2006年ヨットレース

別府湯けむりレース2006

宇和島ヨットクラブHPのレポート

付:10月8日(日)
場所:大分県別府市
乗員:西村、岡崎、安富、宮崎

レース前日10月7日(土)、台風崩れの低気圧の影響で豊後水道は前日から大時化。速吸瀬戸では大潮の急潮流と重なり波高3メートル以上の三角波が立っていました。朝6時に宇和島を出港した「ホワイトホーク」は風速40ノットの北西風をまともに受けつつ3ポン&ストームで悪戦苦闘しながら別府向け回航中。回航メンバーはゲンちゃん、DDBさん、Dトリッパーさんの3人。私は同じ海域を航行する職場で心配しながら海況を連絡するが、まともにワタリ(速吸瀬戸)の三角波を食らうとヨットは遭難しかねない状況であったためこちらもヒヤヒヤ、ドキドキ。「速吸はやめた方がいい、通るんなら高島と関埼の間を通るように」との指示をだす。
私は無事に回航できたら仕事を終えた後、夕方のフェリーで別府に渡ろうと思っていたが、昼前に「嫁が出産のため入院」したとの電話が入り、レースどころではなくなってしまった。
一方、同じごろ「ホワイトホーク」からは「メインが破れたで〜」との報告。「もう引き返すか?」とゲンちゃんに促すも「ここまで来たけん、ストーム一枚で行く。」との頼もしい返事が帰ってきた。何とか別府湾に入れそうなのでたどり着けそうだとのこと。

仕事を終え妻の入院する病院に行ってみると「あまりお産は進んでないので明日以降になると思うよ」だって。こんなときにヨットレースに行って遊んでたなんて事になったら一生言われ続けるだろうなと思いつつ、上の子の面倒を見るため一時帰宅。すると、「生まれそう〜!!」 回航組からは「着いたで〜」との報告。
宇和島から母を呼び、病院に行ってみると、しばらくして分娩室から「オギャー!!」という元気な泣き声が。。。ありゃ、りゃ、もう生まれたんかいな!?
安産で母子共に健康。しかも実家の母も来ている.....ということは.....明日レースに行ってもいい?のかな???
恐る恐る聞いてみると「行って来さいや!」とのありがたいお言葉をちょうだいし、心の広い家族と絶妙のタイミングでこの世に出てきてくれた次女に感謝して、翌日早朝のフェリーで別府に渡ったのでありました。

10月8日(日)

9時過ぎに新若草港に到着。爽やかなな秋晴れのもと艇長会議も終了し、各艇出港準備に取り掛かっています。
「ホワイトホーク」も出港準備をして、いざ出陣。別府観光港に入港前のフェリーからレース海面を観察したところまだかなり吹きそうです。
コースは観光港北側をスタートして別府湾ロイヤルホテル付近の上マーク、日出沖のサイドマーク、スタート地点のマークに戻り最後はソーセージのオリンピックコース。
先にレース海面に到着しセイリングする艇の状況を見極めながらヘッドセイルをヘビーに選択する。何度かスタートライン付近を走り有利なエンドを確認する。

