2017年ヨットレース
(レース中にデジカメを海に落としてしまいましたので
このサイトの画像は[ちはやママさん」、「Mojitoさん」が撮影したものを一部使用させていただいてます。)
今年は台風のコースが悪かったのか日頃の行いが悪かったのか知りませんが、予定していたレースが軒並み中止になってしまいました。
「別府にだけは何としてでも行かねばなるまい!!」
体育の日の3連休は確実に休めるようように頑張って仕事をやっつけました。
連休中の家の都合も家内の承諾を得ました。
単身赴任先から毎週末に帰宅し、レースの準備や船底掃除も頑張ってしました。
しかしながら、当てにしていたクルーのスケジュールがなかなか決まらず、諸々の事情によりほとんどの人が乗船するのが難しい状況になってきました。
こういう時に頼りになるのが長崎の先輩達。
「二人ぐらいで応援をお願いしま〜す!!」とラブコールを送っていたら、ちゃんと焼酎持参で「ホワイトホーク」の別府到着を出迎えてくださいました。
ありがたいことです。
翌日のレースの準備をささっと済ませて、さっそく船上で宴会。
温泉に行って疲れを癒した後、別府外洋セイリングクラブ主催の前夜祭に参加して二次会。
久しぶりに顔を合わす各地のセイラーにご挨拶をし、おじさん達からの誘惑をうまくかわして明日のレースに備えて早めにお休みしたのでありました。
10月8日(日)
夜更かしせずゆっくり休息を取れたので爽やかな目覚めです。
宇和島から夜航海でやってきた「Mojito」(YAMAHA30SU)はみんな睡眠不足でお気の毒ですが、こちらは体調万全。
「さあ、気合を入れていきましょう・・・・・」
とはいうものの、予想通り風はなさそうなのであまり気合も入らんのよね。
しかし、吹かれるよりは全然まし。
吹けば大型艇に太刀打ちできないが、軽風なら対等に勝負ができるはず。
あまり気合を入れずに、慎重にいきましょう!!
艇長会議を終えて早々に出港。
レース海面は予定通り風がありません。
昨年、一昨年は風が強過ぎて苦労しましたが、今年は別の意味で苦労しそうです。
スタート前の風は気まぐれに振れ周りなかなかスタートのイメージがつかめません。
南東からの風でスピンスタートは明らかです。
スタート直前に少し安定して東寄りの風が吹き始めたため本部艇側が有利と判断し、上りぎみで走らせながらカウントダウン。
しかし、本部艇方向からスタートラインを流してくる風上艇が多数いて、風下の航路権を主張するも皆さん完全無視。
「シモーー」ってコールしたら、平野ノラみたいに「しもしもぉ?」だって。
さらに質が悪いのは操船不能な大型艇がドンッとベストポジションに居座り、「ぶつかる、ぶつかる〜」と喚き散らしている始末。
さすがにカッときたけれど、今はそんなのを相手にしている暇はない。
『ヨットレースのルールを守らないと、重大事故につながる可能性があり非常に危険です。ルールを守らない人や操船に自信のない人はレースに出てきてはいけません!!』と強く言いたい。
ごっちゃごちゃに込み合う艇団をなんとかすり抜け、クリアーなエリアでスピンアップ。
我々の風下からは「フォルティッシモ11」(feet30)、「シェンロン」(ジャノー35OD)、「悟空」(ババリア38マッチ)、「小春」(ケープ35)などが抜け出してきています。
徐々に艇団はばらけて、「フォルティッシモ11」と「シェンロン」を「ホワイトホーク」が追う展開。
「フォルティッシモ11」は今年宇和島と新門司のレースで優勝し波に乗っています。
軽風が得意な船で、長いバウスプリットからコードゼロを展開し先頭を快走中。
このコンデションは、まさにフォルティッシモの風といったところでしょうか。
第1マークに近づくにつれ陸地の影響を受けて風が安定しなくなってきました。
「ホワイトホーク」と前2艇の差はほとんどなくなり捉えられそうな距離になってきましたが、後続との差も詰まってきて「SOUMI」(ツボイ30)がすぐ後ろまで来ています。
ジャイブのタイミングを見計らって第1マークにアプローチし「シェンロン」に続いて2番手で回航。
第2レグも追い風になると思いきや、まさかの上り。
スピン回収でバタバタしてるうちに無風帯に突っ込みかけて失速。
「小春」に抜かれてしまいました。
タックして沖の風を取りに行ったところで、さらに「ソウミ」に先行されてしまいます。
ようやく風をとらえてタックし、「ソウミ」を抜き返したところで前方を眺めると「シェンロン」がずいぶん遠くを独走しています。
「えらいこっちゃ!!」
これで焦ってしまった訳ではないのだけれど、コクピットを動き回っているうちにズボンのポケットに入れていたデジカメがポロリと落ちて、そのまま転がり海中にポチャン!!
