2014年ヨットレース



今年も「うわじまパールカップ」の時期になりました。

この海域のシーズン初戦ということもあり、西日本各地から多くのヨットが宇和島に集まってきます。

今年で19回目を数えるこの大会ですが、最初の頃は宇和島、別府周辺から20隻程度が参加する小規模なものでした。
回を重ねる毎に参加隻数も増え、最近では40隻を超える大きなヨットレースになってきています。

この大会を主催する宇和島ヨットクラブとしては100艇でも200艇でも来てもらいたいのですが、ヨットを係留する場所もなく、また、ヨットが大型化していることから50隻が限界です。
不本意ながら今年から先着50隻という条件を付けさせていただきましたが、エントリーはギリギリの49隻。
それでも、宇和島港に全艇受け入れることができるかどうかが心配です。

いつもながら、かなり窮屈な係留方法ですが今年も何とか全艇を受け入れることに成功。
明日のレースも無事に全てのヨットががフィニッシュできることを願っています。

 

5月4日(日)

レース当日。
今年も宇和島は晴天に恵まれました。

これで9年連続の晴天ということは、誰の行いが良いのでしょうか・・・?
しかも、風にも恵まれていて、過去19年の歴史の中でコースを短縮したレースは2回のみ。
以前はタイムリミットぎりぎりまでヤキモキしながら漂っていたこともありましたが、ここ数年は良い風が吹き非常に早い展開でレースは進行しています。
運営としても大助かりです。これも誰の行いが良いのでしょう?

今年もたぶん大丈夫でしょう。
良いレースになりそうです。

今回の注目艇は、何と言っても広島勢が有力。
昨年優勝の「Le Grand Blue」(SUN FAST 3200)、2年連続ファーストフィニッシュの「EXTEN」(CM1200)、宇和島で過去2回の優勝をはたした「SAMMY」(YAMAHA33S)。
レース盛んな地で輝かしい戦歴を誇るレーサーだけに注目です。

さらに、今回は福山から「プリマドンナ」(ハンゼ400e)も初出場。レースで馴らした実力のあるチームなので侮れません。

これに対抗して、松山の「CORAL REEF」(IMX-38)も優勝候補の一角として名を連ねることでしょう。

今シーズンから華麗な変身を遂げた「CHIHAYA」(ババリア35マッチ)の存在も忘れてはいけません。まだシェイクダウンは終わってないようですが相当なポテンシャルを秘めていそうです。

しかしながら、一番の激戦区は10隻以上出場する「ホワイトホーク」を含むYAMAHA31F+31S+30SU軍団かもしれません。
おそらく艇の性能は拮抗していますが、昨年別府で優勝している西宮の「Claris forte」(YAMAHA31F)が頭一つリードしているものと思います。

今年は、どんなレースになるのでしょうか。

 

 

 

スタート海面は弱いながらも十分な風があります。
朝のうちから西寄りの風があれば、レース途中から風は上がってくるはず。
しかし、今年は風のシフトが難しい。
予報では南に回るが・・・
さて、どうなる?

40隻を超えるビッグフリートのレースではスタートの出遅れは致命傷になる。
スタートラインはほぼイーブンと判断した「ホワイトホーク」はどこからでも良いから、とにかく空いたところから出ることを念頭にラインを流す。
思った以上に船が走り、ヤバい、速すぎる・・・

スタート前はこの緊張感がたまらない。

走りたがる船を制御し、スタート時刻に合わせて加速。

10:00レーススタート。

今回は状況判断ができていました。
出口を見つけると即タックして抜け出しに成功。
あっという間に後続との距離を広げます。

すぐ前には「SAMMY」。左前に「EXTEN」。左横に「クラリスフォルテ」。右後方に「Le Grand Blue」。さらにその後方に「だるま」・・・。
いつの間にやら「コーラルリーフ」が追い抜いて行きましたが、なかなか良い位置にいるではないですか。

「EXTEN」、「SAMMY」、「コーラルリーフ」には置いて行かれてしまいましたが、これは大型艇なので仕方がない。

しかし、「SAMMY」の走りは驚愕。
40ftレーサーを相手に33Sが互角の走りをしています。
しかも、38ftレーサーを置き去り。
宇和島で2回優勝し、「もう次は無理ですよっ!!」というぐらいレーティングを上げているのに、「関係あるか〜、また勝ってやる!!」と言って返されているような神憑り的走りです。

今回の風が「SAMMY」の風域に合っていたのかもしれません。

 

さて、円瀬はどっちが先だぁ?

