5株の金鯱

2002年の埼玉サボテンクラブ銘品展年品評会に出品された株。 栽培者は長野県の両角博氏。 大きくなり過ぎて持ちきれなくなったら地植えにする等と言う計算は始めからなかった筈。 あくまで持ち運び可能を意図した作品とお見受けした。 自生株やそれを目標とした栽培株とは一見して一味違う。 園芸品としての立場が鮮明である。 (写真撮影・雨宮氏、提供戸澤氏)
ラスベガス郊外の営業家の栽培品とか。 金鯱の原生地はメキシコ・イダルゴ州とその西に接するケレタロ州の境を流れる モクテスマ河流域の険しい岩山。王者の貫禄を生み出した原点はその環境にある。 栽培の適地と目されたカリフォルニア州南部などではかなり以前から数万本に及ぶ 金鯱実生苗の地植え栽培が試みられ大市場が定着している。 その東北に位置するラスベガスの環境はさらに苛酷だろう。流石といえる強烈な風貌。 (写真撮影・提供 戸澤博氏)
盛岡市宮武幸男氏の愛培株。 まだまだ発展途上の若苗の頃、見込まれて主役の座を約束されたエリート。 冬の厳しい東北の地にあって、凍害も受けず日焼けも起こさず、円満に成球に達して ご主人の期待に応えている。健康美と活力に満ちた幸せ一杯の国産球。
奈良多肉植物研究会・阪井健二氏栽培の標本株。W40cm×H42cm。
金鯱に斑入りなどいらない、あの刺、あの容姿だけで十分という栽培家がいないでもない。しかし、光沢ある鮮緑肌を彩る黄斑模様はまた格別である。繊細な味が売りものの多くの斑植物と比べて、巨体ならばこそ、雄大な姿態にマッチした美斑を備えた姿は貴重である。
茨城県・カクタスブライト社・二瓶和宏氏栽培の群生株。
金鯱は最終的には径80cm、高130cm位になり、その頃までに仔をつける例も多い。非常に少ないが若い頃から群生する固体も時にはある。生まれながらの端正な姿の単体に馴染んだ目からみれば群生株は多少の違和感があるかも知れないが、数頭が競い合って育つ姿には別の風情がある。

埼玉金鯱