社会福祉原論


管理人の友人であるT・Mさんより社会福祉原論の問題を提供していただきました。
ありがとうございました。



問題1 ソーシャルワーク関係の書物の著書と邦訳の書名に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
 A リッチモンド―「ソーシャルケースワークとは何か」
 B トール   ―「社会福祉実践の共通基盤」
 C バートレット―「コモン・ヒューマン・ニーズ」
 D バイステック―「ケースワークの原理」   
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×

解説
ソーシャルワークとは、アメリカで発展した社会福祉の援助技術であり、方法論である。援助する人をケースワーカーと呼ぶ。
A ○ 「ソーシャルケースワークとは何か」(1922)は、ケースワーク理論を確立したリッチモンドの代表作。
 B × トールは公的扶助ケースワークの諸原理を述べた。「コモン・ヒューマン・ニーズ」(1945)を著した。
 C × バートレットはソーシャルワーク実践の共通基盤の理論化を試み、「社会福祉実践の共通基盤」(1970)を書いた。
 D バイステックの7つの原則は、ケースワークの援助原則として世界的に知られ、実践されている。   

問題2 エスピン・アンデルセンの唱える福祉国家の類型に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
 A 産業業績達成モデルは、福祉資本主義の類型の1つである。
 B 保守的コーポラティズムの福祉資本主義は、ドイツ、フランスなどに見られる類型である。
 C 残余的福祉モデルは、福祉国家の形成過程における社会政策モデルである。
 D 社会民主主義的な福祉資本主義は、労働力の脱商品化がもっともすすんでいるものの類型である。
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × × ×
3 × ○ ○ ○
4 × ○ ○ × 
5 × ○ × ○
解説
エスピン・アンデルセンは、国際比較という方法で福祉国家を@リベラベルモデルA保守的コーポラティズムモデルB社会民主主義モデルの3つに分類した。
A × アメリカの自由主義的国家をリベラベルモデルとした。産業業績達成モデルはイギリスのティトマスが提唱。
B ○ 記述どおり
C × 福祉国家の形成過程におけるモデルは国際比較による類型とは観点が異なる。これもティトマスの提唱。
D ○ 高福祉高負担のモデルとして類型化した。

問題3 社会福祉の考えに関する論者とその理論の特徴との組み合わせに関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 孝橋正一―資本主義制度の構造的必然の所産である社会問題に向けられた合目的的、補充的な公・私の社会的方策・施設の総称であるとした。
 B 大河内一男―経済秩序内にある生産者を対象としておこなわれる労働政策と区別して、経済秩序外的存在である救恤窮民を対象として行われる政策であるとした。
C 竹内愛二―個人、集団、地域社会が有する社会(関係)的要求を、自ら発見し、充足するために能力等の資源開発を側面から支援する専門的な援助過程であるとした。
 D 岡村重夫―社会関係の客体的側面だけに着目する一般的な施策だけでは不十分であって、社会関係の主体的側面を問題とする個別援助の方策がなくてはならないとした。
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ × × ○
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×

解説
A ○ 孝橋正一の著書「全訂 社会事業の基本問題」の中で定義されている。
B ○ 論文「我国に於ける社会事業の現在及び将来」の中で述べている。
C ○ 著書「専門社会事業研究」より。
D ○ 著書「社会福祉原論」より。

問題4 次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
 A アメリカの社会福祉方法論は、ほぼ1930年に確立し、ケースワーク、グループワーク、コミュニティ・オーガニゼーションに3分類された。
 B アメリカもイギリスも1970年に入り、社会福祉方法論を統合化する動きが強まった。
 C 社会福祉方法論の源流は、1869年のアメリカのクリ―ブラントでの慈善組織協会(COS)の実践といわれている。生活保護の不服申し立て制度は、審査請求を経てからでないと、行政事件訴訟を起こすことができない。
 D 日本におけるケースワーク理論の展開は、戦後アメリカからリッチモンドやパールマンの考えが導入されてからであり、戦前にはなかった。
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ×

解説
A ○ この3分類はわが国ではそれぞれ、個別援助技術、集団援助技術、地域援助技術と訳される。
B × 社会福祉方法論の統合化の動きは、アメリカでは1950年代から、イギリスでは1960年代から強まっていた。
C × 慈善組織協会(COS)が設立されたのはイギリスのロンドンで、1869年のことである。アメリカでは1877年にバッファローで最初に設立された。
D × 日本は戦前から、竹内愛二(1930年代)などによってソーシャルケースワークが紹介されていた。


