2023ヨットレース
2023別府ゆけむりヨットレース
2023.10.7
(土)
2週続けて大分県のヨットレースに参戦です。
今回は「別府市長杯ゆけむりヨットレース」。
「市長杯」の冠が復活し、別府外洋ヨットクラブ新体制での開催です。
前夜祭のバーベキューパーティーなど今までとは少し違った雰囲気が垣間見えました。
それから、ずいぶん知らない艇が増えて、馴染みの顔が見えなくなった感じがします。
さて、翌日のレースは雨になりそう・・・
というか、確実に雨。
なんだかテンションが上がりません。
2023.10.8
(日)
レース当日。
夜中のうちから雨が降り出したようです。
この雨は上がらないだろうね。
覚悟を決めて出港。
雨で、無風で、波だけ残っている・・・
セイルを濡らすと後始末が大変なんだよなぁ・・・
嫌な状況が頭をよぎります。
スタート海面まで出てみると、予想に反して風はありそうです。
ただ、雨と前日からの波は残っていて、やる気が湧きません。
スタートはCクラスとSクラスで時間差スタートになっていて、我々「ホワイトホーク」はSクラスで10:00スタート予定です。
10分前の09:50にCクラスがスタートしました。
さて、そろそろ気持ちを切り替えましょう。
スタート10分前。
気持ちが切り替わり、レーシングモードのスイッチが入りました。
10:00、Sクラススタート。
あまり良いスタートではありませんでしたが、そこそこ良い位置にいます。
ただ、風上艇と接近しすぎていて良い風がもらえず、前に出ることができません。
少し落として距離を置きますが、前方にJ24やY26USなど小型艇が走っています。
右後ろからザワッザワッと猛追してくる船の気配を感じました。
同型艇の「Daisy」(Y31S)とライバル「薫風」(SWING31)。
前の「MISTY」(Y26SU)との距離が詰まり、なんだか好ましくない位置関係になりそうでしたが、風が振れたり強弱を繰り返しているおかげで「MISTY」の風上を突破し、後続を引き離すことに成功しました。
まだまだレースは始まったばかりなので集中!!
レグ中盤から良い風が吹き出し、予想どおりの方向にマークブイを発見しました。
あそこはいつも風が乱れるから少し高さを稼いでおいた方がいいね。
10分前にスタートした艇団はかなり風下にいます。
「もしかして、まだマークブイを見つけてない?」
それにつられてか、Sクラス艇も付いてきません。
「あれっ?速い船は?」
気付けば「ホワイトホーク」の独走態勢でした。
良い風を受けて順調に走っていると、突然バーン!!
「何が起こった???」
メインセイルのアウトホールが切れていました。
「あらら、こんな時に・・・」
冷静に対処し、リーフロープで代用しました。
一瞬ヒヤッとしましたが問題ありません。
Cクラス艇もほとんど抜き去り、最初のマークを回航しました。
すぐにスピンをアップし、全体のトップに立ちます。
YAMAHA31Sより当然速いはずの艇が後ろにいます。
必死に追い上げてきているようですが、あまり差は詰まりません。
我々は2回ジャイブして、第2マークもトップで回航しました。
第3レグに入り、やはり足の速い快速艇がグングン追ってきます。
スタート時より風が強くなっていて、明らかに艇速が違い過ぎます。
「そうみ」と「ユリカゴン」のJ/V9.6 2艇がいとも簡単に我々の風上を突破していきました。
クローズホールドでこれだけボートスピードの差があるとどうすることもできません。
第3マークは3番手に落ちました。
警戒しなければならないのは、次のレグも上りであるということ。
いくらボート性能の差があるとは言え、あまり離され過ぎるとせっかくリードした1レグと2レグの頑張りが無駄になってしまいます。
これだけ安定した風の中では、前2艇との差を詰めることは無理でしょうから、せめて離されない努力をしなければなりません。
最初に最終マークを回ったのは「そうみ」(J/V9.6R)でした。
続いて「ユリカゴン」(J/V9.6RC)。
すれ違った「ユリカゴン」にはエールを送りました。
だけど、「そうみ」も「ユリカゴン」もダウンウインドセイルを揚げるのが遅い。
我々はマーク回航前に手順を確認。
少しでも差を縮めるため、マーク回航と同時にちょっと厳しめにスピンホイストの指示を出しました。
トップ艇からは約5分遅れでした。
今までの経験上、ハンディキャップによる時間差は微妙であると感じました。
最終レグ、上り艇と交錯するので要注意です。
フィニッシュラインの本部船とマークブイは見えていますが、何となく違和感があります。
「あれ?本部船を右に見てフィニッシュじゃなかったっけ?」
このまま本部船とブイの間を抜けて流し込めば、本部船を左に見ることになる・・・
船内に置いてある帆走指示書をクルーに読み直してもらうと「本部船を右に見てラインを通過する」とある。
コース図を見てみると、AからCの各マークブイを反時計でA-B-C-A-B-Aの順で回ることになっている。
ということは、Aブイを反時計でクルッと回ってフィニッシュしなければならないことになります。
今までの別府ゆけむりレースでは、本部船がリミットマークの右側になるようアンカーを打ち換えて、流し込みでフィニッシュしていましたが今回は違うのか?
前日の艇長会議で、何の説明もなかったし良く分かりません。
とにかく、帆走指示書に明記されているからにはそれに従わなければならないでしょう。
先を行く2艇はどうするのだろう?
観察しているとブイを回る気はなさそうです。
でも、動きがおかしい。
先行艇がどうであろうと、我々は帆走指示書を守ります。
しかし、なかなか慌ただしいことになりそうです。
ヘッドセイルを揚げて、スピンを下ろして、すぐにタック。
バタバタしながらリミットマークを一回転し、本部船を見るとOKのサイン。
こんなややこしいミッションが、果たしてこれからフィニッシュしてくる艇にできるかぁ???
我々がフィニッシュした後、「Leo」(fIRST36)と「薫風」も流し込みだと思って突っ込んで来ているようでした。
すると、本部船から「ブイを回って下さ〜〜い」と何度もスピーカーでアナウンス。
「本部船がそんなこと言っちゃダメやろ!!」
おそらく、今回の出場艇でリミットマークを回って本部船を右に見てフィニッシュすることをあらかじめ理解していたチームはなかったと思います。
艇が密集すると、この方法によるフィニッシュは危険です。
レースの主催者には出場艇のレベルを考慮して、次回は改善していただきたいと思います。
とにかく、やるべきことはやりました。
雨の中でみんな頑張りました。
後は結果がどうなるか?
結果は優勝!!
苦労が報われました。
前半のリードがなければどうなっていたことかという思いもありますが、何はともあれ勝てて良かった。
別府湯けむりレースでは2年ぶり5回目の優勝。
祝勝会は恒例の「とよ常」でした。
前の週の佐伯市長杯レースでは惜しいところで優勝を逃していただけに、喜びも格別。
いつも長崎から来てくれるメンバーにも良い気分を味わっていただけました。
帰りの回航は時化模様でしたが、安全に行って無事に帰って来るまでがヨットレース。
このレースが最終戦になると思いますが、今年もなんとか1勝できて良かった。
1年1勝を目標に来シーズンも頑張りたいと思います。
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