das gift kuchen




・・・この人に触れるたびに思い出す。

昔、何かの本で読んだお菓子の話。

それには魔法がかけられていて、一度食べたらとりこにならずにはいられないという。

 どんなお菓子なのだろうか。

きっと儚くて、綺麗で、とても甘いのだろう・・・この人のように。

 

 「・・・何?越前??」

お互いを深く味わうようなキスの後、ふと頭をよぎった妄想にリョーマが小さく笑えば、不二が訝しげに小首を傾げる。

「なんでもないっすよ。」

 

うっすらと汗ばみ、艶を帯びた白い肌。       

その白さに誘われて、その胸元から鎖骨を舌でなぞれば切なげな吐息が応える。

お互い向かい合う形で繋げた体。

「あ・・・あ・・・」

不二の腰を掴み、上下させるように動けばもっと、とねだるようにあがる声。

後ろに倒れそうになる不二の体を抱き寄せれば、ふわり、と漂う香り。

 ・・・何もかもが甘くてドキドキする。

 

 

快感が深まってくるとこの体はいっそう甘くなる。

ほんのりと染まった肌に吸い付けば、舌の上でとろり、と溶けるような錯覚を覚える。

その感触に夢中になって貪ればいっそう強くなって零れる甘い、あまい香り・・・


「あ・・・えち・・・ぜん・・・」

 「・・・美味しいっす・・・」

 「あ・・・んっ!」


不二の耳たぶをしゃぶり、甘噛みしながらそう囁けば腕の中の体がぴくりと揺れて、潤んだ瞳が自分を捉える。

 「・・・越前・・・」

気だるげにその頭を肩に持たせかけると、不二が自分の手首を捕まえる。

 「・・・オレは美味しくないっすよ?」

そのまま引き寄せられ、指に唇をかぶせられたのに小さく笑えば、妖艶な流し目に捕らえられ、軽く息を呑む。

  「・・・ん」

指を丹念に吸われ、舌を這わされる。

その思いがけないほど甘美な感覚にぞくり、とし、思わず空いている手で彼の腰を抱きしめる。

 「!んっっ!!ん!!」

 欲望のままに強く穿てば、指をくわえたままの不二の唇からくぐもった声が漏れ、かっと自分を飲む中が熱くなる。

 「・・・っ」

その熱さに思わず片目をすがめれば、いつもは人形のように整っている不二の顔の下からもうひとつの“表情”が現れて、揺れる目で見つめられる。

 「・・ふふ・・・感じるの??」

その唇から指をゆっくり引き抜けば、つりあがった唇がそう囁く。

 

その吐息のような声も。

 

「・・・っあ、っっあ!!」

湧き起こった衝動にまかせ、繋がったままのしかかるように不二の体を押し倒し、深く腰を進めれば、悲鳴のような声があがり、背中に爪を立てられる。

 

 そのちりちりとさすような痛みも。

 

 「う・・・あっ、えちぜ・・・んっ、越前っっ!!」

自分が刻むリズムに合わせてその腰を揺らめかせ、まるでうわごとのように自分の名前を呼び、快楽に身を震わす。

 

 まるで自分を誘うかのように際限なく乱れていく姿も。

 

・・・何もかもが熱くて、甘くて、頭の中が白くなる・・・

 



 きっと触れては、食べてはいけなかったのだろう。

強く抱きしめれば溶けていきそうな華奢な体に夢中で口付けながら、頭からつま先までその甘さに酔いつつ、ぼんやりと思う。

でも、もう遅い。

知ってしまった快楽という名の甘いお菓子は、一口食べればまた一口欲しくなり、求めずにはいられない。

 

「・・・えち・・・ぜん・・・っ、も・・・うっ!」

 「っ・・・オレもっ・・・!」

 

掠れたその声に、わずかに残っていた理性の糸も切れ、夢中になって腰を送り込めば、熱いうねりにふわり、と体が、意識が浮き上がり、同時に頭がおかしくなるかと思うほどの絶頂が深く、蜜のようにねっとりと体全体を包み込む。

 

 まだ・・・欲しい。まだまだ欲しい・・・

 

快感の余韻に喘ぎつつも、頭の中はこの人をもっと犯し、貫くことでいっぱいになっている。

この甘さを求めて食べ続けて食べ続けて・・・それこそ死んでしまってもいい。

満たされることがない欲望に狂いそうになりつつ、腕の中の体を強くつよく抱きしめる・・・ 

 

この人は美しくて、甘い・・・危険なお菓子だ。




これは昔お世話になっていたサイト様のウェブ拍に使っていただいたものなのですが、今回引っ張り出し、加筆修正しました。
自分のウェブ拍手に載せようかと思ったのですが若干エロ度が上がったので急遽裏に回しました。

タイトルはそのまんま”毒菓子”です。たぶん間違ってはない・・・と思うのですがドイツ語は学生以来なので”違うぞ!”という
事であればお教えくださいませ。