10時30分がスタート。本部艇側に多くの艇が集まっているが、我々はリミットマーク側が有利と判断。他艇の混雑を避けてアビームで加速。時計と睨めっこしながら一回転してスタート。スタートはまあまあだったが、ライバルの同型艇「タキオン」が少し先行している。
時折大きなブローが吹き降ろしてきて風向も触れ回る「タキオン」を追いつつ風下の「悟空」(ファースト300スピリット)も警戒。陸に突っ込みすぎた「タキオン」がやや遅れ、逆に沖に出していた「悟空」が伸びて上マークをトップ回航した。続いて我々が2番手。ターゲットを「悟空」に変えてスピンを揚げる。スピンを揚げた「悟空」はまさに筋斗雲に乗った孫悟空のように速い。後ろからは「タキオン」の赤いスピンが追ってくる。先行する「悟空」がサイドマークを回ってジャイブしたところでスピンがちょうちんになっている。チャーンス!!
「ジャイブをミスるなよ。追いつけるぞ!!」よし、うちもジャイブ。あれっ?バウがもたついている.....あれ、れ?ジャイブ失敗!!スピンがフォアステーに巻きつき、ちょうちんになっている。なんてこった。すぐ後ろには「タキオン」が.....あれっ?こちらも、ちょうちん。しかも深刻そう。
やれやれ、何をやっているんだ。と思ってジェノアに変更してスピンを回収していたら、先行艇のトラブルに気付き早々にスピンを下ろしてジェノアで快走している艇が横に並んでいる。
「マタンギ」(オークレット9)だった。
「悟空」との差を思うほど縮められず第3マークを「マタンギ」と大接近で回航。ジブをNo.3にチェンジしたかったが機を逸してヘビーのまま、だましだまし上りのレグへ。時折大きなブローが吹き降ろしてきてオーバーキャンバス気味。最終マークもトップ回航した「悟空」はスピンを揚げていない。ここでも「マタンギ」と競り合ったが、むこうが1艇身早く回航した。タイミングは少し遅れたがスピンアップを指示。「マタンギ」も準備を始めた。先行の「悟空」もやっとスピンを揚げた。
「悟空」の様子がちょっとおかしい。ジャイブしてスピンが変な格好になっていて、バウで2人ほどバタバタしている?差がドンドン縮まる。やった!!チャンスだ。
風上の「マタンギ」にラフィング攻撃をしかけながら「悟空」の風上を突破。「マタンギ」と強烈に競り合いうちがマークの外に追い出そうとラフィングを仕掛ける。抜き去った「悟空」がやり合う我々の後方から漁夫の利を狙っているのも分かる。フィニッシュ目前で一瞬「マタンギ」のスピンが潰れ失速して後退した。やったーーー。そのまま流れ込んでファーストホーム。
最終レグでは幸運の女神が微笑んだ。もしかして、昨日誕生した次女のおかげだったのかなぁ?
それはともかく今回はいろんな面でついていました。回航メンバーの3人も苦労が報われたことでしょう。

爽やかな気候のもと、良い風に恵まれレースも堪能したし、アフターパーティーも大いに盛り上がって楽しめました。温泉も街も近く、波も静かな別府湾はヨットをするにはうらやましいぐらい良い所。また来たいですね。

新若草港

北浜ヨットハーバー改修工事のため、再来年の国体が終わるまで、こちらが別府外洋帆走クラブのメイン泊地となるそうです。

 

レース前の準備をする「ホワイトホーク」

湯けむりレースのため県内外から多くのヨットが集まりました。

レース海面へ向かうレース艇

レース中の写真はまったく撮影することが出来ませんでした。

フィニッシュ直後。ファーストホームを祝して乾杯!!

全マークトップで回航しながら最後にスピントラブルに泣いた「悟空」

別府温泉のシンボル「竹瓦温泉」

繁華街にあり近くには高級浴場も多数点在。呼込みに気をつけろ!!

ヒットパレードクラブで行われたアフターパーティー。

BOYC小出会長のご挨拶。

今回の「ホワイトホーク」メンバー

回航の3人も接戦のファーストフィニッシュをもぎ取り、苦労が報われたことでしょう。

ファーストホーム、修正3位の好成績に満足。

生バンドの演奏でパーティーも盛大に盛り上がりました。

みんな踊りまくり〜!!
注:かぶりつきの若き乙女達は残念ながらヨット関係者ではありません

レース前日に誕生した我が娘(次女)

幸運の女神様でちゅか?
将来は有望なヨットウーマンでオリンピックでも目指すかな?いや、この業界に足を突っ込むのは彼女にとって好ましいことではないのは、間違いない。

(レース結果)  参加24艇

修正順位
着順
艇 名
艇 種
船籍地
TCF
H
m
s
所要時間
修正時間
1
2
マタンギ オークレット9 下関市
0.730
2
06
34
7594
5543.62
2
3
悟空 ファースト300スピリット 室津
0.735
2
06
39
7599
5585.265
3
1
ホワイトホーク YAMAHA31SLTD 宇和島
0.755
2
06
27
7587
5728.185
4
6
ブルーアース YAMAHA30SU 別府
0.730
2
14
46
8086
5902.78
5
7
MOSA YAMAHA30S 別府
0.725
2
16
24
8184
5933.4
6
5
タキオン YAMAHA31S 別府
0.755
2
13
7
7987
6030.185
7
9
セイラーズムーン ジョイラック26 別府
0.700
2
23
47
8627
6038.9
8
4
シーマイル ファースト45F5 別府
0.790
2
10
33
7833
6188.07
9
8
ひまわり YAMAHA31S 臼杵
0.750
2
19
35
8375
6281.25
10
10
SACHII V バンドフェット 宇部
0.710
2
29
32
8972
6370.12

全結果表