第33回佐伯市長杯クルーザーヨットレース

7月11日(土)

4年ぶりの佐伯市長杯ヨットレース。
7月の豪雨災害で宇和島市は甚大な被害を受けました。
被災した地域ではまだ復旧作業が続いていますが、皆さんに元気な姿をお見せするのも復興の一つと考えレースに出場させていただくことにしました。
出場するからには明るい話題をぜひとも宇和島へ持ち帰りたいものです。
しかしながら、今回もレースで戦えるメンバーがいません。
頼りになるのは長崎の大先輩。
ありがたいことに、車で駆けつけてくださいました。
夕方からは魚市場の岸壁で前夜祭。
今夜は佐伯の花火大会です。
花火の打ち上げまでは時間があります。佐伯名物のお寿司を食べに行こうということになり、街に繰り出す途中で大雨になりました。
佐伯のレースは必ず前日に雨に祟られます。
でも、レースの時は雨が降りません。しかも負けたことがありません。
ということは、明日も大丈夫か?
そうだといいのだけれど、
「ホワイトホーク」のレーティングがおかしなことになっているようです。
前夜祭会場に貼り出されたハンディ表には0.???
「・・・」
佐伯セイリングクラブ会長の「明日の朝のお楽しみ!!」という言葉が気になりますが、バンダナの前会長が今年は不在だから、きっと優しいレーティングを付けてくれるでしょう(・・?
結局、雨の中の花火大会になったようで、見れずじまい。
明日に備えましょう。

7月12日(日)

レース当日の朝、クエスチョンマークの数値が公表されましたが「やっぱりねぇ〜」という感じです。
今回出場する艇の中で一番厳しいハンデキャップをいただきました。
ということは・・・つまり、ファーストフィニッシュをしなければ勝ち目がないということ。
今回の目標は明確です。「ファーストホーム」を取りに行く!!

 

レース海面には風がありません。
スタート30分前。本部船から「八島一周は中止!!」のアナウンス。
その直後から風が出てきました。
レース本部は、急に吹き出した風に戸惑っているようです。
本部船より再びアナウンス。
「やっぱり、八島を回ってくださ〜い!!八島一周中止は中止!!」

 

スタート前には13〜14ノットの風が吹き出しました。
「やばい、強すぎる。」
軽風を予想していただけに誤算が生じています。
迷った時は強気で行くしかありません。



09:30レーススタート。
ブロードリーチで一番下からトップスピードでスタート。
スタートから頭一つ抜け出しますが、後続艇もしっかり付いてきます。
まずは八島を一周ですが、島の周辺で大きく風が変化し悪戦苦闘。
島に寄せ過ぎてブランケに捕まり、「じゃっど」(YAMAHA30SU)、
「LongLong」(エリオット935)に並ばれてしまいます。
なんとかブランケを抜け出し八島の北側を回り込むと強風のクローズホールド。
「じゃっど」さんがしぶとく付いてきますが振り払ってトップをキープしたまま片白島に向かいます。

 

 


スピンを揚げるにはちょっと厳しい角度と風速です。
しばらく我慢し、ライバル艇の出方と頃合いを見計らってスピンアップ。
じわじわ後続艇との距離を広げ、大入島の北側で一発ジャイブを入れて西側の水道に突入です。
ここで後続を引き離す予定でしたが、風がピタッと止まって、さあたいへん。
せっかくトップを独走していたのに「じゃっど」や「ブルーノート」(YAMAHA31F)に追いつかれ、追い抜かれ・・・
ここで追いつかれてしまうと、さすがに心が折れそうでした。
でも、みんな止まっています。
こういう時は冷静にならなければなりません。

 

スピンをゼノアに切り替え、振れ回る風を拾って右へ行ったり左へ行ったりしながら艇速をキープ。
レースはすでに終盤。後続艇との差をつけたいところだけど、さて間に合うかどうか?
船を走らせることに集中していたため後ろは見ていません。
なんとか、このまま逃げ切って予定どおりファーストフィニッシュは達成しました。
優勝への望みは繋ぎましたが、後は結果が出るまで分かりません。

 

港に戻り、ラーメンを食べて結果を待ちます。
レースの結果は・・・
「やりました!!優勝です!!」
これで、宇和島に胸を張って帰れます。

レース終了後、レース実行委員会から運営資金の一部を災害復興の義援金にしてほしいとの申し出があり、有難くお預かりしました。
このお心遣いに心から感謝いたします。
佐伯セーリングクラブの皆様、本当にありがとうございました。