても充実して楽しく、やはりこうやって男性も育児にどっぷりと浸からないと損をするとさえ思いました。今から考えてもこの期間は非常に有意義な期間であったと思います。気持ち的にはもっと長い期間、育児に没頭したかったのですが、今の法律では、出産後、8週間が限度になっています。
 このような制度はもっと拡大すべきだと思います。
 なぜなら、幼稚園の送迎はずっと続きますし、産まれたばかりの双子を連れて、妻が送迎をするというのは無理なことです。これだけの問題ではありません。あらゆることに人手がいります。
 どこへ移動するにしても、多胎児がある程度、歩けるようになるまでは、その人数分の人手がいります。更に年の近い乳幼児がいる場合も同様の支援が必要です。

 今回、本当に痛感しました。少子化で育児支援に力を入れるといっても、多胎児養育家庭や年子の兄弟がいる家庭などへの物理的支援策は皆無です。

 身動きができず、どうすることもできず、本当に困り果ててしまいました。いろんな人に家庭内の状況を詳しく話しても、現場の大変さは理解してもらえず、それを支援する制度もありません。
 残すは、ボランティアを多方面から募るといったことだけでした。
 幸い、数人のボランティアさんが手を挙げてくださり、交代でスクラムを組んで、長女の送迎を代行していただいたり、公園などに遊びに連れて行ってもらったり、調理や育児の手伝いもしてもらいながら、また、私も自立支援制度を利用し、買い物に出かけたり、所用に同行いただいたりと、たくさんの方が親切心で支えてくださいました。
 当然、母や義母も時間の許す限り、最大限に援助してくれました。

 どう一日を過ごしてきたのか、あわただし過ぎて思い出すことができないほどです。
 今も、仕事から帰って間もなく、風呂に入れ、ミルクを飲ませ、一緒に遊んであやしたりと、めまぐるしく一日が過ぎていきます。
 しかし、いつも関わっているせいか、妻が外出する時でも、泣くこともなく、パパ・パパ…と言って、とてもなついてくれているので、愛おしくてなりません。
 家に帰ると3人の娘が足に纏わりついてきて、抱っこをせがんできます。
 この可愛さでしんどさは半減します。

 しかし、しかしですよ、もっともっとこういった多胎児養育家庭等への支援策は真剣に考えていただかないと、子育てをめぐる問題は絶えず、育児疲れから病気になったり、虐待などの犯罪に及ぶ例も少なくないと思います。ますますこういった状況は拡大傾向にあると危惧しています。何とかしてもらいたいものです。

*次回(第5回)は精神疾患のことを中心に書かせていただこうと思っております。
文章提供:中島敏明