糠漬けを作り、使う




ロクスケが作っているぬか漬けです。以前何度も作ったこともあり、一度は7年くらいやっていたことがありますが、腐らせたので、今年再挑戦で1ヶ月以上経っています。良く熟成し、かぐわしい香りがしています。




 

左写真上はナス、キュウリ、大根、ニンジン、左下は新生姜、茗荷、割干し大根、大根の皮、右写真はパプリカ、キュウリ、ナス、ピーマン 8時間くらい漬けたもの。

下は、漬け込んだ状態で、漬かる時間がそれぞれ違うように切り方などを変えている。当然、本当は糠床に完全に埋め込む

大根葉や小松菜などの軸や水で戻した割干し大根、切り干し大根など、細かい物は、ガーゼやタマネギなどのネットに包んで漬けると良い。漬けたものは余り長い間入れ放しにしないこと。



 糠味噌は何度も作ったが今では割り切って夏場だけのものにしている。
 
 糠床の作り方

   糠に15%の天然塩、和辛子の粉、鷹の爪、出し昆布を入れ、水をくわえて堅めの味噌くらいの状態にする。山椒の実、陳皮(干した蜜柑の皮)、削り鰹を入れる人もいるらしいが、私は入れない。なお、パンやビール、ヨーグルトを入れると良い等という本もあるが、大抵失敗する。釘を入れると色が良くなると言うが、私は金気臭くなるような気がするし、第一かき混ぜるとき危ない。銅線を入れるとやはり色が良くなると言うが、これは絶対止めるべき。明礬も色は良くなるかも知れないが、確実にまずくなる。
 
 容 器

 容器は、なんと言っても蓋付きの陶器の瓶が良いが、蓋付きホウロウ容器でもよい。また、漬物用のプラスチック容器でも良いし、タッパでも良い。梅酒用の硝子瓶も使えると思うが、かき混ぜたり中身を出し入れするのに使いにくそうだ。精々中身は半分くらいにしておけば何とかなるかも知れない。使っていないホウロウナベも有りかも知れない。但し、傷がないこと。金属容器は絶対に不可。小型の木の樽などは空気が通るので良いという人もいる。私の祖母や母は小さな木の樽だったような記憶があるが、定かではない。
 
 後に書いてあるチャック付きポリ袋でも良いが、少量の時に限る。いずれも熱湯消毒をすると失敗が少ない。私は大型のタッパウェアにしている。扱いやすいような気がする。
 
使い始め

 最初、大根でも蕪でもキャベツでもとにかく洗って塩もみをしてからつけ込み、毎日かき混ぜながら野菜を替える。1,2週間すれば熟成して結構な味になる。大根や蕪などは皮を剥いて適当な大きさに切る。大根の皮は剥いて長いまま漬ける。
 
 水がたまったらガーゼなどで吸い取る。酸っぱくなったら、卵の殻を洗い薄皮を取り除いたものを砕いて1個分入れる。和辛子の粉を時々くわえると良い。野菜は何でも良いが良く洗い、塩もみをしてから入れる。時々糠、唐辛子、昆布などをくわえる。野菜を塩もみすれば塩の追加は要らない。
 
 漬ける材料

 野菜としては、大根、蕪、ニンジン、ナス、キュウリ、キャベツ、ピーマン、パプリカ、セロリ、茗荷、新生姜、オクラ、スイカの皮、キャベツの葉や大根の葉、蕪の葉、小松菜の軸、枝豆など。固茹で卵の殻を剥いた物や水気を絞った豆腐なども良いと言うが、やったことはない。澱粉質の野菜や、葱類などは余り向いてはいないが、全く駄目というわけではない。好き好きなので試してみてはどうか。防腐剤代わりにニンニクを大量に漬ける人もいるから試してみるのはよいかも知れないが、匂いが付くので好き好きである。一度付いたニンニクの匂いは取れないので、小分けにして試してみてはどうだろうか。
 
 ダシをとったあとの昆布なども漬けて、刻んで食べると美味い。
 
 保存、手入れ

 不味くなるので冷蔵庫には入れない事。虫が入らないよう蓋の出来る容器に入れて、陽の当たらない、風通しの良いところに置く。チャック付きビニール袋も良い。野菜を漬けないときでも毎日かき混ぜる事。ただし、留守などでかき混ぜることが出来ないときは冷蔵庫に入れれば2,3日の留守は出来る。その時は何か野菜を入れておけば漬かっているが、毎日漬け替えた物よりは不味い。
 
 何年も使いたいときは、冬場には休ませる。その時は野菜類を残さず、表面を平らに均し、和芥子を厚く載せ、更に塩を大量に載せて密閉し涼しいところに置く。このときは冷蔵庫でも良い。翌年、上だけを取り除き、よく混ぜ新しい糠、塩、芥子などを補充して使う。1,2習慣は捨て漬けをして熟成させる。ただ、数十年のぬか漬けと毎年作り替えたぬか漬けにそれほど違いがあるとは思えないと言う人もいる。わたしもそう思うが、自分の糠漬けだけの比較なので確信はない。ただし、買ってきた漬け物よりは絶対に美味い。
 
 最近ネットで見た方法はチャック付き袋に入れて冷凍するが、やったことはない。もしかしたら今年試してみるかも。
 
 その他、食べ方など

 ぬか漬けは古くなったら刻んでお茶漬けにするのも良し、炒めても良い。糠の栄養が野菜にしみこみビタミンなども摂れる。更に、乳酸菌が取れるし、食物繊維も取れる。8時間位漬けた物なら、塩分もそれほど気にすることは無さそうである。とはいえ、食べ過ぎはやはり避けた方がよい。どうも、私もお茶請けにして沢山食べてしまう。それだけ、薄塩なのだが。昔、漬け物をお茶請けにして食べるなどどこでも普通にやっていた。
 
勿論ご飯のおかずに良いが、漬かりすぎた物は水につけて塩出しをしてから薄切りにして食べるとか、細かく刻んでごま油などで炒め、七味でピリ辛味にしたりすると良い。

食べきれないからと漬けっぱなしにしておくのは良くない。取り敢えず取り出し、糠を付けたままラップして冷蔵庫に入れておけば一日位なら大丈夫だ。洗って切ってしまうと、味が落ちる。基本的には翌日食べる分だけ漬けて朝全部取り出し、糠を付けたまま冷蔵庫に保存して、食べるときに洗って切るのがよいと思うが、うるさいことを言わなければまとめて洗って切って冷蔵庫に入れておいても、まあ良い。

大きさを変えて漬けると八時間から二十四時間位漬かり上がる時間を変えられるので、一度に入れる場合も切り方を変えて入れて置いて、食べるときに漬かった物を取り出すのがベストではないだろうか。蕪や大根などは皮付きのまま、胡瓜やナスは切らずに漬けると二十四時間バージョンが出来る。色々試してみるとコツが分かる。