2008年ヨットレース

別府湯けむりレース2008

写真アルバム
ピーターストームhayashiさん撮影

日付:10月12日(日)
場所:大分県別府市

私事なのですが9月から職を変わり、土日に休めるようになりました。今までならレースがあっても休みが合わず、悔しい思いをしてきましたが、これからは大丈夫(ウッシッシ!!)。
というわけで、2年ぶりに別府の「湯けむりヨットレース」に行ってきました。今年の係留場所は(新)北浜ヨットハーバー。まだ未完成ながら、今回のレースのために特別に利用させていただいたようです。立派なポンツーンが設置され、モダンなヨットハーバーに変身。街にも温泉にも近くとっても便利、しかも別府湾は波穏やかでとっても良いフィールド。うらやましいですね〜!!

宇和島からの回航で潮だらけになった体を温泉でさっぱりさせ、前夜祭へ出席。とてもアットホームな雰囲気の手作りパーティー。女性陣が頑張って支度をしてくれました。参加料はなんと500円。ありがたいことです。

今回のレースには29艇がエントリー。中でも注目はYAMAHA31Sから33Sに乗り換えた地元別府の「タキオン」。宇和島ではマストトラブルに泣いたが(酒が入れば)相当速いという高知の「だるま」(YAMAHA31F)。ジェネカーを購入し、ノースセイルのスタッフが乗艇する室津の「悟空」(ファースト300スピリット)。素性は知らぬが明らかに純レーシング使用の黄色い船体「BOMB-R」(ファーストクラスチャレンジ)。それから「ひまわり」「メリー」の同型艇。「ひまわり」は船底レストアで相当速くなっている。「メリー」はいつもの秘密兵器作戦?今回は影武者の姿は見えないが3日前に極秘ドックで船底をツルピカにしたそうな・・・
忘れてならないのが佐伯の「北斗」(YAMAHA19)。小型艇のハンディを生かして数々の番狂わせを起こしてきた不気味な存在。
これらのライバル艇を相手に「ホワイトホーク」がどこまでその存在をアピールできるかが今回のレースの課題。最初から気持ちで負けず、最後まで集中力を切らさずに行こう!!

レース当日。早起きして朝飯を食べに行った。昨夜の二日酔いもなんのその。ご飯をおかわりして2杯食べた。よっしゃ頑張るぞ!!
今回のレースメンバーは宇和海で活躍している「DDB」(YAMAHA30SU)、「DAYTRIPPER」(YAMAHA23S)のオーナーに松山の影浦氏。それから紅一点「DDB」オーナー氏のカノジョ(カズミさん)が乗ってくださることになり、私を含めて合計5人。人手は十分です。
艇長会議を終え早々に出港。スタート海面は時折軽いブローが入るものの微風。スタート前はあまり風が無く無風の嫌〜なレース展開が頭をよぎる。

