F3購入顛末 Vol.3

3 再会


父の死後、いろいろと問題がおき(もう大変でした(>_<))、それがすべて片付いたのがこの秋でした。

この間丸7年近く。

今月の7日、家族だけで父の七回忌を営みました。

お坊さんの読経の中で、いろいろと過去を振り返ってました。
そして、やっと父が死んだ んだなと実感したのでした。

−そうだ、何か記念になるものを買おう!  
  やっぱり、カメラがいい!!(この辺は十二分にこじつけなんですが(^^)

FM2がお気に入りになっていた私にとって、マニュアルレンズが真っ先に候補に。
広角系の単焦点がいいなと思い、AiNikkor35mmF2.8・F2・35mmF1.4、28mmF2.8、 Tokina20-35mmF2.8をピックアップ。
最終的には28mmF2.8か35mmF1.4 (F2も捨てがたいです)のどちらか、で28mmF2.8が第1候補となりました。

あとは、購入資金の確保へ。
まず、機材の見直しです(こんなこといつもやってます(#^.^#)

ほとんど使わなくなったクラッセに、使わないからといただいた機材がいくつか。
で、オークションでの落札相場を調べてみると、製造中止に伴い新品在庫が無くなってきているクラッセは購入価格とほぼ同じ落札価格。

他のものもまあ、納得できる価格。 28mmF2.8は十分買えます。

ならいいかと、Nikonのオークションページを何気なく見ていると・・・F3が!

おっと、いけないものを見てしまった(>_<)

まあ、見るだけだし、オークションでの購入は怖いからと思い、検索だけかけてみると未使用や
使用数回のF3が3台ほど出品されてました。
いずれも最終ロット199万台かそれに近いもの。
そのうち終了に近づいているF3は、10万円を超える値段になってました。

 ―うーん、10万円か・・・予算オーバーだな。

一応、ウオッチリストに入れてページを閉じました。

しかし、沸々とF3への思いが湧いてきます。

ちょうど、「焼けぼっくりに火がついた」といった状態
でしょうか。

数日後、中古カメラ店のサイトでF3の相場を調べてみます。
極上品で10〜12万円前後、美品で8〜10万円。

販売台数が多いとはいえ、F1桁はやはり高いです。
どうにか見つけた新品在庫に至っては税込みで18万〜19万円・・・これではF5やライカが買える、 とても出せる金額で無いです。

 ―カードを切るか・・・
   
   ↑ 一度言ってみたかった(^^


“そんなことしてたら、とめどなくなるよ”


師匠のMさんのお叱りの言葉を思い出し、自分が出来る範囲で買おうと思い直しました。

オークションの未使用・防湿庫保管が本当なら、製造中止後約3年、店頭在庫になっていた新品F3
よりは
保管状態が良いといえます。

で、価格は半分。

もうこのときは心は決まっていたと思います。
ただ、私のオークションでの買い物は・・・0勝3敗と散々なもの。
これでは10万円をドブに捨てることになりかねないといいますか、そうなることは目に見えてます。

しかし、一度付いた恋の火?はもう消すことはできません。


父とのカメラの思い出はほとんどないです。 でも、唯一、私がヨドバシカメラでAE−1を買ったとき、父も一緒に行って値切ってもらったのですが
(当時中学卒業したばかりでしたので)、日ごろああしろこうしろといったことが無い父が「ニコンが いいぞ」とボソッと言ったのです。

当時、ニコンはFEやFMなど中学生の子供には地味〜に見えるカメラしかなかったんです。

でも、CanonがFDを見捨てたのに対し、Fまで点検できるNikonのサービス体制はすごいですね。
親の言うことは聞いておくものだと気づいたのは遅かったです(^^


そんなことを思い出すと、というより大義名分を見つけてしまうともう後戻りは出来ません。

F3なら20年以上は十二分に現役で使えるでしょうし、そのころ私はちょうど父親の年齢に近づきます。

それまでがんばっていくぞという踏ん切りにもいいと。


オークションで再検索。未使用F3は相変わらず3台。
そのうちの1台は3回使用の199万台で即決価格10万円。  
 
 ―うーん、これかな。でも、10万円か。3回とはいえ、使ってるし。
  
  そうだ、Hさんが夏に中古のF3買ってたな。
  
※Hさん・・・家に来る電気屋さんでときたま使わない機材をくれる兄貴分のような方です。


早速、Hさんの携帯へ電話。   

  コットン「仕事中なのにスミマセン。今、大丈夫ですか?」

  Hさん 「お世話になってます。どうしましたか?(ここまでは営業口調)」
  コットン「Hさん、たしかこの間、F3買われましたよね?」

   Hさん 「そうだよ、中古だけど(カメラの先輩口調に)」
   コットン「いくらしましたか、教えてもらえます?」   
  Hさん
 「うーん、いくらだったかな。忘れちゃったな(このところいっぱい買ってるから)」
  コットン「10万ぐらいだと伺ったんですが、製造番号とかわかりますか?」
  Hさん
 「ハハハ、わかんない。どうして?」
  コットン「ちょっと、F3が欲しいかな〜なんて」

   Hさん 「病気だね〜。いい加減にしないと」
  コットン「いえ、最近、マニュアルが使いやすくて」

   Hさん 「でしょう?早く、こっちに来なって言ったじゃない。
       やっと、カメラの良さがわかってきたね〜」
  コットン「お恥ずかしいです」

   Hさん 「早くライカにしなさい。ライカはいいよ〜」
  コットン「はあ、でも、ライカは高いし・・・」
  Hさん
 「F3の製造ナンバーと値段は家に帰って調べてから電話するね」
  コットン「お手数かけてスミマセン」


その夜、Hさんから納品書片手に持ってと思われる電話がありました。

196万台で本体92,000円とのこと。

これなら、199万台で即決10万円はいいかなと。


念のため、F3で再度検索。

新たに1台出品されてました。199万台。未使用、開始価格約11万円が出てますが、これは
12〜3万円にはいくだろうな、でも、一応、即決価格を質問しておくかと、質問を入れておきました。

この何気ないことが私と運命のカメラとの出会いでした。


気になる最初の1台は終了日もあと4時間と残り少なくなり、とりあえず、入札してみます。

85,000円。2時間後には高値更新されてます。

89,000円で再度入札。
終了時にはあっけなく更新されてました。
終了価格95,000円。


ああ、即決10万円で入れれば良かったと後悔しましたが、あの1台とは縁が無かったんだと思い
直すことに。

オークションは予算を決めてそれ超えたものは深追いしない、あっさりとした付き合いがいいのは
失敗から学んでます。

index.htm  f3_room_mokuji