2014年ヨットレース

このページでは佐伯セイリングクラブ西山会長が撮影した写真を使用させてもらってます。

ブログ記事

(7月19日)

今年も暑い夏がやってきました。
海の日といえば佐伯のヨットレース。
今年もお預かりしている巨大市長杯を返しに行かなければなりません。
ついでに、改造手術を受けまくって半分ゾンビ人間となっているN山会長のお見舞いも兼ねて・・・。

豊後水道を横断する回航は近いとはいえ退屈なのです。
今回は久々にプロフェッショナルの漁師も行けることになったため、漁労に徹することにします。
前の晩、夜遅くまでかかって漁具の作成に勤しみました。
宇和海の漁場を知り尽くしている漁労長指示のもと、御五神島寝床岩周辺の網代を舐め回すように操業しますが、佐伯セイリングクラブへのお土産は確保できませんでした。
漁労をあきらめ佐伯へ針路を向けますが、なんだか佐伯湾周辺だけ厚い雲に覆われています。
時々、稲妻が光り、間違いなく雷雨です。
そのうち、ポタッ、ポタッと海面に雨粒が落ち始め、やがて本降りに。
早めの対処でGillもどきカッパを着こんだため、昨年のようにずぶ濡れになることはありませんでしたが、三年連続の雨男伝説は健在でした。
佐伯に入港すると雨は上がるのです。

佐伯セイリングクラブの銀箭さんのお世話で「やよいの湯」まで送っていただきサッパリスッキリ。
そのまま、夕方からの懇親会に突入です。
場所はお馴染みの「ひょうたん小路」。
形式ばったところがなくアットホームな宴会ですが、悪く言えば「ぐだぐだ」。
しかし、そんなところが佐伯の魅力なのです。
明日のレースは何隻出場するか未定。朝集まっただけ?
で、何時に集合したらええの?
まあ、ヨットにお泊りだから朝になったら誰かが来るでしょう・・・。

              

 

 

 

(7月20日)

夜遊びはせずおやすみして、レース当日の朝を迎えました。
お腹がすいたので、クルーみんなで佐伯駅のむこうのジョイフルまでお散歩がてら朝ごはんを食べに行くことにします。
しかし、一人だけ異常に歩くのが遅い人がいますよ。
「番長さん、体調でも悪い?」
「靴ずれが痛くて歩けん〜!!」
みんなクロックス風安物サンダルやのに、一人だけ本物クロックスのデッキシューズなんか履いとるからや〜(笑)
ボリューム満点のジョイフル朝食で元気満点。
でも、足を負傷している人がいるので、帰りは駅前からタクシーに乗って港まで乗り付けます。
乗車時間わずか1分!!
なんか、セレブみたいやね・・・!?

さっきまで「ホワイトホーク」だけだった岸壁がにぎやかになっています。
昨夜大入島に泊まっていた別府のチームや地元のヨットが集まって来て、なんだかレースらしくなってきました。
さあ、準備でもしますかぁ。

         

レースは昨年と同じで大入島を時計回りに3/4周するコースみたいです。
今年も風がないのかなあ?

                     
スタート前は軽〜い風がソヨソヨ吹いています。
これだけ風があれば十分ですが、今一つ気合は入りません。
スタートラインがかなり偏っているので、みんな本部船よりに集まってきます。
ホワイトホークはスタート時刻を見計らい、上一番を狙って加速。
と、ところが・・・
みなさんアビームで横からどんどん突っ込んでくるではありませんか。
「おいおい?」
あまり大きな声は出したくありませんでしたが、「シモ〜、シモ〜。上ってくださいよ〜。ぶつかりますよ〜。」
つい声が出てしまいました。
しかーし、誰も意図を理解してくれていないようです。
「あの人何を言ってるのぉ?」みたいな感じでジロジロこちらを見ているのに避航しようとする艇はいません。
だって、上らせたらリコールしちゃいますもんね。
で、ぶつけるのは嫌だから、しょうがなくこちらが落として避けてやらなければならなくなり、そうこうしているうちに「プォーーーン」。
スタートしてしまいました。
「あ〜あっ、せっかくいい位置をキープしていたのに・・・」
しかし、いったいどういうつもりなのかね!!(怒)
レースでルールを守らないと本当に危険なので、最低限のルールは守りましょうね!!