問題5 国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)の「ソーシャルワークの倫理―原則と基準」(1994年)に掲げる原則に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに
×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
 A 各個人は、他人の同じ権利を侵害しない程度まで自己実現の権利を有し、社会の安寧に貢献する義務を負う。
B ソーシャルワーカーは、発達や個人対社会の葛藤の解決とその帰結において個人、集団、地域社会、社会一般を援助する客観的かつ専門的知識と技能に献身する義務を負う。
 C ソーシャルワーカーは、クライエントと完全に協働し、クライエントの最善の利益のために働くが、関係者の利益に対しても配慮することが期待されている。
 D ソーシャルワーカーは、一般にクライエントの生活に影響を及ぼす一連の行動を決めるため、クライエントと協働する際にはソーシャルワーカーが責任をとることが期待される。
(組み合わせ)

  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

解説 
 出題の基準は、1994年のIFSW総会で採択された。
A ○ 設問の通り。
B ○ ソーシャルワーカーは専門職であるとうたっている。 
C ○ クライエントの関係者にも配慮すべきとの規定がある。
D ソーシャルワーカーが最善の責任を果たしていることを前提として、責任はクライエント           がとらねばならない。 

問題6 社会福祉の任用資格制度に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
 A 社会福祉士は、児童相談所長の任用資格のひとつである。
B 精神保健福祉士は、知的障害者福祉司の任用資格のひとつである。
 C 介護福祉士は、介護支援専門員の任用資格のひとつである。
 D 保育士は、児童福祉司の任用資格のひとつである。

(組み合わせ)

  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × × ×
3 ○ ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

解説 
 任用資格とは、行政職などでその業務に就くのに必要な資格要件のことで、社会福祉の任用資格は福祉各法に規定されている。
A ○ 他には、一定の学識経験を有する医師や心理学の専門課程を修めた大学卒業者などにも任用資格がある。
B × 精神保健福祉士は任用資格ではない。2年以上の実務経験がある社会福祉主事や医師などに任用資格がある。 
C × 介護福祉士が介護支援専門員になるには、5年以上の実務経験を経て受験資格を取得し、試験に合格して実務研修を終了し、登録されなければならない。
D × 任用資格があるのは、医師、社会福祉士、経験2年以上の社会福祉主事、大学で専門課程を修了した者など。児童福祉法第11条(児童福祉司の職務) 

問題7 次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
 A 「社会福祉の増進のための社会事業法等の一部を改正する法律」の対象となった法律は、社会福祉事業法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、児童福祉法、民生委員法および生活保護法の六法である。
B 障害者福祉サービスについて、サービス利用者が自らの意思と責任において利用したいサービスを選択し、その利用について支援費を支給する制度が創設された。
 C 社会福祉法において、利用者と提供者の対等な関係が築けるよう、福祉サービス利用援助事業、苦情解決制度等の利用者の利益を保護する仕組みが規定された。
 D 社会福祉法は、「総則」「社会福祉審議会」「福祉事務所」「社会福祉法人」「社会福祉事業」の5章からなり、社会福祉の実施体制に不可欠な基礎構造を規定する役割を果たしている。

(組み合わせ)

  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × × ×
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

解説 
 
A × 改正対象となった法律は全部で八法。ほかの二法は、社会福祉施設職員退職手当共済法と公益質屋法(廃止)。
B ○ 実際の支給は、利用者ではなく事業者になされる。 
C ○ 都道府県社会福祉協議会が行う利用援助事業や苦情解決制度は、社会福祉法第8章第2節に規定されている。
D × 社会福祉法は12章からなっている。

問題8 2000年の民生委員法の改正内容に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
 A 民生委員は、社会福祉の精神をもって、住民にもっとも身近なところで、住民の立場に立った活動をおこなうことが規定された。
B 民生委員の職務のひとつとして、援助を必要とする者が福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供を行うことが規定された。
 C 従来の名誉職規定が削除されたことにより「民生委員には給与を支給する」という規定が設けられた。
 D これまで区域ごとに組織された民生委員協議会の代表者を「総務」と故障してきたが、「会長」に変更された。

(組み合わせ)

  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × × ×
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

解説 
 改正民生委員法は、2000年の「社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律」により改正された法律で、民生委員の任務や職務内容を規定している。
A ○ 設問の通り。改正法第1条(民生委員の任務)
B ○ 民生委員には情報提供の職務が追加された。実際の支給は、利用者ではなく事業者になされる。 
C × 名誉職規定を改め、「給与を支給しない」とし、民生委員の無償性が明確にされた。第10条。
D × 第25条(民生委員協議会の組織)


