薬物依存



1.薬物依存とは
 医学上は、アルコールやニコチンなど、日本の法律で使用が禁止されていないものによるものも薬物依存症に含められる。また「薬物」を法制上禁止されている薬物という意味合いに捉え、特に麻薬や覚醒剤などによる薬物依存症のことを指す言葉として用いられることもある。薬物依存の症状としては、精神的依存と身体的依存がある。
 また、薬物依存のもう一つの重要な要素として耐性(薬物耐性)がある。依存性薬物の中には、連用することによってその薬物が効きにくくなるものがあるがこれを薬物に対する耐性の形成と呼ぶ。薬物が効きにくくなるたびに使用量が増えていくことが多く、最初は少量であったものが最後には致死量に近い量を摂取するようになることすらある。このため、薬物の依存性の強さにはこの耐性の形成も大きく関わっているとされる。耐性が形成されやすい薬物として、アンフェタミン類、モルヒネ類(オピオイド類)、アルコールなどが挙げられる。




2.薬物依存の種類
○精神依存
 使用のコントロールができなくなった状態。使用を中止すると、精神的離脱症状として強い不快感を感じる。該当物質(例えば酒)を探すなどの行動がみられる。

○身体依存
 使用を中止することで痙攣などの身体的離脱症状(退薬症状、いわゆる「禁断症状」)が出現する。
 精神依存はあらゆる物質(カフェイン、糖分など食品中に含むものも含め)や行為にみられるが、身体依存は必ずしも全ての依存に見られるわけではない。例えば、薬物以外による依存では身体依存は形成されないし、また薬物依存の場合も身体依存を伴わないものがある。


3.おまけ
 依存性の強い物質の商取引は、消費者が商品を続けて購入せざるを得ないため安定して高値で売り続けることができる。そのため依存症患者を破産に追い込んで身体的にも経済的にも破滅に追いやることが多く、社会的な影響が大きいため、依存性の薬物のほとんどはあらゆる国で非合法化されている。他方、アルコールやニコチンなど比較的強力な依存性を持っていることが明らかでありながら合法的に売買されているものも存在する。また、法の規制をかいくぐるためにまだ規制リストに入っていない新規の薬物が脱法ドラッグ(時に合法ドラッグともいう)として流通している。







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