2013年ヨットレース

このページでは佐伯セイリングクラブ疾風さんが撮影した写真を使用させてもらってます。

ブログ記事

(7月27日)
今年も佐伯市長杯クルーザーレース大会に出場します。
「回航は風もなくて暑いよ〜」と予想していたので前の晩からアイスボックスに氷をたくさん入れて飲み物を冷やしておきました。
朝になり、メンバーの番長さんとK浦さんが登場。
K浦氏は「ちゅめたいビールいっぱい持ってきたよ!!」
「え、もうクーラーに入りませんがな・・・」
「・・・?」
「クーラーもう一個持って行こっ!?」
今回はレース前の荷物降ろしはやめようと思っていたので、できるだけ不要な物は置いていこうと考えていたのだけどしょうがないね。必要なものだから・・・。
てなわけで、朝8時に佐伯向け出発。
夏のヨットは日差しを遮るものが必須です。
あるヨットが園芸用遮光ネットを回航用のオーニングとして使用していた。
これが結構いいので、アイデアをパクらせていただきました。
日よけになるのはもちろん、適度に風が抜けるので熱がこもらず涼しいし、風にあおられてバタバタすることもありません。なんと言っても価格がチープです。
コックピットをスッポリ覆えるブームの長い船向きです。
風もなく機走でトコトコ走りますが、すでに朝から宴会モードです。
みんな飲み物は持っていますが、誰も舵を持とうとはしません。
オートパイロット君だけが一生懸命働いてくれています。
重たいクーラーの中身も燃料タンクの軽油もだいぶ消費し、艇の軽量化に役立っています。
このまま、ダラダラ順調に佐伯に到着してしまうのかと思っていたら、急に空が暗くなってきて、何やらポツリ、ポツリ・・・?
そのうち、ザザッ、ザーーーーー。
やばい!!中に入ってカッパの上だけ着て外に出た。
Tシャツ短パン姿で見張りをしていたズブ濡れの番長さんと交代。
佐伯港は目の前です。だけど、滝のような土砂降りでパンツの中まで水が浸みてきた。
「しまったぁ。フル装備でカッパを着ておけばよかったぁ。」
雨は弱まる気配はなく、そのまま葛港の魚市場桟橋に係留しました。
市場の上屋に避難したとたん、雨は小康状態となりやがて上がってしまったのでした。
グウタラ回航の罰が当たってしまったようです。
「やれやれ、やっぱり世の中うまく行かないものですな。」
ところが世の中うまく行くときもあるのです。
佐伯セイリングクラブのN山会長がいいタイミングで登場して、お風呂まで連れて行ってくれたのです。
やっぱりヨットの後のお風呂は最高。汗も流して気分も体もスッキリです。

夕方になると別府方面からのヨットが入港してきました。
豊後水道のレースでは無敵の強さを誇っていた「タキオン」は小型のMyLadyに変身して艇名も可愛らしい「小春」になっていました。
「CHIHAYA」のご夫婦も到着。お待ちしていましたよ。
さらに、名艇「ソリトン」から今春31Sに乗り換えたDr.「Daisy」もやって来ました。「ホワイトホーク」にとっては脅威となる相手です。

明日のレースが楽しみですが、その前に前夜祭で盛り上がりましょう。
佐伯のレースは実にアットホーム。パーティーもレースの前夜祭という感じではなく、仲間と普通に好きなことを言ってワイワイ騒いでるといった感じ。
これが、いいんですよね〜。

 

 

 

(7月28日)
少し雲の多い朝です。
風は期待できそうにありません。むしろ吹かないほうがいい。雨はイヤだ。
本日の出場は12艇。
今回のコースは大入島の西側をスタートして、時計回りに3/4周するコースです。
佐伯のレースは毎回コースが変わって複雑だからみんな真剣に艇長会議の説明を聞いています。今回もそうとう難しいレースになりそうです。

艇長会議を終えて各艇それぞれ出港して行きますが、レース海面はやはり微風です。
しかも、いろんな方向から弱い風が吹いていて風向が定まりません。
おそらく、複雑な地形のため潮の影響もかなりあると推測されます。

