うわじまパールカップ2006
|
日付:4月30日(日)
場所:愛媛県宇和島市
乗員:西村、岡崎、影浦
「うわじまパールカップ」も11回目となりました。この海域では最大級のヨットレースで、今年も多くの県外艇を含め合計38隻のエントリーがありました。
ゴールデンウイークで遠くからでも参加しやすいというのもあるでしょうが、レースの成績に関係なく豪華な宇和島真珠のアクセサリーをゲットできるというのもこのレースの魅力なのかもしれませんね。
レース前日から多くの県外艇が入港し、宇和島港はヨットハーバーのようになりました。 |
08:00からの艇長会議を終え、各艇がレース海面に集まってきます。
NEの弱い風がありますが海面にきれいに顔が写るぐらいのベタ凪。スタート前、各艇が有利なエンドを選択しそれぞれ分かれていきます。
我々「ホワイトホーク」は本部艇側から錐ヶ瀬浮標へアビームで流し、隙間を見つけてタックし、3/4回転してスターボードタックで10:00スタートの合図と共にトップスピードでジャストスタート。
スピンを揚げてドンドン加速し艇団から抜け出します。本部艇側からスタートした赤いスピンの船がスルスルと飛び出していきます。広島の「サミー」です。予想はしていたけれどやはり速い。しかし艇速ではウチも負けていない様子。
ところが急に「サミー」(Y33S)がスピンを降ろして引き返し始めました。どうやらリコールしていたようです。ウチにとっては超ラッキー。これで敵がいなくなり完全な独走態勢。
読み通り風が時計回りに振れてきて、そそくさとジェノアを揚げてスピンを降ろします。さらに風は西から南西に振れると読み北寄りに針路をとります。後を追って来る艇は無くその差は広がるばかり、円瀬回航前に風が弱まり少しもたついたものの後続を10分以上引き離し余裕のトップ回航。
ハッキリ言ってこの時点では勝利を確信していました。後に起こる悲劇など予想だにしていませんでした。
円瀬を回りスピンアップ。後方から「スターシヤ」(Y30SU改)、「ウインドキッス」(YOKOYAMA40)あたりが2番手で来ているのが分かりました。途中、円瀬に向かうライバル艇達と行き合いますが、第2レグを走っているのは「ホワイトホーク」ただ1艇。
ふっと後ろを振り返った瞬間、南西の方向からすごいブローが吹いてきているのが見えました。円瀬付近の海面が真っ黒になり、先ほどすれ違った艇は大きくヒールしています。2番手で円瀬を回航した「スターシヤ」と「ウインドキッス」がスピンにパンパンに風をはらみ、猛スピードで接近してきます。ウチにはまだブローが届かず、その差は縮まるばかりであっという間に追いついてきました。さらにその後方の艇団も急加速で接近してきます。
真っ赤なマストヘッドスピンを揚げた「サミー」がまるでパワーボートのようなスピードでバビューーーンと追い越して行き、さらにはライバルの「フェリア」(J29)や「メリー」(Y31S)までもが横に並びます。
すぐ後ろにはシングルハンドの「ソリトン」(Y-30SU)やセイラーズムーン(ジョイラック26)までもが迫ってきています。円瀬までのアドバンテージをきれいさっぱり失ってしまいました。
野島を離れ、やや南よりに行った「スターシヤ」と「ウインドキッス」はカームにつかまり失速。野島寄りにコースを引いた艇が伸びてきます。
野島から錐ヶ瀬までは微風の神経戦。1艇だけスイスイと滑っていく「サミー」は別として第2グループは「ホワイトホーク」「フェリア」「メリー」の宇和海勢が息詰まる攻防。錐ヶ瀬前で風を捕まえた「ピーターストーム」(TAKAI32)がそれに加わりさらに厄介なことになってしまいました。
ずーっと先に「サミー」は行ってしまいましたが、「フェリア」「ピーターストーム」「ホワイトホーク」の順で錐ヶ瀬を回航。スピンからジェノアに切り替え最終レグに入ります。
なんとか「ピーターストーム」を抜くものの前を行く「フェリア」までは届きそうもありません。
しかし、なんと言うことでしょう、前で「フェリア」が止まっているではありませんか。しかもタックして変な方向に行っている。
「ホワイトホーク」にチャンス到来。スルスルと風下から「フェリア」を抜いて一筋の光明が見えてきました。フィニッシュまであとわずか。
ありゃっ、ありゃりゃ??風見と風の方向が違う?なんだこりゃ?フィニッシュライン目前で急失速。
どこから来たのか一度死んだはずの「スターシヤ」が弱い風を捕らえて突っ込んできてます。ヤバイ。このままでは先にフィニッシュされてしまう。。。と思った瞬間「スタボーーー」と叫んでいた私。間一髪でなんとか「スターシヤ」を停めた。
