2014年ヨットレース

別府 湯けむりヨットレース2014

 

 2014.10.18(土)

朝6時、やっと明るくなり始めた穏やかな海面に小気味良いエンジン音を響かせながら、おっさん3人のぐうたら航海が始まりました。
延期されていた「湯けむりレース」に出場するため、大分県別府市まで回航します。
一週間前の台風が嘘みたいで、「これぞ秋晴れ!!」というような素晴らしい天気。
朝のうちは冷え込み、防寒対策でカッパを着こんでいましたが、日が昇るにつれカッパは不要に・・・
代わってドリンク剤の補給が必要になってきました。
適度な北東風が吹き、セイリングしたい気分です。
しかし、回航用のヘッドセイルを積み忘れたことに気付き、しょうがないのでフルメイン&ストームジブでセイリング開始。
それでも風はアビームなので、6ノット以上をキープできています。
10時過ぎ。佐田岬沖に差しかかりますが、なかなか景色が変わりません。
GPSのスイッチを入れてみると対地速力4ノット。
小潮ですが逆潮に流されスピードが出ません。
あまり急ぐ必要もないので、のんびり行きましょう。
午後はうつらうつらと船を漕ぎつつ、15時過ぎに別府北浜ヨットハーバーに到着しました。
時間はかかりましたが、楽チンで快適な回航でした。

明日のレース準備をササっと済ませ、温泉で汗を流します。
夕方からは恒例の「湯けむり懇親会」。
今回は食べきれないほどのバーベキューをご準備していただき大満足。
前夜祭では怖いおじさん達に取り囲まれ恐ろしい思いをしましたが、もくもくと立ち込める煙に巻いて逃げ惑う別府の夜はあっという間に更けていくのでありました。

 

 

     

 

 

2014.10.19(日)

レース当日。すがすがしい秋の晴天です。
天気は良くていいのだけど、風は無さそうです。
しかし、風は無い方がいい。
順当に風が吹くと速い船に走り負けてしまう。
「か〜ぜかぜ、ふ・く・な〜。」
などと、心の中で祈りながらのんびりしていると、8時半からだと思い込んでいた艇長会議は8時から始まっていたようで少し遅刻。
こんなことでは、だめですねぇ〜。

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今回は福岡から2人応援に来てもらい、Tameさんと私の合計4人。
4人いれば十分なメンバーです。
レースのコースは日出沖の北海面。
期待通りあまり風はありません。
スタートラインはほぼイーブンですが、本部艇サイドが込み合います。


09時30分。レーススタート。
「ホワイトホーク」は上2番手ぐらいのグループでなかなか良いスタートを切ります。
スタート直後は皆さん気合満々で厳しい走りです。
「ホワイトホーク」のすぐ後ろから、有名ヘルムスマン擁する「CHIHAYA」(ババリア35マッチ)がそこのけそこのけと言わんばかりにせっついてきます。
今回の「CHIHAYA」は台風の目になりそうな予感がします。
春のデビュー以降徐々に調子を上げてきているようなので、ここで覚醒するととても怖い存在になります。

そのほかにも、「打倒!!ホワイトホーク」を全面に押し出している怖〜い刺客さんがたくさんいて、昨夜の前夜祭では暗闇に連れて行かれて「おめえ〜さん、分かっているんだろうねえ〜」だってぇ。「お〜、怖い」(冗談)
怖いから、タックして逃げましょう。

良い走りをしているのは「ユリカゴン」(J/V9.6CR)。途中で簡単に抜かれてどんどん差を広げられます。
フリートは徐々にバラけて行きますが、近くには似たような性能の船がたくさん並んでいます。
中でも黄色い「パル」(YAMAHA31F)の走りはヤバい。
フェスタに上りで先に行かれるとフリーではかなり厳しいものがありますが、上りで完全に走り負けています。
宇和島での借りは周南で返したはずでしたが、別府でまた借金か?

すっかり忘れていましたが、突如「シェンロン」(ジャノー35OD)の姿が見えました。
「あっ、こんなとこにおったか」
と思ったのもつかの間、あっという間に「ユリカゴン」を追いかけて行ってしまいました。
最初の風上マークは「ユリカゴン」がトップ、続いて「シェンロン」。
あとはけっこうな混戦模様。
「ピーターストーム」(スプリント98)、「パル」、「ホワイトホーク」の順で後を追います。
その後は確認してませんが「大海言」(YAMAHA31F)や「Daisy」(YAMAHA31S)なども近くにいたはずです。

ブイ周りのレースでは、マーク回航で思わぬ差が付きます。
第一上マークを先に回った「ピーターストーム」はどうしたことかスピンが海面に落ちてしまっています。
ダブルハンドなので、何かのトラブルがあったのでしょう。