    

1000レーススタート。
「ホワイトホーク」はやや後方からスピンスタート。
こういう状況では十分に助走をつけて加速しておくことが大事なのです!!と言い訳しておきましょう。
スタート前の加速が功を奏し、良いスタートを切った同型艇「Daisy」の横をすり抜けていきます。
大型レーサー「伯鴎」もパスしてトップに・・・
しばらくすると、冷や〜っとした風がス〜っと吹いたかと思うと、スピンがシュワシュワ〜っと潰れた。
ウインデックスは後方を指さしていますが、海面の風は間違いなく前から吹いている。
即座にジェノアにチェンジし艇速をキープ。

ここからは忍法ミズスマシの術で滑らかな海面をスイスイ進み、忍者のようにドロンと姿を消してしまいましょう。
慎重にタックを重ねながら、順調に後続との差を広げていきます。
が、しかし、風に斑がある上、おかしな潮もあります。
地ノ鼻手前でタックを入れ村碆に向かいますが、もたついてしまいます。
そうこうしているうちに、「Daisy」が追いついてきました。
しかもなんと、官島と地ノ鼻の間を抜けてきた〜!!
あっという間に差は縮まり、振り出しに戻りそうな、イヤ〜な空気が一瞬漂いかけましたが、「Daisy」も失速。「伯鴎」が逆転したか?

そんな光景を後ろに眺めながら「ホワイトホーク」は走り出しました。
他はみんな止まっています。
風も安定しているので、この調子でいけば圧勝は確実。
デッキ上では誰が賞品を持ち帰るかなど、気の早い話をしています。
後続艇の姿が見えなくなるぐらい引き離し、片白島を回航。
スピンを揚げた途端、風がなくなってしまいました。
「あら〜、よわったねぇ〜」
まさかここで、風がないとは・・・、こんなはずではなかったのに。
とスピンが膨らむかどうかギリギリのところで四苦八苦していたら、一時は大きくリードを広げていた「伯鴎」と「Daisy」の姿が見えてきた。
「おおぉ、やばい」
この2艇に差を詰められても、やられることはまずないと思っていたが、心配なのはその後方の集団。
とくに一人乗りのマイレディがピタッとくっついて来たら、レーティングでやられてしまう可能性がある。
「伯鴎」のピンクのスピンがグングン迫ってきた。
でも、最後はまた引き離して逃げ切りました。
2年連続のファーストフィニッシュです。
とりあえずは、任務完了。
後は結果を待つだけですが、2番手の「伯鴎」は5分遅れ、3番手の「Daisy」は10分遅れ。
その後方では「CHIHAYA」と「Breeze」がデッドヒートを繰り広げているようですが、かなり時間がかかりそうです。
ということは、表彰式が終わるまで帰れそうにありません。

 

 

港に帰ってお昼を食べて、片付けをして海を見ると、まだ懸命にスピンを揚げて走っているヨットが見えます。
タイムリミットは15:00ですが、レース委員長の判断により1時間繰り上げられ、14:00までにフィニッシュできなかった4艇が強制リタイヤとなりました。

結果は「ホワイトホーク」が2年連続の総合優勝。2位「Daisy」。3位「伯鴎」。
巨大な佐伯市長杯を今年も宇和島に持ち帰らせていただきます。
灼熱の辛抱レースを制した「ホワイトホーク」は賞品総取りで宝船状態。

佐伯セイリングクラブの皆さん、今年も楽しいレースをありがとうございました。
「来るな」と言われるかもしれませんが、来年もカップをお返しに来させてもらいますからね!!

 


防水デジタルカメラは「番長オーナーさん」と「だんだんオーナーさん」のブツブツ交渉で、「だんだんオーナーさん」の手に渡りました。


レース結果 (参加12艇)
順位 着順 艇 名 艇 種
1位 1着 ホワイトホーク YAMAHA31S
2位 3着 Daisy YAMAHA31S
3位 2着 伯鴎 ベネトーファーストクラスヨーロッパ
4位 4着 CHIHAYA YAMAHA30S
5位 6着 小春 YAMAHA25ML