1030ゴチャゴチャ団子状態でスタート。やはり「タキオン」が出てきた。風上に「悟空」も飛び出している。我々も団子から抜け出し、まずまずのポジション。「だるま」はリコール解消のためスタートをやり直し。これが後になって明暗を分けることに...
予想に反してそこそこ風が出てきた。が、気まぐれにシフトする。
最初の上マークは「タキオン」が先頭、次いで挽回してきた「だるま」、ずいぶん下手にいた「ひまわり」が驚異的な上りでなんとウチと同時に回航。「タキオン」との差はまだあまり開いてない。ヘルムスを「DDB」オーナーに交代し、私はバウとスピントリムに徹する。「ひまわり」を引き離すも、後続の「悟空」がものすごいスピードで差を詰めてくる。噂のジェネカーだ!!あっという間に抜かれ、トップ争いに絡んできた。第3レグのクローズリーチでも「悟空」だけジェネカーを下ろすことなく「だるま」と共に先頭の「タキオン」を追い立てる。この時点で「ホワイトホーク」は4番手。もはや追ってくる艇もない。狙うは前を行く3艇。「ホワイトホーク」に乗ってくれたクルーのみんなもナイスファイトで頑張ってくれている。
風下マークを回航し、再び最初と同じ上りのレグへ。「タキオン」「悟空」はそのままポートタックで右海面へ「だるま」はすぐにタックしスターボードタックで左海面へ。「ホワイトホーク」はちょうど中間あたりでタックし左海面へ。風がシフトしヘディングが落とされ始めた。すかさず「だるま」がタックしてウチのすぐ前を横切った。我々も「だるま」に続こうかと思ったが後を追っても面白くない。第一レグで「ひまわり」がマーク手前で強烈に上りきった風を信じてそのまま進む。・・・するとどうでしょう。魔法のように風は右にシフトし、最大で50度近くも角度を稼いだではないか。高さでは負けているが「タキオン」が右後方に見える。 これだからレースは面白い!!
最終マークを「タキオン」に続いて2番手で回る。「よし、あとはスピンで一本だ!!ミスをしないように頑張ろう!!」と、クルーのみんなに喝をいれるが、私がセットしたアフターガイがスピンポールから外れちゃった。「ごめんなさい」 気を入れなおしてがんばろう!!
しかし、風はどんどん前に振れ、スピンを揚げていられる限界の角度に。スピンでは厳しい。ジェネカーの「タキオン」は差を広げてゴールめがけてまっしぐら。後ろからは「悟空」と「だるま」が追ってくる。「悟空」は前述のニュージェネカー。途中まではなんとか差を詰められず踏ん張ったが、フィニッシュ手前で風が落ち始め「悟空」がどんどん迫ってくる。上って阻止しようとするも、もう限界。ジェノアにチェンジする暇もなし。虚しくも風上からあっさり抜かれてしまった・・・。それは2年前にリードする「悟空」のミスにつけこみ、「ホワイトホーク」が最終レグで抜き去ったツケを倍にして返されたような・・・痛い一撃を喰らった瞬間だった。勝負の世界は厳しい!!
最後は3着でフィニッシュしたものの、やはり悔しさが残る。TCFはそれぞれトップの「タキオン」が0.830、「ホワイトホーク」と「だるま」が0.770、「悟空」が0.750。もし2着でフィニッシュしていたら・・・だったかも?とか、もし「悟空」がジェネカーを持っていなかったら・・・だったかも?とか、往生際悪く「鱈」と「鴨」が頭の中を泳いでいた。
終わったことはしょうがない。「タキオン」との修正時間差によっては準優勝だし、悪くても3位は確定したようなもの。ここ最近のレースでは良い結果が残せず不振にあえいでいた「ホワイトホーク」には明るい兆しが見えてきた。おそらくこのレースが今年最後の公式戦。来年に繋がる良いレースが出来たので満足!満足!

ハーバーに帰港し後片付けを終えた。ファミレスで空腹を満たして温泉に入り、上機嫌で表彰式を待っていた頃、一気に気分がブルーになってしまうような、「嫌ーーー」な情報が飛び込んできた。
気分は急降下し、口数少なく徒歩にてパーティー会場の「ヒットパレードクラブ」に向かう。
会場の雰囲気は仕事を終えたヨットマン達のカタフリで盛り上がっていたが、私の心の中にはモヤモヤが居座り、誰かに声を掛けられても生返事で応対。
「不確かな情報であって欲しい・・・」

やがて、表彰式が始まった。

レース委員長より、結果発表に先立ち「28艇出走しましたが、順位は19位から発表します。」という言葉が発せられた瞬間。私の心境は緊張から落胆に変わった。
結局、「ホワイトホーク」と「タキオン」の名前を呼ばれることは無かった。
「情報は確かだった。」
スタート時に「ホワイトホーク」と「タキオン」を含む数艇がリコールしていたのだった。
それを見事に解消したのが「だるま」。