「あ〜〜〜〜〜〜」
ショックは大きいが、今は落ち込んでる暇はありません。
「シェンロン」はずいぶん遠くに行っちゃってるし、風はどんどん落ちて船は止まりそう。
やがて風がシフトしスピンが上がりそうな風になってきました。
再びスピンアップして「小春」と一緒に「シェンロン」を追いかけます。
一人旅だった「シェンロン」がどんどん近づき再びチャンス到来。
横には「ソウミ」が走っていますが、後続は艇の判別がつかないほど引き離しています。
このままいけば優勝争いはこの4隻になりそうですが、隣を走っている「ソウミ」って一体なにもの???
エントリーリストでは艇種は「ツボイ30」となっていたけど、ランニングバックステー付きのレーシングマストを装備したピュアレーサー。
コクピット形状やデッキ艤装も完全なレーシング仕様なのに、YAMAHA31Fと同じTCF0.77というのはちょっとおかしい気がする。
「ホワイトホーク」とレーティングの差がないので、スクラッチで負けるわけにはいかないのだが・・・
第2マークは「シェンロン」がトップで「小春」が2番手。
それを追って「ホワイトホーク」が続きます。
上らせ気味でセイリングしていた「ソウミ」は少し引き離しました。
この風ならばおそらくコースは短縮され、次が最終レグになるはずです。
しかし、もしコース短縮でなければ最後のソーセージラウンドで「ホワイトホーク」の前を走る大型の2艇に差を広げられ、また「ソウミ」に先行される可能性もあります。
気を抜かずに今はできることをするだけです。
第3レグはポートタックの片上り。
前を行く「シェンロン」と「小春」を視界にとらえながら後方の「ソウミ」にも注意を払わなければなりません。
このレースで初めてストレスのない風になってきましたが、後ろの「ソウミ」がグングン近づいてきます。
明らかにボート性能の差なのですが、抜かれるのは悔しい。
やがて先頭艇が第3マークを回航。
様子を見ていると、次のレグはなさそうなので、コース短縮確定です。
「シェンロン」がファーストフィニッシュでレースを終えました。
2着は「小春」。
「ホワイトホーク」は「ソウミ」の追撃を振り払い3着でフィニッシュ。
「おつかれさまでした!!」
ハーバーに戻って後片付けをし、温泉に浸かって疲れを癒します。
応援に来てくださった先輩達は長崎には帰らず今年もまた表彰式まで居残り決定です。
表彰式&アフターパーティーは新しくなったヒットパレードクラブ。
昨年の湯けむりレースの後、ヒットパレードクラブが火災で焼失したというニュースを聞き、表彰式はどうなるのかと心配していましたが、新規オープンにこぎつけて下さったようです。
レースの結果はほぼ分かっていましたが、今年も「ホワイトホーク」が優勝です。\(^o^)/
まさか別府で二連覇できるなんて夢にも思っていませんでした。
今シーズンのレースは「宇和島」、「佐伯」、「新門司」と周南勢が優勝をさらっていただけに、最後の別府では一矢報いることができました。
今年は台風の影響などもあり、宇和島と別府のわずか2レースにしか出場できませんでしたがスッキリした気分でシーズンを締めくくることができ、本当ににハッピーです。
順位 |
着順 |
船名 |
艇種 |
船籍 |
TCF |
所要時間 |
修正時間 |
1 |
3 |
ホワイトホーク |
YAMAHA31S |
宇和島 |
0.76
|
3h01m09s |
8260.44 |
2 |
4 |
ソウミ |
ツボイ30(J/V9.6R) |
マリンピア武蔵 |
0.77 |
3h01m55s |
8404.55 |
3 |
1 |
シェンロン |
ジャノー35OD |
長崎 |
0.81 |
2h54m25s |
8476.65 |
4 |
2 |
小春 |
CAPE35 |
別府 |
0.83 |
2h55m36s |
8744.88 |
5 |
6 |
ブルーノートW |
YAMAHA31F |
周南 |
0.77 |
3h10m50s |
8816.50 |
6 |
18 |
疾風 |
コルセアF24エアロリグ |
別府 |
0.70 |
3h36m20s |
9086.00 |
7 |
8 |
じゃっど |
YAMAHA30SU |
高松 |
0.75 |
3h24m19s |
9194.25 |
8 |
5 |
悟空 |
ババリア38マッチ |
室津 |
0.83 |
3h04m45s |
9200.55 |
9 |
19 |
SACHII V |
バンドフェット30PB |
山口 |
0.71 |
3h36m46s |
9234.26 |
10 |
26 |
鷹人 |
ミニトランサット21 |
大分 |
0.66 |
3h53m25s |
9243.30 |
|
※レース中に気になっていた「ソウミ」の艇種については、売約済みなっている中古艇サイトからおそらく【J/V9.6R】ということが判明しました。⇒こちら
IRCのレーティングは平均でJ/V9.6CRの「ユリカゴンと同型」が1.014(1.001〜1.031)に対し、J/V9.6Rは1.054(1.039〜1.078)とかなり高になっていることもあり、今後各地で開催されるヨットレースでは今回のレーティング値を参考とせずに検討する必要がありそうです・・・