エッセー
第9回
<障害者の恋愛→結婚などについて>

障害があるゆえにとても悩むことがあります。それは、恋愛・結婚に関する問題です。
 当然、障害の程度によって、話は全く変わってきますので、ここではあくまでも私程度(視力障害1種1級)との基準の認識の下で述べていきます。

 障害者といっても、ある一部分の障害であって、それ以外は健康なのです。
 しかし、障害者と聞くと、その人の全てが障害されているかのように思われがちです。
 一部分に障害がある人、その部位が果たす役割によって、特定の物事にハンディが生じるだけという見方ができる人は少ないのではないでしょうか。
 そして、これもある機能が障害されると他の部位でそれを補おうとする働きによって、日常生活上、ほとんど障害を来たさないというところまで機能は発達します。
 あるのは、社会的、環境的、人の意識的な『壁』なのです。

 年頃になると、異性に興味を持ったり、恋をしたりするのも障害の有無は関係ありません。
 しかし、障害者ということで、毛嫌いされることも多いでしょう。
 嫌な側面かもしれませんが、事実として、何か特別なアピールがないと同じフィールドでの闘いに参加できないということなのかもしれません。こういった関係には生理的、動物的な本能・要素が多分に影響していると感じられます。
 ですから、障害の有無を問わず、男女とも、自分磨きを怠ってはいけないと思います。
 内面から湧き出る、人間の美しさ、これにかなうものはありません。それが外見に表れないはずはありません。

 夢や希望などに向かう一生懸命さ、苦悩を喜んで勝ち超えていく強靭さ、自分よりも人のことを考える優しさ、平等意識・博愛に富んだ健気さなど。
 人それぞれに良いところがあります。そして、その価値観がぴったり合った人に引かれるというのが縁だと思っています。
 また、この縁は性別や事物も問わず、人生の中での自分の方向性を決定づけていく大切なものだと思います。

 障害者の婚姻率は非常に低く、結婚を望んでいても、なかなか叶わないといった状況があるようです。
 障害者の結婚相談をはじめ、様々な交流会やサークル活動、障害者のためのお見合いパーティなども行われています。

 では、問題点などを考えてみましょう。
 まず、生活力といったところをみるでしょう。経済力であったり、生活上の様々な活動において支障がないかなど。
 これは、婚姻率以前の就労率の問題もあります。企業の積極雇用が進まなければ解決されない問題です。
 生活上の問題は、その都度、工夫すればなんとでもなります。

 続いて、親や親戚等の介入による障壁。ほとんどが偏見によるものですが、粘り強く話し合い、理解・納得しあえるように努める姿勢が大切です。

 そして、一番大切なのは、当人同士の気持ちです。障害としてみるのか、同じ人間の一つの特徴・個性とみるのか、これが一番重要な問題です。
 得意なこと、苦手なことが限定的になるのは事実ですので、お互いにこれらを理解し、歩み寄れるかが大事です。

 これらをまとめると、
1.障害者雇用を推進し、安定した生活水準が維持できること。
2.個別の障害をきちんと理解すること。
3.人権意識、平等意識の向上をさせること。
ということになります。

 現状、この3つをクリアできなければ障害者の結婚は難しいと言わざるを得ません。非常に高いハードルです。そう思われませんか。
 恋愛をしたり、結婚をするには、これだけの障壁を乗り越えていかなくてはなりません。障害者も健常者も、これらのことが先立ってしまい、前向きに考えられないような風潮に自然に流れているという一面もあるでしょう。

 今の世の中に蔓延している考え方の一つに、障害者は、自分たちよりも劣っている存在と見、異質で近づきたくない人達という差別的な見方もあるのは、否定できない事実です。 ここに一番の問題があります。どうしても、健常者が障害者のせいで悩まされている、苦労を引き受けなければいけない、そういった考え方になってしまうのが常です。しかし、このような関係は望ましくなく、平等意識・人権意識を見直す必要があります。
 これらの要因が、障害者と健常者の結婚を少なくしているという結果をまねいています。
 ここで言いたいのは、世間の決め付けに対するアンチテーゼであり、障害者同士の結婚を否定的に表現しているものではないことを付け加えておきます。障害者同士でも同じ課題が存在し、場合によっては、障害者同士の方がより困難なこともあります。

 結婚前に、ある人からこのように言われました。「あんたたちは、やっぱり同じ障害者同士がええんやろなあ」と。良い方向に考えようと努力しましたが、やはりこの発言は差別的な発言ではないかと感じています。

 障害者の就労自体がまだまだ難しい中、更なるステップである、「家族をもつ」ということは、非常に大変なことです。

 今回、このようなテーマを掲げて書き始めましたが、非常に敏感な部分を含んでおり、かつ掘り下げるとなると、表現が難しいことに気付きました。専門に研究したこともないこともあり、十分な提示や分析ができなかったことをお詫びしたいと思います。

 今回までで、大まかな自己紹介ができたと思いますので、できれば皆様方からのご意見やご感想、ご質問・ご要望など何でもかまいませんので、あれば、お聞かせいただきたく存じます。
7.17-osaka@mbe.nifty.com
までお寄せください。今後、できるだけ、それらのご要望にお応えするような文章を書かせていただきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

*次回(第10回)は、献眼登録のことを中心に書かせていただこうと思っております。
文章提供:中島敏明