2008年ヨットレース

第13回 宇和島市長杯ヨットレース
うわじまパールカップ2008

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  フォトアルバム1 (ホワイトホークカメラ、本部船カメラ)

  フォトアルバム2 (高知ヨットクラブ)


4月26日(土)


午後から県外より多くのヨットが宇和島港に入港してきた。普段はヨットなど数えるほどしかいない狭い港が徐々にヨットで埋められていき、やがて賑やかなヨットハーバーのように変貌していくその様子はこのパールカップの時期だけにしか見られない風景として定着してきている。
しかし、今年はいつもヨットの係留場所として利用させてもらっている浮桟橋が臨時定期船の発着場となっているため使用できない。そのため、他の係留場所もほとんどが地元漁船で埋め尽され、ヨットを係留できるスペースがほとんどない。多くのヨットを受け入れなければならない我々主催者側のスタッフも困り果てていた。ある港湾関係者からは「毎年ヨットを泊める場所などないことが分かっていながら大会を実施するのは無責任だ。」との厳しい意見も頂戴した。
たまたま、定期旅客フェリーがドック入りしているという情報を入手しフェリー岸壁をヨットの係留場所として使用させてもらうことができたのは幸運だった。
夕方までに27隻の外来艇が無事到着。各艇に協力してもらい窮屈な格好での抱き合わせとなったが、何とか無事に船を係留していただけた。
係留場所の確保は今後も「うわじまパールカップ」の課題として付き纏ってきそうだ。

 


4月27日(日)

レース当日は好天に恵まれた。朝早く回航のため出港した「ホワイトホーク」からはレース海域は10m/s程の風が吹き白波が立っているとの連絡が入った。
今年も中国、四国、九州の各地から37隻のヨットが集まり、朝から新内港は賑やかだった。また、ぜひ一般市民の方々にも間近にヨットレースを見てもらいたいという思いから、今年はヨットレース観覧船を運航することにした。そのため大勢の人が集まり例年になく華やかなムードで開会式が始まった。

南海放送からテレビの取材インタビューを受ける「サンシャインV」山下さん。

開会式にて、宇和島市長、宇和島ヨットクラブ会長のご挨拶に引き続き艇長会議。

 


艇長会議終了後、各艇レース海面に向け出港。
レース海域は西北西の風7〜8m/s。毎年風に悩まされるパールカップも今年は大丈夫そう。

今年の「ホワイトホーク」は西村、岡崎、それから何年かぶりに転勤で宇和島に帰ってきた原口の長崎大学水産学部OBでチームを固めた。それに愛媛新聞のF記者(♀)が取材のため乗り込んだ。
昨年優勝しているので今年はレーティングも跳ね上がっているし、県外からの有力艇も多数出場してきている。なかなか上位に入賞するのは難しいかも知れない。しかも、強風のレースでは海域を知り尽くした地元艇の利点より艇のポテンシャルが優先される。まあ、とにかく頑張ろう。

10:00ほぼ全ての艇が風上の本部船側から一斉にスタート。
「ホワイトホーク」は集団の中ほどにいて、ラインを確認していた。前方に位置取り、飛び出した艇はかなりの数リコールしたように見えたが、本部船の判断はオールフェアーだった。
各艇クローズホールドで第一マークの円瀬に向かう。やはり大型艇が先行し、「WIND KISS」がフリートをリード。それを高知の初出場「インプレッサ」や「ピーターストーム」「メリー」「タキオン」「STASHA]「風太朗」などの快速艇が追う展開。UYC新会長の豪華大型カタマラン「レッドウイング」も久しぶりに快走し、36ftのオールドボート「セイラーズムーンV」も巨大なジェノアを揚げて健闘していた。そんな中、高知から来たもう一隻の刺客「だるま」の姿が見えない。後で知ったのだが、スプレッダーが折れてセイルを上げられない状態だったらしい。せっかく遠路はるばるやって来てくれたのに残念。