「ホワイトホーク」はジャイブをビシバシ入れながらスケーティングでVMGを稼ぎます。
別府湾ロイヤルホテル沖のサイドマーク手前で「パル」に並び、性格の良い我が艇のヘルムスマンはシモから厳しい攻撃を仕掛けます。
2艇ともそのままではマークを回航できないところまで行き、ジャイブ合戦に相手も応じてきました。
ジャイブ練習をしていた「ホワイトホーク」はビシッ・・・、バシッ・・・と2回のジャイブを決め、ジェノアホイスト、スピンダウンといきたいところでしたが、スピンダウンでちょっと海に落としちゃった。
回収はスムーズにいったので問題はなかったのだけど、一仕事終え周りを見回すと「パル」がいません。
「あれ!?先に行かれたか?」
・・・
「パルさんトラブってるぅ」
人の不幸を嘲笑うようで申し訳ないのですが、マジで「やったぁ!!」と思いました。
今のうちに抜け駆けです。

風は徐々に吹き上がって来て、先行する2艇は快走しています。
下マークまでのレグはちょっと落し気味の片上りなので、「パル」に追いつかれることはないでしょう。
下マークを3番手で回航し最後の上下ソーセージ。
「ホワイトホーク」にやや遅れて「パル」がやって来ますが、その後方から「CHIHAYA」がものすごい勢いで追撃してきています。
必勝を請負った名人も遅れを取り戻そうと必死のようです。
最後の上マークでも順位は変わらず「ユリカゴン」、「シェンロン」の順で回ります。
昨年と全く同じ光景を今年も見ることになりました。
しかし、先頭2艇のダウンウインドセイルがなかなか上がりません。
ジェネカーかスピンで迷っているのか?
トップの「ユリカゴン」と「シェンロン」の時間差は2分。
2艇ともジェネカーが上がりました。
「ユリカゴン」から遅れること13分、「ホワイトホーク」が最終マーク回航。
「ホワイトホーク」にはスピンしかないので迷うことはありません。
回航と同時にジャイブしてすぐさまスピンアップ。
どう考えてもスピンの風です。
直感的に13分という時間差は微妙なところという気がしました。
後方ではやはり「パル」と「CHIHAYA」が競り合っているようです。
前方では「ユリカゴン」と「シェンロン」がそのままの差でフィニッシュしました。
「ホワイトホーク」は先頭艇から遅れること約11分でフィニッシュ。
ずいぶん、追い上げました。
こうなると最終結果にかなり期待が持てます・・・。もしかして、また・・・?
表彰式が楽しみになってきました。

   

 

 

ハーバーに戻って片づけをして、遅い昼ご飯を済ませたらもう15時半。
温泉に行って疲れを癒します。
そうこうしていると、もう表彰式の時刻です。

表彰式はいつものヒットパレードクラブで行われます。
この場所で何度も喜んだり、がっかりしたりしました。
さて今年はどうなるのやら?
「ホワイトホーク」としては最低限の仕事をしているので3位以内はほぼ確定。
問題は先にフィニッシュしたレーティングが高い2艇との時間差で、1位になるか2位になるか3位になるかが決定します。
昨年も惜しいところで優勝を逃しているだけに、今年はなんとか・・・という願いもありましたが、結果は3位。
・・・
残念!! 上位2艇との修正時間差は僅かでした。
優勝は逃しましたが良いレースができたと思います。
宇和島の海賊は、まだまだライバル艇の目の上のたんこぶとして君臨させていただきますよ。
次のレースはがんばりましょう!!

  

 

順位 着順 船名 艇種 船籍 TCF 所要時間 修正時間
1 1 ユリカゴン J/V9.6CR 別府

0.80

3h01m25s 8708.00
2 2 シェンロン ジャノー35OD 長崎 0.80 3h02m40s 8768.00
3 3 ホワイトホーク YAMAHA31S 宇和島 0.76 3h12m20s 8770.40
4 4 パル YAMAHA31F 高知 0.77 3h16m03s 9057.51
5 6 ブルーノートW YAMAHA31F 周南 0.77 3h21m07s 9291.59
6 5 CHIHAYA ババリア35マッチ 別府 0.79 3h16m45s 9325.95
7 25 小春 YAMAHA25ML 別府 0.64 4h03m02s 9332.48
8 7 ブルースカイ(百舌鳥) YAMAHA31S 0.76 3h24m44s 9335.84
9 13 SACHII V バンドフェット30 別府 0.71 3h40m09s 9378.39
10 11 サテンドール OKAZAKI32 別府 0.84 3h31m17s 9380.98
公式成績表 参加28艇