先にスピンが上がったのは「EXTEN」。続いて「SAMMY」。
少し遅れて「コーラルリーフ」。
このトップ3は変わりません。

4番手で「ホワイトホーク」が地元の意地。
この時点ではライバル艇に少し水をあけていると思っていました。

我々の後方から何が来ているのかは把握できてませんでしたが、落ち着いてから確認してみると「クラリスフォルテ」、「パル」、「Le Grand Blue」が競り合ってます。
さらにその後ろには「じゃっど」
フリーのレグでは確実に分が悪い相手ばかりです。

「ホワイトホーク」のスピンランが遅いわけではないと思うのだけど、マストヘッド艇が速すぎるのです。

案の定、後ろからジワリジワリと差を詰められ、追いつかれるのも時間の問題になってきました。

前を行く3艇を見ていると、錐ヶ瀬のだいぶ手前でブローチング気味にヒールしているのが確認できます。
そこで風が変わっているのです。

予定通り風は前に回り、「クラリスフォルテ」はすでにスピンからジェネカーにチェンジしていました。

「ホワイトホーク」は早めにジェノアにチェンジしてスピンダウン。

しかし、この判断がマズかった。

「パル」と「クラリスフォルテ」にリードを許してしまう。

えっ・・・?   「パル」?

マストヘッドの「クラリスフォルテ」にやられるのは仕方ないと覚悟はしていたが、「パル」がすごい走りをしています。
レース前半では失礼ながら、ノーマークだったのですが・・・。

「パル」は錐ヶ瀬もスムーズな流れで回航。  う、うまい!!
これでは付け入る隙が全くありません。

トップ3はすでにフィニッシュしているようですが、フィニッシュラインまでの上りで最後の一勝負です。

「パル」には残念ながら、どうしても追いつけそうにありません。

「クラリスフォルテ」はちょっと遠慮してくださったのでしょうか?

大型艇の「プリマドンナ」もピッタリ後ろに来ています。

・・・

フィニッシュしたのは、まずは「パル」。続いて「ホワイトホーク」。
その次は「プリマドンナ」、「クラリスフォルテ」の順。
その後に「じゃっど」も来たみたいです。

 

今回の「パル」には完全にやられてしまいました。
ニューセイルとは言え、あっぱれです。
優勝おめでとうございます!!

ファーストフィニッシュは3年連続「EXTEN」。
今後、この船より速い艇が出てくるのでしょうか?

「SAMMY」様もすごい走りでした。
宇和島でなければ、完全に栄光を勝ち取っていたことでしょう。

「ホワイトホーク」も5着5位。
ミスもありましたが、十分ライバル艇にインパクトを与える走るができたのではないかと思います。

 

今年のレースも無事に終わりました。
皆それぞれに宇和島の海を満喫できたのではないでしょうか。

 

 


うわじまパールカップ2014 成績表


優勝(4着) パル 〔YAMAHA31F〕

2位(8着) じゃっど 〔YAMAHA30SU〕

3位(10着) だるま 〔YAMAHA31F〕

4位(7着) Claris forte 〔YAMAHA30F〕


5位(5着) ホワイトホーク 〔YAMAHA31S〕


6位(1着) EXTEN 〔CM1200〕


7位(2着) SAMMY 〔YAMAHA33S〕

8位(14着) ひまわり 〔YAMAHA31S〕

9位(13着) BLUENOTE 〔YAMAHA31F〕

10位(15着) ぱせりU 〔キャナル23改〕

CORAL REEF 〔IMX-38〕

ADELFA 〔YAMAHA25ML〕

大海言 〔YAMAHA31F〕

CHIHAYA 〔ババリア35マッチ〕

だんだん 〔X-79〕

Le Grand Blue 〔SUN FAST 3200〕

Daisy 〔YAMAHA31S〕

プリマドンナ 〔ハンゼ400e〕

Long 〔YAMAHA30SU〕

D.D.B 〔YAMAHA30SU〕

ラスカル 〔YAMAHA30CRS〕

ピーターストーム 〔スプリント98〕

風太朗V 〔SUN ODYSSEY 379〕

You-u-norich 〔ジャノー41〕
   
   


優勝は高知の「パル」(YAMAHA31F)


特製エンブレムの光る栄光の紺ブレザーは、「DAWN暁」のT崎さんが取り上げちゃった・・・


「今回はセイルメーカーの強力なバックアップがあったから・・・」とおっしゃるK村オーナーですが、素晴らしい走りでした。


2位 「じゃっど」(YAMAHA30SU)

こちらもニューセイルでした。マストヘッドからのスピンは脅威!!


3位 「だるま」(YAMAHA30F)

前日の回航は時化でどうなるのやらと心配しましたが、レースには影響なかったようで安心しました。
もう、2位と3位は十分でしょ・・・。次回こそは?


【ファーストホーム賞】 3年連続「EXTEN」(CM-1200)



【遠来賞】 「クラリスフォルテ」(YAMAHA31F)

西宮から奥様とダブルハンドで来てくださいました。


昨年優勝の「Le Grand Blue」には優勝杯のレプリカとして、船名入りの幟旗が授与されました。


野外の岩牡蠣テントには長蛇の行列


10年物の巨大岩牡蠣


今年の目玉商品です。


豪華真珠アクセサリーをたくさん揃えました。


宇和島特産の真珠を持ち帰ってください。

恒例の大ジャンケン大会


この日一番の大盛り上がり

豪華ネックレスを勝ち取ったのは「EXREN」
レースも強いがジャンケンも強かった!!

 

今年も楽しかったですね〜。

来年も元気でお会いしましょう!!