第2回 「諦めではなく発想の転換」
ほとんど何も活動はしていませんが、
それでもこのコラムは自分の音楽に対する思いとか考えで通そうかと。
ギターを始めて10年ちょっと、自分で曲を作るようになって8年ぐらい。
何らかの形で自分の曲が誰かに聴かれるようになって4年弱。
曲を作る以上はこだわろうとしては挫折してきたことが「オリジナリティの追求」
だったわけですが、ここ1年半ぐらい、そういうこだわりが無くなってきました。
去年の頭から、のんびりと1年ぐらいかけて6曲ぐらい作りましたが、
頂いた詞と睨めっこをして、イメージして、ギターを抱えて音を搾り出すうちに
「あ〜、このメロディどこかで聴いたことがあるな」ってことが何度も出てきます。
多分、作曲をしたことがある人なら経験したことがあるんじゃないでしょうか。
以前なら、これはマズいってな具合に、自分に覚えのないようなメロディが出てくるまで
何度も曲を考え直していました。1つのフレーズに1週間かかることもしばしば。
それでも結局は「○○みたいで良いですね」とか「○○っぽさを感じました」と言われ、
それを言ってくれる人は、たぶん誉め言葉で言ってくれてるってのが分かりながらも
心中では舌打ちをしていました。
ありがたいなあと思いながらも舌打ちをする。何とも煮え切らない時間だったような。
今回は「まあいいや」です。
それは「誰かのマネになっても別にいいや」という後ろ向きな思いではなくて
「自分が気持ち良いと思ったからいいや」という発想の転換。
何年か前にこのページで書いた、今はもう削除したコラムの幾つかを読み返すと
「音楽はオリジナリティや」なんて意地になっていました。ちと懐かしい。
日々の生活の中で、僕が音楽に注ぎ込んでいる時間はごくわずかです。
平日は自宅と会社の往復でほとんどつぶれるし、週末はボウリングにも行けば
お酒だって飲みに行きます。平日と週末を問わず、何も歌わずに1日が終わることは
無くても、気が晴れない日はギターを弾くのはやめたとケースに片付けます。
最近ではライヴを観に行くことも年に10回もありません。
何よりも、気が乗らない時には音楽のことは考えないことにしています。
多分、毎日を音楽と共に過ごす音楽大好き人間さんとは一緒にはやれないでしょう。
期限が決まっているものについては約束を守ろうと思いますが、そうでないものに
「とっとと曲を作れ」だの「録音しろ」だのと言われたら多分、大喧嘩です。
「なんなら歌謡曲がやりたい」などと思い始めたのが一昨年ぐらい。
それは父の世代が口ずさむ演歌や歌謡曲といったいわゆる「懐メロ」というものに
気持ち良さを覚えているからでもあるし、昨今のリバイバルブームなんてものに
触発されたからでもあるでしょう。パンクで「贈る言葉」をやろうとは思いませんが。
他にもやりたい音楽は沢山あります。録音はもちろんしなければならないですし、
それとは別の流れでアコースティックライヴはしたいし、昔、演劇をやってた身として、
いつか打ち込みを覚えて、死ぬまでに一度ぐらいは芝居の音楽に関わってみたいし。
そのためには足りないものが物的にも精神的にも色々あって、探しているところです。
2004.4.24 眠さに身を任せて