老人福祉論


T・Mさんの模擬問題第5弾は老人福祉論です。今回もありがとうございます。



問題1 高齢者保健福祉推進のための計画に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
 A 老人保健福祉計画は、老人福祉法に基づき、市町村および都道府県に作成が義務付けられている。
 B 市町村老人保健福祉計画では、確保すべきサービスの目標量を数値で示すことが求められている。
 C 介護保険法により市町村は、介護保険事業計画を3年ごとに5年を1期として作成することが定められている。
 D 市町村介護保険事業計画には、各年度における介護保険給付等対象サービスの種類ごとの見込み量を示すことが定められている。   
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 × ○ ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×

解説
A × 1990年に社会福祉関係八法改正が行われた。それによって、都道府県と市町村に策定が義務付けられた。老人保健福祉計画は、老人福祉計画が老人福祉法、老人保健計画が老人保健法を根拠法とする。
B ○ 老人福祉計画は老人福祉法第20条の8第2項1号、老人保健計画は老人保健法第46条の18第2項に規定。
C ○ 設問の通り。
D ○ 設問の通り。

問題2 介護保険制度における要介護認定に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
 A 要介護認定の申請の手続きは、本人もしくはその家族に限られている。
 B 介護認定審査会は、複数の専門化らによって構成され、申請した被保険者の要介護状態区分に関する判定を行う。
 C 要介護認定の効力が生じるのは、介護認定審査会の判定が行われた時点以降である。
 D 要介護認定に不服のある場合は、市町村に設置されている介護保険審査会に対して審査請求を行うことができる。
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 × ○ ○ ○
4 × ○ × × 
5 × × × ○


解説
A × 指定居宅介護支援事業者や介護保険施設が代行して申請することもできる。事業者、施設に配置されている介護支援専門員が行う。
B ○ 設問の通り。
C × 要介護の効力は、要介護認定の申請があった日にさかのぼって発生する。さらに、市町村が緊急と認めた場合に限って、申請日以前でも給付の対象となるので、記述は誤り。
D × 介護保険審査会は、都道府県に設置されている。


問題3 介護実習・普及センターに関する次の記述のうち,正しいものに○,誤って
いるものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 基幹型在宅介護支援センターに併設され、福祉用具の普及を行うものとされている。
 B 事業の目的のひとつとして、ホームヘルパー等の養成、研修がある。
C 介護福祉士の養成施設として設置されたものである。
 D 介護支援専門員の研修施設として設置されたものである。
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × × ○
3 × ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×

解説
介護実習・普及センター事業の実施主体は、都道府県および指定都市であり、その事業内容は@介護実習普及事業A介護機器普及事業などである。
A ○ 設問の通り。基幹型在宅介護支援センターのほかには、福祉事務所や保健所などの公共機関、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、さらには社会福祉士養成施設などの教育機関に併設されている。
B ○ 設問の通り。
C × 介護福祉士は国家資格なので、介護福祉士養成施設となるには厚生労働大臣の指定が必要である。
D × 同センターで行う研修は、ホームヘルパーや特別養護老人ホームの介護職員を対象としている。




問題4 老人福祉施設に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
 A 養護老人ホームへの入所は、市町村に申し込み、市町村が設置している入所判定委員会の判定により決定される。
 B 養護老人ホームへの入所は、経済的事情に関係なく、常時の介護が必要であるという心身状態を要件としている。
 C 入所できる年齢は、養護老人ホームと特別養護老人ホームでは65歳以上、軽費老人ホームでは60歳以上を原則としている。
 D 軽費老人ホームの設置および運営の主体は、原則として地方公共団体または社会福祉法人とされているが、ただし、ケアハウスについては、公益法人などの各種団体もなることができる。
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ×

解説
A ○ 軽費老人ホームへの入所は、措置制度による。
B × 養護老人ホームの入所要件としては、措置される人の世帯の経済的な条件も明記されている。設問の記述は特別養護老人ホームのもの。
C ○ 設問の通り。
D ○ 設問の通り。ケアハウスの設置・運営主体は民間法人まで拡大している。


問題5 痴呆対応型共同生活介護に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 痴呆対応型共同生活介護を行う事業は、介護保険法施行と同時に老人福祉施設として法定化された。
B 著しい精神症状がある利用希望者も、痴呆対応型共同生活介護でのサービスを受けることができる。
C 痴呆対応型共同生活介護の施設整備の補助対象は、社会福祉法人、医療法人のほか、特定非営利活動法人にも拡大された。
D 痴呆対応型共同生活介護の利用定員は、5人以上9人以下と定められている。

(組み合わせ)

  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 × ○ ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
解説
A × 痴呆対応型共同生活介護は、老人福祉施設ではなく居宅サービスのひとつに位置づけられている。
B × 著しい精神症状や行動異常を示すもの、痴呆の原因となる疾患が急性であるものは、このサービスの対象外とされている。
C ○ NPO法人もグループホーム運営の補助対象となった。
D ○ 設問の通り。



