「朝霧の巫女」舞台探訪

〜熱田神宮編〜



舞台探訪者の心得
 ・探訪先では、地元の人の迷惑にならないように行動する。
 ・観光地でない場所や公共施設でない場所への探訪,撮影には十分注意する。
 ・探訪者の多い場所での行動は控えめに。


 その日、私はふてくされていた。
 わざわざ遠征した「宝島コレクションマーケットin名古屋」に、お目当てのぬいぐるみが無かったからだった。
 しかし! そんなこともあろうかと、イベントがハズレだった場合の予備イベントを用意してあったのだ。
 そんなわけで、いつものQLAND氏、SUGI氏に加えて、イベントに参加していた某KIMU氏も加わった四名という珍しい取り合わせで、「朝霧の巫女」第参巻に登場した、名古屋市内の熱田神宮へと乗り込んだのだった。

 熱田神宮 −愛知県名古屋市−
 熱田神宮の由来は、日本武尊(やまとたけるのみこと)の妃である宮簀媛命(みやずひめのみこと)が、三種の神器の一つ、神剣「草薙の剣」をこの熱田の地に祀ったことによる。
 祭神は熱田大神。しかし、この熱田大神というのがWebで検索すると、
 (1)「草薙の剣」自身
 (2)草薙剣を御霊代とする天照大神(熱田神宮の相殿に祀られている)
  (なぜ天照大神ご本尊と言わないのだろう?)
 (3)宮簀媛命の一族の尾張氏が元々奉祀していた太陽神
 などなど諸説あってはっきりしない。が、いずれも「草薙の剣」に強いゆかりがあり、事実、ご神体として「草薙の剣」が祀られている。
 …と、いうらしいのだが、それにしては熱田神宮が朝廷から正一位の社格を受けたのが平安時代に入ってからだというのはなぜなのだろう?、とか、草薙の剣は、1185年の壇ノ浦における安徳天皇の入水とともに海に沈んで失われて久しいはずでは?、など謎な点も多いのだが、歴史に疎い私としては、畏友の浦木裕氏に教えていただいた下記サイトを紹介することで、ここでは深入りしないで流すことにする。
 三種の神器とは何か?邪馬台国大研究さん)
 下記のサイトは草薙の剣の尾張起源説。平安時代初期に書かれた「古語拾遺」に、草薙の剣を奉ってあるはずの熱田神宮が、朝廷から冷遇されているとの記述がある。
 草薙剣盗難事件文献史学研究室さん)

 ちなみに、「朝霧の巫女」の本編では、熱田神宮に「草薙の剣」が安置されている様子が描かれており、これが「朝霧」世界の“正史”であるが、作者の宇河先生は第参巻末尾の「おまけレポートまんが」で「草薙之剣(レプリカ)」と書かれているので、ご自身は「熱田神宮の草薙の剣はレプリカ」説を取っておられるようである。

 という前置きはさておき、熱田神宮である。
 QLAND氏の車に乗って到着してみると、思ったよりも市街地のど真ん中である。
 しかし、神社の境内に入ると、そこには街の喧噪とはうって変わって、閑静で清廉な空間が広がっていた。
 西門の駐車場に車を止めたもので、まずは境内を正門を目指して歩く。

正門(第参巻 P189)

 第十二話(三)の扉絵となっている、熱田神宮正門。
 日瑠子陛下が車で到着される場面に登場する。枝ぶりなど細かい所までそっくり。
 ここから日瑠子陛下の行列の後をたどることにする。

手水舎(第参巻 P190〜P191)

 正門から境内中央まで進んで、P190〜P191の見開きページに描かれている手水舎(てみずや)。
 この見開きページの下段に、ニワトリらしきものが行列を見送るシーンがあるのだが…。

ニワトリ(第参巻 P190)

 驚いたことに、ホントにいるのだ、まさにこの手水舎の横に(^^;
 さすがに作品中と同じ構図では撮れなかったが。
 さらにまっすぐ進むと、草薙の剣が安置されている(とされる)本宮がある。

本宮(第参巻 P153)('06.07.16撮影)

 ああ、この中に天野先輩のご本尊が…。
 「天野先輩、ついにここまでやって来ますたー!」
と心の中で叫ぶオタがここに一人。
 って、それは作品違いなので、何だか分からない人は、こちらでどうぞ。

 参拝を終えつつ、本宮の正面扉の写真を一枚。

本宮の正面扉

 第参巻 P191で日瑠子陛下が扉をくぐる描写があるが、ほぼこの扉で間違いない。
 これで本編に登場した背景はコンプリート。

 あと、せっかくここまで来たからには、ということで境内の宝物館を見学。
 世に貴重な「熱田本日本書紀」が展示されていて、草薙の剣の世に出た記述や宮簀媛(ミヤズヒメ)、弟橘媛(オトタチバナヒメ)の記述を見ることが出来て、結構満足出来た見学だった。

 あとは休憩と腹ごしらえを兼ねて、第参巻あとがきに登場した、宮きしめんを食しに休憩所へ。

やっぱりペプシは合わないね。にははっ

 あとがきに出て来たとおりの、米人風ペプシセットで(笑)
 けれども結局、この場でペプシをあおる気にはなれなくて、持ち帰って、しばらく部屋の片隅で眠ってたのだが(笑)

 しかし、これで戦いはまだ終わらない。
 あとがきには、さらに冷やし白玉ぜんざいを食す場面があるのだ。
 たとえすでに満腹であろうとも、舞台探訪者としては、何が何でも食さねばならないのだ。
 しかし、境内の甘味処に回ってみると、何ということであろう…、
    ・
    ・
 冬には「冷やし白玉ぜんざい」はやって無かったのだった! ○| ̄|_

 そんなわけで、「熱田神宮」舞台探訪は、夏がオススメです。
 夏には、日中の街中よりも2度は温度が低い、境内の涼しげな雰囲気が満喫出来るそうです(QLAND氏談)

 別件で名古屋に寄った際に、前回逃した「冷やし白玉ぜんざい」に再挑戦。

メニューには「冷やしぜんざい」って書いてあるよ

 美味でございました。
 1年半越しの念願を果たせて満足(笑)

 というわけで、イベントの不満を補って余りある舞台探訪となりました。
 今度は、夏に寄ってみたいところです。(今度こそ「冷やし白玉ぜんざい」を!(笑))
 最後になりましたが、毎度ドライバー担当のQLAND氏、今回の旅行に参加していただいたKIM氏、SUGI氏、ならびに関連ページを教えていただいた畏友、浦木裕氏に感謝しますm(__)m

  終わり。