問題 9 
2003年4月施行を含む福祉サービスの利用方法に関する次の記述のうち,誤っているものを一つ選びなさい。
1 「支援費方式」とは、サービス利用希望者が、指定事業者に直接利用の申し込みを行うとともに市町村に支給の申請を行い、適当であると認められた場合には市町村が一定の支援費の支給を利用者に対して行う制度であり、身体障害者居宅サービス事業はこの例である。
2 「事業費補助方式」とは、サービス利用希望者が、直接、事業者に対してサービスの利用申し込みを行うが、市町村はサービスの提供量に応じて、事業者に対し、事業費を補助する制度であり、放課後児童健全育成事業はこの例である。
3 「行政との契約方式」とは、サービス希望者が、利用を希望する施設などを記載した申込書を市町村に提出し、市町村等は希望した施設に対してサービスとの委託とサービスの実施に要した費用を払う制度であり、保育所はこの例である。
4 「介護保険方式」は、サービス利用希望者が市町村に申請し、要介護認定を受け、指定事業者にサービス利用の申し込みを行い、事業者は市町村に対して介護給付請求を行い、給付を受領する制度であり、養護老人ホームはこの例である。
5 「措置制度」は、福祉サービスの対象者を行政が把握し行政処分を行うことにより、サービスを決定し、提供する制度であり、乳児院はこの例である。

解説
1 ○ 設問の通り。
2 ○ ほかに、福祉ホーム、軽費老人ホームがある。
3 ○ 設問の通り。別名は保育所方式。
4 × 方式の説明は正しいが、例が誤り。養護老人ホームは措置制度、介護保険方式の例は特別養護老人ホーム。
5 ○ 乳児院など一部の児童福祉施設や保護施設、養護老人ホームなどがある。

問題 10 
社会福祉の財政に関する次の記述のうち,誤っているものを一つ選びなさい。
1 地方公共団体による民間社会福祉事業への補助は、公益上の必要がある場合に限られている。
2 憲法89条の規定する「公の支配に属しない事業」とは、その事業の構成、人事、内容及び財政などについて公の機関から具体的に指導または監督されることなく、事業者自らが行うものを指す。
3 お年玉つき年賀はがき寄付金は、民間社会福祉事業の財源のひとつとして活用されている。
4 福祉事務所を設置しない町村が老人福祉施設に入所措置する場合、その措置費の負担割合は、原則として国2分の1、都道府県4分の1、町村4分の1である。
5 2000年度の国家予算における社会保障関係経費の中で、最も高い割合を占めたのは社会福祉費である。

解説
 社会福祉財政は国においては社会保障関係費に含まれ、地方公共団体(地方自治体)においては、民生費に位置づけられる。
1 ○ 補助(補助金)は、地方自治体が条例を定めて制度化し、公益的な社会福祉事業に対して助成している。
2 ○ 一方、委託費や補助金などの公金に依拠した社会福祉法人などは「公の支配に属する事業」とみなされる。
3 ○ お年玉郵便葉書等に関する法律による。この寄付金は社会福祉事業など9種類の公益事業法人に配分される。
4 ○ 措置費の負担割合は設問の通り。福祉事務所を設置する町村が措置する場合の負担割合は、市に準じて2分の1、国が2分の1である。
5 × トップは社会保障費で、社会福祉費はそれに次ぐ。介護保険導入後、社会福祉費は減少している。

問題 11 
次の記述のうち,誤っているものを一つ選びなさい。
1 スウェーデン議会は、19世紀初頭に自らのチェック機構としてオンブズマンを制度化した。
2 いわゆる「福祉オンブズマン」の仕組みが日本の社会福祉界に導入されるようになったのは、「社会福祉基礎構造改革について(中間まとめ)」(1998)が出て以降であり、実際に地方公共団体や施設において採用されだしたのは2000年以降である。
3 「地域福祉権利擁護事業」は、「日常生活を営む上で必要になる事項につき、事故の判断で適切に行うことが困難であり、かつ、支援計画に定める援助に係る契約の内容について判断し得る能力を有していると認められるもの」を対象としている。
4 社会福祉事業の経営者は、その提供する福祉サービスに関する苦情解決体制として、苦情解決責任者や苦情受付担当者に並んで第三者委員会を設置することになっている。
5 福祉サービスに関する利用者などからの苦情を解決するため、都道府県等の区域内に運営適正化委員会が設置されることになった。

解説
 福祉オンブズマン制度の仕組みと福祉サービス利用者の権利を保障するための苦情解決の仕組みに関する出題である。
1 ○ 1809年にスウェーデンにおいてオンブズマンを導入したのが、オンブズマン制度の始まりとされている。
2 × 「社会福祉基礎構造改革について」より前から福祉オンブズマン制度を実施している自治体や福祉施設がある。
3 ○ 設問は「地域福祉権利擁護事業実施要領」からの引用。
4 ○ 第三者委員の制度は社会福祉法第82条(社会福祉事業の経営者による苦情の解決)に基づく厚生省通知による。
5 ○ 運営適正化委員会は都道府県社会福祉協議会に設置される。社会福祉法第83条。

