2022年ヨットレース

第25回宇和島市長杯ヨットレース

うわじまパールカップ2022

 

 

 

2年間中止を余儀なくされていた「うわじまパールカップ」ですが、3年ぶりに開催することになりました。
まだコロナ感染状況は収束しておらず、引き続き感染拡大防止対策をしながら大会運営を実施することになります。
今回はパールカップ名物のアフターパーティーは行わず、例年より参加艇数も制限し規模を縮小することにしました。

この時季は気候が安定せず、次々に低気圧が通過し3日のうち1日は時化ます。
そんな時化にもめげず数日かけて宇和島まで回航してくるチームもいます。
気象条件や諸々の事情により出場を辞退したチームもありますが、レース前日には宇和島港がヨットで埋め尽くされました。
GWの風物詩でもあるこの光景をまた見られるようになったことは、嬉しい限りです。

 

5月1日(日)

レース当日は良い風が吹きそう!!
艇長会議を終え、宇和島港沖のスタート海面まで出ますがすでに北西の風が吹き出しています。
おそらくスタート時刻の10時ごろには6〜7m/sぐらいの風速になるでしょう。
昼前にはさらに風は強まるかもしれません?
「ホワイトホーク」は直前までセイルの選択を迷いましたが、沖の状況を見極めて安全策で行くことにします。

 

スタート5分前。風上側が密集。
カミイチスタートを狙ってマニューバリングしながら加速し、30秒前にGO!!
ところがいつものように我々の風上から割り込もうとする艇があり、こちらが風下の航路権を主張。
しかし、強引に行けば衝突されるか相手船が本部船に突っ込むかの危険な状況なので、仕方なく水を与えてスタートします。
案の定、風上の至近距離をブロックされて風がもらえません。
思わず抗議旗を揚げようかとも思いましたが、この好ましくない状況を抜け出すのが先決と考え、こちらが減速してタックし、後ろを回りました。
カミイチでスタートできていればフレッシュな風でスムーズに加速で来ていたはずなのに残念です。

 

 

完璧ではありませんでしたが、悪くないスタートでした。
第一マークまではタッキングを繰り返しながらの上りレグ。

「SAMMY」(YAMAHA33S)と「ファルコン」(FIRST40)が突出した走りをしています。
予想どおり時間の経過とともに風は強まり、ヒールもきつくなってきました。
同じクローズホールドでも、水線長の長い船が風上からも風下からも我々を追い抜いていきます。
早いレース展開で第一マークは「SAMMY」と「ファルコン」がほぼ同時に回航。

その後は列になってぞろぞろ続きますが、我々の目の前に「薫風」(SWING31)がおる!!
「いつの間に・・・?」
このチームは最初はどこにいるか分からないのに気が付けば忍者のように突然現れて良いところを走ってるんだよねぇ〜。
SWING31とYAMAHA31Sは性能がよく似た艇種なので前を走られるとちょっと気になります。
数珠つなぎで第2グループが第一マークを回航しますが、この時点で「ホワイトホーク」は9番目でした。


「ホワイトホーク」は第一マークを回航後ジャイブしてからスピンを展開するプランで準備していました。
スピンを揚げるタイミングは遅くなりますが、スピンジャイブのトラブルを犯すリスクは軽減されます。
それでも、普段乗り慣れていないクルーばかりなのでミスもありドタバタしました。
デッキ上がバタバタしている間にゴボウ抜きに成功\(^o^)/
一気に順位は3位になりました。
前を走るのは「SAMMY」と「ファルコン」だけ。

 
前の2隻は野島を回るとスピンを下ろしました。
「風が前に回るのかなあ?」
後ろからは後続艇が我々を猛追してきます。
特に「エリオット」(ELLIOTT935)が「どひゃ〜」というぐらいの驚異的な走りですぐ後ろまで迫ってきています。
前方の「SAMMY」は一度降ろしたスピンをまた揚げました。
それを見て「ホワイトホーク」もスピンランを続行。

最終マークの錐ヶ瀬浮標は「SAMMY」がトップで回航しました。
「ホワイトホーク」がアプローチする頃には「エリオット」がすぐそこまで来ていて、宇和島勢同士のプライドがバチバチ!!
こちらとしては気になるのは先頭「SAMMY」との時間差なのですが、「エリオット」に先行されることは阻止したい。
「SAMMY」が錐ヶ瀬を回航し、遅れることジャスト7分「ホワイトホーク」が回航しました。
優勝を争う上で微妙な時間差です。

 

「SAMMY」がファーストフィニッシュで「ファルコン」が2着。
「ホワイトホーク」は先頭から遅れること約7分。
3着でフィニッシュしました。
レースを終えて、改めて時間差を計算してみると7分という時間差はかなり微妙なところ・・・
修正時間では「秒」の勝負になることは間違いありません。
それにしても、今回は面白いレースでした。
良い風が吹き1時間半にも満たない高速レースでしたが、短い時間にギュッと凝縮されたような中身の濃いレースであったように思います。


15時からの表彰式前、手元に届いた成績表を見て納得。
なんと、1位と2位の差は修正時間でわずか1秒差でした。
今まで「うわじまパールカップ」では優勝すると次からは2度と勝てないような厳しいレーティングを付けていましたが、今大会よりスペシャルレーティング制度をリセットしました。
やはり強い船が勝つべきであり、成績として評価されるべきです。
「うわじまパールカップ」はたとえレースで頑張らなくても参加者すべてがハッピーになれるような運営をしているのだから・・・

3度目の優勝を果たした「SAMMY」さん、本当におめでとうございました。
「ホワイトホーク」も今回は準優勝。
15年以上かかって、やっと「さみー様」と対等に戦えるようになったことを嬉しく思います。

 

 

この海域の初戦である「うわじまパールカップ」を開催できたことで、今シーズンはヨットの活動にも活気が戻れが良いと思います。
今回、3年ぶりにレースを開催することができましたが、来年はパーティーも再開できるようになるといいですね。


うわじまパールカップ2022 成績表


ファーストホーム【1位】 SAMMY[YAMAHA33S] (広島)

 2着【5位】 ファルコン〔First40〕 (マリノア)

3着【2位】 ホワイトホーク〔YAMAHA31S〕 (宇和島)

4着【4位】 薫風〔スイング31〕 (北九州)

5着【14位】 Leo〔グランドサプライズ31〕 (周南)

6着【11位】 エリオット〔Elliotto935〕 (宇和島)

7着【3位】 セイラーズムーン〔YAMAHA36〕 (別府)

8着【17位】 あかね〔デヘラ―36〕 (呉)

9着【22位】 小春〔CAPE35〕 (別府)

10着【6位】 Daisy〔YAMAHA31S〕 (大分)