思ったようなスタートができず、いちばんマークしておかなければならない大型レーサーの「伯鴎」(FCヨーロッパ)に出遅れてしまいました。
さらに悪いことに風が吹上がり始め「伯鴎」のスピードについていけなくなってしまう。
妹分にあたる「ブリーズ」(YAMAHA28S)も良い走りをしていて、しぶとくついてくる。
今回「ホワイトホーク」のレーティングは引き上げられていて、非公開なのだけど37ftの「伯鴎」に着順で勝たなければ勝利はない。
また、このまま28ftの「ブリーズ」についてこられると非常にまずいことになってしまう。
しかし、レースはまだ始まったばかり。
逆転のチャンスは十分あるだろうし、先導してくれる艇が居てくれるおかげで風のシフトも分かりやすい。

狭い水道をタックしながら進み挽回のチャンスをうかがいます。
ギリギリで地ノ鼻を通過し、これまたギリギリで村碆もかわす。
人形ばえにも目いっぱい近寄って進路を右へ。
「あれ?片白島ってもっと右じゃない?」
なんだか「伯鴎」の進む方向が違っている気がします。
「スピン上がるやん。」

チャンス到来。
静かに気付かれないようセットし、「伯鴎」より先にスピンを上げます。
相手も気付いたようで、ダウンウインド用のセイルを準備していますがジェネカーのようです。
先行する「伯鴎」との差は一気に縮まり、片白島手前で背後にピッタリくっ付きました。
ロックオン完了!!
「ここでジャイブしたら止まるよ。」
昨年のレースで片白島のブランケットに捉り、抜け出すのにずいぶん苦労した経験があります。
嬉しいことに「伯鴎」は即ジャイブしてくれました。
「よし、これで完全に前に出れる!!」
我々はそのまま直進し時期をうかがってジャイブ。
このレース一番の勝負どころです。
が、しかし、スピンがフォアステーに巻きつき変なことになっています。
ちょうちんをほどこうとゲンちゃんが一生懸命頑張っていますが・・・、
「ビリ、ビリ〜〜〜」
変な音がした。
「やばい、スピンが破れたぁ」
「伯鴎」は予想通り止まってくれています。残りの距離を考えるとここでスピンを下ろすことはできません。
「バーストしても、このままいくよ!!」

なんとかトラブルを回避し再び走り出しましたが、「伯鴎」もブランケットを脱出して走っています。
勝負はレグの中盤までもつれましたが、こちらには秘策がありました。
格上の相手とはいえ、2隻の位置関係からするとウチの方が有利です。
ラフィングしてスピードをつけて一気に「伯鴎」を抜き去ります。
最後のジャイブは確実に決めてフィニッシュラインめがけて一直線。
スピンも持ちこたえてくれて、3年連続のファーストフィニッシュ達成。
本部船のN山会長から冷やか〜な視線を感じました。

今回は良い風に恵まれ、レースが早く終了しました。
表彰式では今年もたくさんの賞品をいただき、また佐伯市長杯を宇和島に持ち帰ることになりました。

       


夜八時、ホームポートに到着。
薄暗い桟橋で子供たちの声が聞こえます。
「出迎えに来てくれたのかなぁ?」
すると、いきなり打ち上げ花火がバーン!!
「ホワイトホーク優勝おめでと〜う!!」
なによりも嬉しい優勝のお祝いでした。


 


優勝 ホワイトホーク
【YAMAHA31S】

 


2位 伯鴎
【ベネトウFCヨーロッパ】

 


3位 銀箭
【パイオニア9】

 


4位 ブリーズ
【YAMAHA28S】

 


5位 疾風
【コルセアF24】

 


6位 アルカディア
【デュフォー25】

 


7位 ランスロットV
【YAMAHA30S】

 


8位 オールドラビット
【バンドフェット】

 


9位 遊遊V
【ブリアン34】

 


10位 ノマドライフ
【YAMAHA30SU】