海外のADD/ADHDに関する
サイトや情報をお届 けします。

 

vol.1 CHADD (米国 非営利団体)

海外事情についての初回は、CHADDの紹介をい たします。
CHADDとは、Childen and Adults with Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder。
訳せば「ADHDの子供と大人」ということでしょうか。ですが、しばらく前までは子供だけを対象とし ていました。つまり、大人のADHDが 認識されていなかったということです。
同会のアドレスは http://www.chadd.org/ です。こ こは、むろん非会員に対しても、色々な情報提供をしたり、またネット上に於いて非会員同士の BBSやチャットといった交流の場を提供していますが、本質的には会員制です。会員になれば、各 種のカウンセリングを受けられたり、セミナーに出席できたりのきめ細やかなケアを受けられる特典が あります。
これは例えば、日本のSOAAと同じ様な機能を有していると言えます。
同会の設立は1987年であり、すでに15年もの歴史があって、ADD/ADHDの概念の普及の新し さを考えると、団体としては相当に古い歴史と言えますし、草分け的存在と言えるでしょう。
アメリカは、この分野での社会的認識は、印象ですが恐らく日本より20年くらい先を行っているよ うで、ADDを正式に障害として認知し、患者に対しては公的援助が様々にあります。 どの国でも言えるでしょうが、その為には普通、患者同士が連帯を作り、政府に働きかけることが 必要です。
その為にも、CHADDの果たしている役割は大きなものであろうと考えられます。

 

vol.2 アメ リカの印象

主にアメリカの情報収集の担当をしていて思ったのが 日本に比べてサポ ートグループの数が桁違いに多い、という事です。ADD患者のニーズに応じてありとあらゆるサポートグループがあります。
たとえば、大人、子供、 大人男性、大人女性、家族、学生、ティーン、小学生、中学生、 高 校生、など。パートナーがADDの人のサポートグループも数 多くあります。
それから、無料の役に立つ情報がたくさんあること。 ADDの著名な医師・・・日本でも有名な Amen博士(『愛と憂鬱の生まれる場所』 の著者)、サリ・ソルデンさん(『片づけられない女たち』 著者)等もインターネットに無料で沢山の情報を提供しています。
比べると、 日本ではインターネットで得られるADDの情報は極めて少ないように思われます。また 周知の事実ですが、日本は専門医の数が患者の 数に対してあまりにも少なく、多くの患者が行 き場をなくしています。 ADDの日本社会での認知度の低さを改めて痛感しました。

 

vol.3 サ リ・ソルデンさんのサイト

日本で大人にも注意欠陥障害で悩む人達が大勢いることが認識され たのは、おそらくサリ・ソルデンさんの「片づけられない女たち」(WAVE出版 ニキリンコ訳)が紹介 されたのがきっかけではないだろうか。
それまで、学級崩壊などの原因となる子供のADHDはある程度認識されていたし、一部には大 人のADHDも知られてはいただろうが、一般 に知識が広がったのは、彼女の本も一つのきっかけに なっていると思う。
ただ、日本語の書名が「片づけられない〜」となっていることから、マスコミで取り上げられるときも 部屋をゴミ箱状態にしている女性がクローズアップされる一因となっているようだ。むろん、ソルデン さんには責任は無く、日本のマスコミのやり方の為なのだが。片づけられないのは別 に女性だけの問題ではなく、わたしも相当苦労している。
それはさておき、
ソルデンさんのサイト http://www.sarisolden.com/html/bio.html は、
時々私も覗いてみるが、特に掲示板が参考になる。
最近、ちょっと残念なことに書き込みも低調だが、私たちの活動のことを紹介したら励ましの書き 込みなども貰ったし、そしてなにより、日米国は変わってもやはりADDというのは大変で、みんな苦 労をしているのは変わりがないことだ。
当然、英語でしか書いていないが、最近はオンラインで英文和訳のソフトもあり、理解することは そう難しくはない。是非、一度訪ねてみてはいかがだろうか。
なお、今回、私のお願いに快くソルデンさんが応えて下さり、当サイト宛てにメッセージを寄せて頂 けたので、別 に紹介させて頂きます。

 

vol.4 【サ リ・ソルディンさんからのメール】

Dear Rokusuke,
I wanted to offer my congratulations on this web site and on your
efforts to bring understanding and encouragement to adults with
ADHD as well as ways to care for yourselves while waiting for medical intervention.
First of all, let me say that the people I have met all over the world
with ADHD are some of the warmest, most sensitive and creative people
I know and I have great respect for them.