丸瀬は「WIND KISS」がトップで回航。その後スピンランでぶっ飛ばす。「ホワイトホーク」はコース取りに失敗し、10〜11番手まで遅れてしまった。途中まで大健闘していた「セイラーズムーンV」も何かトラブルが発生した模様で姿が消えてしまった。
丸瀬回航後のスピンランは爽快!!「ホワイトホーク」のスピードメーターは8〜9ノットを示していた。野島までに「サンシャインV」「ひまわり」「風太朗」を抜き去り、37ftの「白鴎」にも迫る勢いだった。
トップ艇はすでに最終マークの錐ヶ瀬を回ったようだったが良く分からなかった。そのうち「WIND KISS」がセイルを下ろしたのを確認して「うひゃー、えらい速いなあ!?」と感心していた。なんと、錐ヶ瀬をフィニッシュと間違え、レースを終了しようとしていたのだった。後に問題となったのだが、レースの行方を見守っていた支援艇が錐ヶ瀬でフィニッシュという誤った情報を「WIND KISS」に伝えてしまったらしいのだ...。しかし、コース指示書でも艇長会議でもフィニッシュラインは別に設置することを明記名言しているし、例えコース短縮の場合でも本部船を右に見てフィニッシュするということを申し伝えている以上、レースに参加する艇はそれに従わねばならず、「WIND KISS」の過失は否めない。

このままフェアーにフィニッシュしていればファーストホームは確実だった「WIND KISS」だが、このハプニングの間に相当なタイムロスを余儀なくされた。
結局、「インプレッサ」が大逆転で1着。続いて2着は「ピーターストーム」だった。

「WIND KISS」の判断は表彰式で事情を説明し、運営サイドにもミスがあったことも認めた上で、所要時間から3分をマイナスするということで参加各艇からの了承を得た。少し後味が悪い結果となってしまったが、我々運営サイドとしても今後このような事の無いよう徹底いたします。「WIND KISS」の皆さんにはこの場を借りてお詫び申し上げます。

さて、我が「ホワイトホーク」はと言いうと最終マークの錐ヶ瀬を回航前に、スピンを海に落としてしまうミスが発生。回航後もジブシートが外れてしまったりしてミスが続出。結局「風太朗」にも再度抜かれてしまい、終わってみれば着順9位の散々な結果だった。
振り返ってみると今回のレースの敗因は練習不足もさることながら、いろいろなことが重なってしまった。まずセイルのチョイスを間違えていたこと。スタート前に風が少し落ちてきてい
たこともあり、ライトジェノアを選択してしまった。ところが中盤から風は上がりオーバーキャンバスのまま、だましだまし走らざるを得なかった。また、最初に出遅れてしまったため、いちかばちかの博打を打って極端なコースを引いてしまったこと。しかし、一番大きいのは「勝ちにこだわる執着心」がなかったことかもしれない。やはりレースに出る以上は気持ちが負けてしまっていては勝負も負け、心の緩みや集中力の欠如が失敗や判断ミスに繋がってしまう。反省して次のレースに生かせるよう心がけたい。

最後になったが、今年のパールカップは一味違ってとても良かったと思う。やはり、なんと言ってもレース観覧船を運航できたこと。最初は80名の定員が埋まるのか?果たしてヨットレースを見たいという人が来てくれるのだろうか?などという不安があったが、あっという間に募集定員はいっぱいになりキャンセル待ちが出る始末。あちこち宣伝した効果もありマスコミが食いついてきた。それがさらに宣伝効果になり、パールカップまでもがテレビ番組で放送されるようになった。
やはり、ヨットはまだまだ世間一般には理解されていない部分が多い。実際にヨットレースを見る機会などというものは自分がヨットに乗って出場でもしていないかぎり、なかなかないと思う。こうして、観覧船から実際に間近でヨットレースを見たり、テレビで迫力のある映像を見たりすることによって、何かを感じてもらいたいし、ヨットに関心をもってくれる人や、これからヨットに乗ってみたいという子供達が現れてくれればすばらしいことだと思います。
これからの「うわじまパールカップ」は参加する選手だけでなく、一般の市民もが楽しめるヨットレースにしたいと思うし、また、それが宇和島市の発展や地域の活性化に繋がっていくことを期待しています。

ヨットレース観覧船「しらさぎ」

今年初めて運航したが、乗船した方々の意見は本当に嬉しいものばかりでした。
なかなかヨットを見る機会のない方々にとっては喜んでいただけたものと思います。

 

 

1位インプレッサ (グランドサプライズ)

高知から初出場初優勝。ファーストホームまで手に入れた快速艇。

2位
メリー (YAMAHA31S)

今年はハイテクセイルを装備し強力ヘルムスマンの起用で必勝体制。昨年より順位を一つ上げ今年は2位。

3位
STASHA (YAMAHA30SU改)

常に上位入賞の実力艇。来年こそは悲願の優勝なるか?