ホッとする暇も無く今度は「メリー」がスタボーでスルスル突っ込んできた。ウチはポートタックになっている。万事休す・・・
最初は良い気になっていましたが、最後には厳しい結末が待っていました。これがヨットレースです。人生の様なものです。何事もすべてうまくいくはずがない。良い教訓になりました。
軽風のスピンスタート 昨年は大雨でしたが今年は穏やかな晴天。もう少し風があれば... |
広島の「SAMMY」(Y-33S) ファーストホーム、修正1位で完全優勝。圧倒的なボートスピードでリコール再スタートながら全艇をゴボウ抜き! |
「ホワイトホーク」(Y-31S) 円瀬回航まではぶっちぎりでした。 |
左、「ウインドキッス」(YOK40) 円瀬回航後ブローに乗り、先頭の「ホワイトホーク」を猛追する2艇。 |
「メリー」(Y-31S) 別府の森重さんが舵をひき、粘り強い走りで着順2位。 |
「ソリトン」(Y-30SU) シングルハンドながら大健闘。 |
左「セイラーズムーン」(ジョイラック26) 新旧ピーターストーム対決。 |
「フェリア」「ホワイトホーク」「メリー」宇和海勢の着順2位を争い。 |
「海王」「サンシャインV」など常連艇も最後の微風に苦しみます。 | 大型艇、小型艇入り混じってフィニッシュめざしてラストスパート。 |
修正順位
|
着順
|
艇 名
|
艇 種
|
船籍地
|
艇 長
|
TCF
|
H
|
m
|
s
|
経過時間
|
ポイント
|
1
|
1
|
SAMMY | YAMAHA33S | 広島 | 赤利 宏 |
0.800
|
2
|
33
|
16
|
9196
|
7356.80
|
2
|
17
|
RIKKA | オセアン23 | 宇和島 | 立花芳雄 |
0.650
|
3
|
11
|
13
|
11473
|
7457.45
|
3
|
7
|
セイラーズムーン | ジョイラック26 | 別府 | 大須賀文生 |
0.700
|
3
|
0
|
18
|
10818
|
7572.60
|
4
|
2
|
メリー | YAMAHA31S | 三瓶 | 山口郷三 |
0.750
|
2
|
50
|
55
|
10255
|
7691.25
|
5
|
3
|
ホワイトホーク | YAMAHA31S | 宇和島 | 西村幸治 |
0.750
|
2
|
51
|
4
|
10264
|
7698.00
|
6
|
5
|
STASHA | YAMAHA30SU | 徳山 | 田畑佳美 |
0.740
|
2
|
54
|
2
|
10442
|
7727.08
|
7
|
25
|
番長 | YAMAHA26C | 宇和島 | 末光広典 |
0.650
|
3
|
20
|
45
|
12045
|
7829.25
|
8
|
10
|
ソリトン | YAMAHA30SU | 大分 | 山本真 |
0.725
|
3
|
1
|
47
|
10907
|
7907.58
|
9
|
11
|
SUNSHINEV | ブリアン32 | 倉敷 | 山下光夫 |
0.730
|
3
|
4
|
12
|
11052
|
8067.96
|
10
|
31
|
風見鶏U | リベッチオ26 | 宇和島 | 松本直樹 |
0.650
|
3
|
27
|
0
|
12420
|
8073.00
|
アフターパーティーも盛大に行われました。 | 宇和島ヨットクラブ毛利会長の挨拶。 |
石橋宇和島市長の挨拶。 | ピーターストームのクルーとして参加してくださったプロギターリスト金沢氏の演奏。 |
昨年の優勝艇「タキオン」より優勝杯の返還が行われ、レプリカの優勝旗が贈呈されました。 | 今年の優勝艇「SAMMY」の赤利オーナーに恒例の紺ブレが贈呈されました。 |
「SAMMY」はファーストホーム賞も獲得し、完全優勝!! |
第2位の「RIKKA」立花オーナー 今回のレースに合わせてセイルを新調したかいがありました。 |
第3位の「セイラーズムーン」 レース後別府に帰ったため「ソリトン」の山本オーナーが代理で賞を受け取りました。 |
倉敷から毎年来てくださっている「サンシャインV」の山下オーナー。 |
姫路より参加の「Canopus」村上オーナーに遠来賞の海上保安部長賞が贈られました。 「Canopus」はレース後四国一周をされるとのことです。 |
パールカップ名物・宇和島真珠のネックレス。 今年は誰の手に? |
豪華真珠ネックレス争奪大じゃんけん大会。 | 真珠のネックレスを手にしたのは臼杵の「ひまわり」後藤オーナーでした。おめでとう!! |