実はスタート前にラインを確認していたクルーより「出ているから戻れ」との指摘があったが、私の判断では「大丈夫」と思い強行した。しかし、数秒後、潮に流されているのに気付き、「ヤバイ」と思い一回転して戻ったのだが、その時点で一分間ルールに引っかかっていたようだ。
微風の団子状態で一回転したときに、風上にいた「だるま」をラフィングして追い出した。やがて、スタートホーンが鳴った。「だるま」は已む無く再スタート。
ラインを確認していたクルーも「セーフ」という判断だったのでウチはそのまま行った。

表彰式では6隻がリコールに引っかかったという発表だったが、あの状況では本部船から全ての艇を確認することは不可能だったはず。本来ならゼネラルリコールとするべきではなかったのか?という思いもある。

いずれにしてもルールを犯してしまったことには違いが無いので、せっかく一生懸命頑張ってくれたクルーには大変申し訳ないの一言です。
しかし、失敗を恐れて最初から逃げ腰になっていてはヨットレースで勝てないのも事実。来シーズンからは仕事の縛りも無くなり堂々とヨットレースに出れることだし、今回の悔しさをバネに怖〜〜い「ホワイトホーク」を復活させてやるぞー!!



回航中、佐田岬で出合った昔の私の職場。

ブリッジに手を振るとすぐに携帯が鳴った!!

 

新しくなった北浜ヨットハーバー

手作りのご馳走が並ぶ前夜祭会場

温かいもてなしに宇和島のヘンなオッチャンもいい気分

ていちょうかいぎ〜

今回のレーティング表

Y31Sが3隻なのに「ホワイトホーク」だけなぜ高い?

拡大

レース前に高崎山をバックに記念写真

メリー(YAMAHA31S)

3年前の優勝艇。メインもジェノアもハイテクセイルで武装。

フネも速いが、オーナーの酔い覚めの速さに驚き。

YAMAHA33Sに進化したニュー「タキオン」と(右)「セイラーズムーンU」(ジョイラック26)

佐伯の「北斗」(YAMAHA19)

最小艇ながら、この艇の実力は見た目以上!!
要注意!!

日本一周を終えたばかりの「ラミジ」(YAMAHA30CRS)

絶好調!!
宇部から参加の「SACHII-V」
(バンドフェットPB)

風上マークへ向かう第一レグ

手前が優勝艇「悟空」(ファースト300スピリット)
となりの黄色いハルが「BOMB-R」(ファーストクラスチャレンジ)
赤いハルが大型艇「シーマイル」(ファースト45F5)

速そうなベネトー勢

第二レグのスピンラン

後方は同型艇の「ひまわり」

最終レグ

逃げる「ホワイトホーク」
追う「悟空」

最終レグ

先頭でマストヘッドジェネカーを揚げてフィニッシュに向かう「タキオン」

優勝艇「悟空」

こちらもジェネカー!!
風は前に回りジェネカー有利

「ホワイトホーク」

最終レグはスピンではきつかった。
時代はジェネカー。

こちらもスピン。
フィニッシュへ向かう高知の「だるま」(YAMAHA31F)

(レース結果)  参加29艇

修正順位
着順
艇 名
艇 種
船籍地
TCF
H
m
s
1
2
悟空 ファースト300スピリット 室津
0.750
3
31
58
2
4
だるま YAMAHA31F 高知
0.775
3
35
09
3
5
ひまわり YAMAHA31S 臼杵
0.760
3
43
19
4
6
メリー YAMAHA31S 三瓶
0.760
3
44
35
5
14
セイラーズムーン ジョイラック26 別府
0.690
4
21
20
6
9
ソリトン YAMAHA30SU 大分
0.730
4
12
30
7
11
MOSA YAMAHA30S 別府
0.725
4
20
02
8
7
TiTi スプリント95 別府
0.760
4
09
34
9
15
SACHII V バンドフェットPB 宇部
0.710
4
25
12
10
12
ブルーアース YAMAHA30SU 別府
0.730
4
20
18

全結果表