問題6 地域における高齢者ケアについての専門職間の連携に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
 A 複数のニーズを抱える要介護高齢者の社会生活を支えるためには、他職種がチームを組んでアプローチする方法が有効である。
 B 地域ケア会議では、公正さを保つために福祉事務所長が調整役とならなければならないとされている。
 C 介護保険制度においては、個別の要介護者のケアプランの作成、開始に当たって地域ケア会議が招集され、各サービス提供者と援助目標や役割分担について協議することとなっている。
 D 他職種チームの構成メンバーは、利用者のニーズや地域の状況によって異なる。
(組み合わせ)

  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○ 
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

解説
A ○ 設問の通り。チームアプローチという。
B × 地域ケア会議を開催するのは、基幹型在宅介護支援センターとされているため、あやまりである。
C × ケアマネージャーが利用者個別のケアプラン作成段階で、サービス提供者全員を集めてサービス担当者会議を開くことはあるが、これは地域ケア会議とは別である。
D ○ 設問の通り。


問題7 介護予防・地域支え合い事業に関する次の記述のうち,誤っているものを1つ選びなさい。
 1 介護保険制度の円滑な実施の観点から2000年度に再編実施されたものである。
 2 要援護高齢者および一人暮らし高齢者などを対象にして、自立と生活の質の確保を図るために実施されるものである。
 3 具体的な事業は市町村が一元的に統合して行うこととしている。
 4 生活支援事業としては住宅改修支援事業、外出支援サービス事業などがある。
 5 介護予防・生きがい活動支援事業としては介護予防事業、高齢者食生活改善事業などがある。

解説
1 ○ 介護保険制度の円滑な実施のために、同事業は2000年4月から介護予防・生活支援事業の名称で、実施要綱にもとづいて実施されている。
2 ○ 自立と生活の質を確保するため、高齢者等の生活支援事業、介護予防・生きがい活動支援事業、家族介護支援事業、在宅介護支援事業などの各種サービスを提供。 
3 × 実施要綱では、様々なサービスを提供する関係者がチームとして一体的に活動することを求めている。そこにおける市町村の役割はコーディネーター的なものであり、市町村に事業の実施権限があるかのような「一元的に統合して行う」という記述はあやまりである。
4 ○ 設問の通り。ほかに寝具類等洗濯乾燥消毒、訪問理美容などのサービスもある。
5 ○ 設問の通り。

問題8 高齢者の援助に関する次の記述のうち,誤っているものを1つ選びなさい。
 1 言語によるコミュニケーションだけでなく、行動観察や非言語的コミュニケーションを最大限活用する。
2 援助者の法から積極的に出向いて問題を発見し、援助を受けられるように動機付ける。
 3 高齢者の生活問題は、高齢者と家族の双方の課題であるので、高齢者の立場のみならず家族の立場も考慮する。
 4 高齢者や家族に福祉サービス利用に対する抵抗感が強い場合は、積極的な働きかけをせず、自己選択に任せる。
 5 意思表示が十分にできない高齢者の生活問題のアセスメントでは、身体的、精神的な要因とともに心理的、社会的な要因に関する情報を家族などからよく聞いて、総合的に評価する。

解説
1 ○ 設問の通り。
2 ○ 設問の通り。 
3 ○ 設問の通り。
4 × たとえ高齢者やその家族が福祉サービスの利用に強い抵抗感を持っていても、高齢者の援助を行う専門職として援助が必要かつ適切だと判断するのならば、対象者にサービス内容をわかりやすく説明し同意してもらう配慮や工夫をする努力を怠ってはならない。
5 ○ 設問の通り。



問題9 痴呆性高齢者への援助に関する次の記述のうち,誤っているものを1つ選びなさい。
 1 面接においては、受容的な態度で接し、相手のペースに合わせて話を進めることが大切であるが、繰り返しが続く場合は、うまく別の話題に切り替えるようにする。
 2 事前評価においては、意思表示できない人でも、本人の前で家族などから症状や問題行動などについての情報を得ることは避けなければならない。
 3 十分な時間をかけて会話することができないときは、中途半端な関わり方での話しかけはしないほうがよい。
4 痴呆性高齢者は、自尊心やプライドを傷つけられると状態が悪化するので、本人の嫌がることは避け続けたほうがよい。
 5 おもな相談窓口として、高齢者総合相談センター、在宅介護支援センター、老人性痴呆疾患センターなどがある。

解説
1 ○ 受容的な態度は、利用者が痴呆性であるか否かに関わらず、援助の原則である。面接の際、利用者の話す内容が同じことの反復であっても受容し、必要であれば別の話題に巧みに切り替えるなどの柔軟性も求められる。
2 ○ これは、援助者の倫理観に対する記述である。 
3 ○ 設問の通り。
4 × 一口に痴呆性といっても、人によって能力や状態はさまざまである。一律に、利用者の嫌がることを避け続けていては、利用者の不利益につながることもありうる。あくまで、援助者は慎重かつ繊細に対応していくべきであり、記述は誤りである。
設問の通り。ほかに寝具類等洗濯乾燥消毒、訪問理美容などのサービスもある。
5 ○ 設問の通り。





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