4位
ピーターストーム (タカイ32)

今年は速かった!!久しぶりに存在感を見せ付けられました。

5位
風太朗 (First33.7)

吹けば速い。今年のレースでは実力を発揮。

6位
DAWN暁 (オセアニス35.1)

やりました!!パールカップ初めてのシングル入賞。おめでとう。

7位
サンシャインV (ブリアン32)

御歳76才とは思えないとても元気なスーパーおじいちゃん。 ヨットの走りも若々しい。しかも、この艇は手入れが行き届き、とても美しい。ヨットオーナーの皆さん見習いましょう!!

8位
海王 (YAMAHA30CU)

古豪復活!! パールカップ皆勤賞。

9位
ひまわり (YAMAHA31S)

奥さんと二人で強風のレースを乗り切りました。

 

 

10位
タキオン (YAMAHA31S)

別府では圧倒的な強さですが、パールカップでは過去に優勝経験があるため非常に厳しいレーティングが響いたか。

17位

ホワイトホーク (YAMAHA31SLTD)

今年は不本意な成績でしたが、県外からの有力艇の前では実力はこんなものです。次のレースは頑張ろう。

19位

WIND KISS (ヨコヤマ40)

最終マークまではぶっちぎりで独走していたが・・・。

20位

白鴎 (Firstヨーロッパ)

パールカップ初出場!!
これからも毎年出場して下さいね。

 


(参加37艇)

総合
着順
艇 名
艇 種
艇 長
船籍港
TCF
着 時 刻
所要秒
ポイント
1
1
インプレッサ グランドサプライズ 中原 慎 高知
0.800
11時20分13秒
4813
3850
2
5
メリー YAMAHA31S 山口郷三 三瓶
0.750
11時27分51秒
5271
3953
3
6
STASHA YAMAHA30SU 田畑佳美 徳山
0.740
11時29分10秒
5350
3959
4
2
ピーターストーム タカイ32 近間成美 周南
0.790
11時23分46秒
5026
3971
5
8
風太朗 ベネトーファースト33.7 児玉一成 大分細
0.735
11時31分00秒
5460
4013
6
14
DAWN 暁 オセアニス35.1 東崎佐智美 高知
0.710
11時36分38秒
5798
4117
7
12
SUNSHINE V ブリアン32 山下光夫 倉敷
0.725
11時35分19秒
5719
4146
8
13
海王 YAMAHA30CU 奈良利春 別府
0.720
11時36分16秒
5776
4159
9
10
ひまわり YAMAHA31S 後藤浩道 臼杵
0.750
11時32分55秒
5575
4181
10
4
タキオン YAMAHA31S 麻生日出男 別府
0.800
11時27分07秒
5227
4182

全艇成績表



アフターパーティーはクアホテルのクリスタルガーデンで盛大に行われました。

今年も大勢の参加者で盛り上がりました。
一年に一度、毎年パールカップで顔を合わす面々も多いはず、いつまでも皆元気でまた来年もお会いしましょう。

石橋宇和島市長のご挨拶。
公務で多忙な事でしょうが、毎年このパーティーのために出席くださっています。本当にありがたいことです。

表彰式に先立って、宇和島ヨットクラブ毛利前会長から三浦新会長への交代式が行われました。
昨年優勝の「ホワイトホーク」から優勝杯の返還が行われました。
市長さんにカップを返しに行ったのは、将来有望なちびっ子クルーたち。

優勝杯返還のレプリカとして、優勝旗をいただきました。
「ホワイトホーク」のちびっ子クルーを前に、市長も満面の笑み。

優勝の「インプレッサ」中原オーナー。

今回初出場で初優勝。初めて「宇和島カップ」が高知に渡りました。

2位の「メリー」山口オーナー。

昨年の3位から一つ順位を上げました。来年は・・・?!

3位の「STASHA」田畑オーナー。

昨年は2位でしたが、今年も立派な成績。

「サンシャインV」の山下さんは第2回の大会から毎年パールカップに参加してくださっています。
その功労を称え、ますますお元気で毎年宇和島に帰ってきて下さるように、「特別功労賞」を贈らせていただきました。

今年も豪華真珠アクセサリーを始め多くの賞品を用意しました。

これが今年のメイン賞品。
さて、誰の手の渡るのか?

高知の元気なお姉さん、東崎さん。

いつも元気な笑顔で大会を盛り上げてくださっています。優勝の「インプレッサ」から優勝ブレザーを剥ぎ取り、カップを剥奪。なんとこの後、真珠のネックレスまで持って行ってしまいました。

それにしても今年のパールカップは高知勢が大活躍でした。毎年遠くから来てくれて本当にありがとう。来年もお願いします。