ショッキングなニュースが飛び込んできました。 ニコンが銀塩カメラ部門の大幅縮小を発表したのです。 とうとう来るべきものが来たという感じではありますが、思いの他その時期が早かったです。 やはり老舗カメラメーカーの経営方針ゆえか、昨晩はTBSの「筑紫哲也News23」でも報道されていましたし、今朝の朝日新聞の1面に載ってました。 その朝日新聞の記事によると、今あるフィルムカメラのラインナップをF5・F100・F80・U2・FM3の生産を終了し、F6・FM10の2機種に絞り新規開発は行わないというのです。 見出しにもありますがラインナップがほぼ無くなるので、事実上、「フィルムカメラ撤退へ」と思われても仕方ないでしょう。 F5が継続生産されていたのは、ちょっと知りませんでした。これはF6が登場したことと、過去のF1桁のことを考えると、当然の成り行きと言えるでしょう。 F100は、私の愛機でもあり、他機種より悲しいです。とてもバランスがとれたカメラですので、勿体無い気もします。 F80。これもコンパクトで軽量でありながら、いじれるカメラであります。静かさにも定評がありますね。 U2。これほどいい初級機は無いのではないでしょうか。EMの香りを感じてしまいます。 FM3A。買っておいて良かった。電池が要らないカメラですので、残ると思ったのですが、FM3でなくFM10なんですね。 個人的にはAFカメラはF6・F100又はF80、MFカメラはFM3Aを残すと思っておりました。どのカメラも銀塩フィルムカメラとしては完成形となってますから。 ということは、技術的にもフィルムカメラとして行き着くところまできたのでしょう。新規開発する意義がほとんど無い、それならば、デジタル部門に集約するのも企業としては当然なのかもしれません。 記事にはフィルムカメラとデジタルカメラの出荷台数が比較されてました。 ニコンはフィルム一眼レフを2000年度108万万台出荷したのに対し、2005年度は約14万台。一方デジタル一眼レフは106万台と完全に逆転してますね。 となるとニコンの今回の決断は仕方ないことと思えます。 関連記事としてデジカメの国内シェアが載ってましたが、ニコンは国内第6位、キヤノンの半分以下、D70が好調とはいえカメラメーカーとしては「?」の結果なのではないでしょうか。それゆえ、開発資本をデジタルに集約するのも時代の流れから企業として当然のことでしょう。 ニコンの今回の決断。私も始めは「何でニコンが(――;)」って思いました。 しばらく呆然としました(@_@;) でも、ハッと気付いたことがあります。 欠陥を隠して死亡事故まで引き起こしてしまった某自動車メーカー。 一度ならず二度までも食中毒事件を起こした牛乳メーカー。 いずれも「ウソ・偽り」で固めましたね。 比べるにはあまりにも次元が違うと言われてしまいますが、ニコンは企業存続を考え、F6という銀塩最高のカメラを存続させるというユーザーに最大限の配慮をして銀塩部門の縮小をキチンと発表したのでは、と思い直したのです。 私は今回のニコンの発表は、老舗カメラメーカーとしても誇りと意地、そしていちばん大切なユーザーに対する責任を果たしていると思います。 確かに大幅な縮小はユーザーにとっては悲しいニュースでもあり、選択肢が事実上無くなることはユーザーとして腹が立たないといったらウソになります。 でも、例え1機種それも最高の銀塩フィルムカメラF6を残してくれたニコンを改めて好きになりました。 |
(2006.1.13) |