2024ヨットレース
第39回 佐伯市長杯ヨットレース2024
2024.10.5(土)
秋のレガッタシーズンが始まりました。
第1戦目は佐伯市長杯クルーザーレース大会。
当初台風18号の北上が懸念されていましたが、幸いにも影響はなさそうなので予定どおり開催が決定しました。
朝8時少し前、妻に見送られてホームポートを出港。
出港時は小雨が降っていましたが、ひどい雨になることはなく風も穏やか。
順調に豊後水道を横断し、予定どおり13:30佐伯港に到着しました。
しばらくして、長崎からの乗船メンバーが車で到着し、皆で協力して翌日のレース準備を済ませます。
夕方からは、佐伯セイリングクラブ主催の懇親会に参加しました。
佐伯の海の幸は新鮮です。
公民館を借りて気取らないおもてなしが佐伯の良いところ。
クラブのメンバーも少人数ながらみんな仲良しで温かい。
背伸びした運営だとどうしても長続きしないが、頑張り過ぎないところが長続きする秘訣なのだと思います。
翌日のレースは風がなさそう・・・
吹き過ぎても困るし、身勝手な悩みです。
得意不得意のコンデションはありますが、その時の状況に応じた走らせ方をするだけ。
それがヨットレース。
がんばろ!!
2024.10.6(日)
佐伯市長杯レース当日。
予想は微風ですが、 港の中から沖を眺めると風がありそうです。
艇長会議が終わってレース海面に出てみますが、まあまあ良い風が吹いています。
ただし、風向からして朝のうちだけかもしれません。
風があるうちにささっとレースを終わらせて、少しでも早く別府に回航できれば良いのになあと自分勝手な考えです。
つまらんことを考えていると、案の定、風が落ちてきました。スタート時刻は09:30。
だんだん風に力がなくなり、微風のスタート。
思いどおりのスタートは切れませんでしたが、それほど悪くはありません。
31Sから33Sに乗り換えた「Daisy2」(YAMAHA33S)がビュンビュン抜け出しました。
「Leo」(YAMAHA26US)と「KAIGEN&PUKARI」(オークレット26)も素晴らしいスタートダッシュ。
おそらくこの2艇の26フッターが今回のレースのカギを握ることになるでしょう。
おなじみの「薫風」(SWING31)もすぐ近くで先頭争いに参加中。
ファーストマーク回航前のアプローチで「ホワイトホーク」は判断を誤り、4位に転落。
「薫風」がトップで回航し、「Leo」と「Daisy2」が後に続きます。
まだまだ序盤なので焦ることはありません。
心配なのは風がなくなってしまいそうなこと。
前を行く3艇はスピンやゼネカーを揚げましたが、力なく漂っています。
こういうレースは危険です。
風がなければ小型艇にやられるし、少し吹けば快速艇に突っ走られるし、同性能のライバル艇は警戒しておかなければならないし、気を抜くわけにはいきません。
だけど、こういうコンデションのレースは嫌ではありません。
むしろ得意なほう。
艇速を失わないよう集中し、ジャイブしながらじわりじわり前に出ます。
やがて風は前に回りスピンダウン。
薫風さんのピッタリ横について並走します。
だけど「薫風」の方がちょっとだけ速い。
「なぜだ???」
思い当たるとしたら、クルーの人数が1人だけうちのほうが多い。
膠着したまましばらくがまん比べをしていたが、何かの拍子にちょっとだけブローが入り「ホワイトホーク」が前に出ました。
このタイミングで我々はタック。
「薫風」もタックするかと思ったが、そのまま沖出ししてお別れしました。
この判断が「薫風」の悲劇の始まりだったかもしれません。
我々は順調に加速し、先頭を走ります。
ところが今度は左舷後方から「Daisy2」が近づいてきます。
ボート性能の差なので仕方ないが、下に並ばれたかと思ったらあっさり抜かれた。
ちょっと嫌な予感が頭をよぎります。
後ろの小型艇はまだ視界に入るぐらいの所にいるし、先行された快速艇に追いつくことは困難か・・・
望みがあるとすれば、風がグルグル変わる大入島北側の狭水道だが、運営はコース短縮してフィニッシュラインを設置するかもしれない。
諦めずにベストを尽くすことに専念します。
人形ばえを回る頃「Daisy2」は明らかに失速しています。
次の村ばえでは「ホワイトホーク」が「Daisy2」のすぐ後ろにくっつきました。
何か仕掛けて来るかと思いましたが、意外とあっさり上突破させていただき逆転に成功。
さて、ここからが勝負です。
風は振れ回り安定しません。
可航幅の狭い水道です。
後ろには格上艇。
あらゆることを想定し、クルー全員で船を走らせました。
いつもより若干手前で本部船がフィニッシュラインを作っています。
あまり後ろは気にしていませんでしたが「Daisy2」はもはや心配ない距離まで引き離しています。
ファーストフィニッシュを告げるホーンが鳴りました。
「お疲れさまでした〜!!」
急いで港に戻って片付けをして、佐伯レース名物の「三国ラーメン」をいただきます。
このラーメンを楽しみに佐伯に来ていると言っても過言ではありません。
今回は表彰式を待たずして別府に回航します。
気になるのは2隻の26フッターでしたが、回航途中で表彰式に出てくれていたクルーからLINEが入りました。
佐伯レース7回目の完全優勝。
おめでとうございました!!
7回も勝ってるけど、今まで楽勝でぶっちぎったことなど一度もありません。
島周りのレースは波乱万丈。
何度も失敗して悔しい想いも経験しています。
これだからヨットレースは面白い。
次は別府です。
もうちょっとだけ秋のレース遠征を楽しみます。