問題 12 
次の記述のうち,誤っているものを一つ選びなさい。
1 社会福祉法において第1種社会福祉事業と第2種社会福祉事業を区分する基準は、実態的にそれぞれの範疇に属する事業を列挙する「制限列挙」と呼ばれる方式を採用している。
2 社会福祉事業法の制定以来、第1種社会福祉事業の経営主体は、原則として国、地方公共団体、社会福祉法人に限定されてきた。
3 1990年のいわゆる社会福祉関係八法改正により、在宅福祉サービスが第1種社会福祉事業として法定化された。
4 住民参加型を含む非営利団体が直面する様々な状況を打開する役割を担うものとして特定非営利活動促進法が成立した。なお、特定非営利活動法人には、不特定かつ多数の者の利益増進に寄与し、宗教活動や政治上の主義を増進することを主目的にしないことなどの条件がつけられている。
5 会員制互助組織や生活協同組合などの民間非営利組織による有償福祉サービス、さらに営利組織による生活関連サービスが登場することにより、社会福祉の境界、範囲は一段と流動化する状況にある。

解説
1 ○ 旧法と同様の区分方式で、第1種社会福祉事業はおもに入所施設、第2種事業は通所・訪問サービス中心である。
2 ○ 第1種社会福祉事業の経営主体の原則は継続。
3 × 在宅福祉サービスは、社会福祉対象者を居宅において援助するための訪問系や通所系のサービスなので、第1種ではなく第2種である。
4 ○ NPO法ともいう。1998年成立。
5 ○ 設問の通り。

問題 13 
我が国の社会福祉事業に関わった人物に関する次の記述のうち,誤っているものを一つ選びなさい。
1 留岡幸助は、東京都に私立感化院を創設した後に、北海道家庭学校を創設し、少年の感化事業と新農村の建設などの活動を行った。
2 石井亮一は、引き取った震災児童の中に知的障害者がいたことから、後に、わが国で最初の知的障害者施設となる滝乃川学園を創設した。
3 矢島楫子は、公婦廃止運動を中心に幅広く社会運動に携わり、廃業した女性のために慈愛館を創設した。
4 横山源之助の「日本之下層社会」は、貧困者の生活実態をリアルに描き、明治期の社会問題を明らかにした。
5 生江孝之らが創設した大阪方面委員制度は、その後全国に普及し、救護法では市町村長の補助機関として位置づけられた。

解説
1 ○ 感化教育で知られる留岡幸助は明治期の代表的な慈善事業化で、「慈善問題」などの著書がある。
2 ○ 石井亮一は日本で初めて知的障害児の福祉と教育を開拓し、日本精神薄弱児愛護協会の初代会長を務めた。
3 ○ 矢島楫子が初代会頭職に就いた日本基督教婦人矯風会によって、慈愛館が設立された。
4 ○ 横山源之助の「日本之下層社会」は、社会福祉を社会問題のひとつとして開眼させるきっかけとなった。
5 × 生江孝之は社会事業を理論化した人物である。方面委員制度は、大阪府知事林市蔵の下で小河滋次郎が考案し、発足した。



問題 14 
我が国の社会福祉事業に関わった人物に関する次の記述のうち,誤っているものを一つ選びなさい。
1 留岡幸助は、東京都に私立感化院を創設した後に、北海道家庭学校を創設し、少年の感化事業と新農村の建設などの活動を行った。
2 石井亮一は、引き取った震災児童の中に知的障害者がいたことから、後に、わが国で最初の知的障害者施設となる滝乃川学園を創設した。
3 矢島楫子は、公婦廃止運動を中心に幅広く社会運動に携わり、廃業した女性のために慈愛館を創設した。
4 横山源之助の「日本之下層社会」は、貧困者の生活実態をリアルに描き、明治期の社会問題を明らかにした。
5 生江孝之らが創設した大阪方面委員制度は、その後全国に普及し、救護法では市町村長の補助機関として位置づけられた。

解説
1 ○ 感化教育で知られる留岡幸助は明治期の代表的な慈善事業化で、「慈善問題」などの著書がある。
2 ○ 石井亮一は日本で初めて知的障害児の福祉と教育を開拓し、日本精神薄弱児愛護協会の初代会長を務めた。
3 ○ 矢島楫子が初代会頭職に就いた日本基督教婦人矯風会によって、慈愛館が設立された。
4 ○ 横山源之助の「日本之下層社会」は、社会福祉を社会問題のひとつとして開眼させるきっかけとなった。
5 × 生江孝之は社会事業を理論化した人物である。方面委員制度は、大阪府知事林市蔵の下で小河滋次郎が考案し、発足した。




あなたは 人目の訪問者です。