I have found that the most therapeutic thing for them is to meet and
know others with ADHD so that they can begin to see themselves clearly,
both their strengths and not just their problems. The difficulties
that ADHD brings can be very difficult for outsiders to understand.
The problems can be subtle but pervasive.
The stereotypes from the media are rampant in all countries. These
stereotypes and images will be reduced when the numbers of adults
diagnosed in your country increase and become more vocal.
As individuals with ADHD you will eventually
come to a new feeling about yourself and understand that no one has a
perfect brain. This unique way of viewing the world is what makes you
interesting people.

Sometimes this comes with the price of disorganization and the key to
that is to get support from others to help you. You are pioneers and it is
always difficult to be the first to understand or experience something
in a culture. I hope some of you will be able to come to the National
Attention Deficit Disorder Conference in May 2-5, 2002 in Chicago, IL.

You can obtain more detailed information about the conference from
www.add.org
but if you would like to bring a group from your country you should
contact the vice president Terry Matlen, TerryM2442@aol.com who would be
happy to talk with you about it.

If you would like to talk with other people with ADHD you can log onto
my discussion forum www. Sarisolden.com.

Warm Regards,

Sari Solden, MS


Dear Rokusuke,

拝啓、ロクスケ様

あなた方のホームページに心よりお祝い申し上げます。
そして、大人のADHDの人達を勇気づけ、理解をもたらし、そして同時に医療的な診断を受ける までの過ごし方の指針を与えているあなた方の活動に対しても、応援の言葉をお送りしたいと思い ます。
いずれにせよ、私が世界中でお目にかかったADHDの方々は、もっとも温かく、繊細で創造的な 人々であり、その方々を心から尊敬していることを申し上げておきたいと存じます。

私が思うに、ADHDの人達にとって最も助けになるのは、他のADHDの人達に会い、他のADHD の人達を知り、そして自分自身をはっきりと認識することです。
そして、彼ら自身の強さと、それから問題が個人の問題ではないという事実の認識です。
ADHD自体の問題は、そうでない人達にとっては理解することは非常に難しいのです。この問題 は知られている割に正しく理解されていないのです。

マスコミでは画一的なイメージで取り上げられ、その面だけが国中で取り上げられます。その画一 的なイメージが改まるためには、あなた方のお国できちんと診断されたADHDの患者が増え、そして その発言が大きく取り上げられる必要があります。個人的なレベルでは、おそらく自分自身につい て新しい発見をし、そして誰でも完全な脳を持っている人間などいないのだと気づくことでしょう。

これは時には、混乱の度合いや、他の人達からどのくらい助けてもらえるかという点にもかかってく るのでしょう。どんな文化の中でも最初に経験し理解するのは難しいものです。その点で、あなた 方は先駆者と言えるでしょう。もしあなた方のうちどなたかが、5月2ー5日にイリノイ州シカゴで開か れる欠陥障害会議に出席できれば良いと思うのですが。

会議についての詳しい情報は
www.add.org
で得られますし、もし団体で参加されるのであれば Mr.Terry Matlen, TerryM2442@aol.com へ問い合わせれば、喜んで教えてくれるでしょう。
もし、他のADHDの人達と話しをしたければ、私のホームページ
www. Sarisolden.com
のBBSに書き込んで下されば良いでしょう。

心より思いを込めて。

Sari Solden, MS

 

vol.5アメリカADD患者の話(その1)

アメリカのADD男性から話を聞きました。

アメリカでは日本よりADDの治療(リハビリ)など医療・サポート等の面で進んでいるというのは、日 本でも有名な話ですが、やはり、社会全体で ADDの存在が認められている訳ではなく、”アンチ AD”なるADDの存在を否定する人や、ADDは”怠け者の言い訳”だと思っている”フツーの人” (非ADDのこと)も多いそうです。
ADDの治療に至っては、”ずる”(Cheating)とか、治療に使われる薬剤(リタリンなど)がドラッグ・ ジャンキーをつくる原因にもなっている、ということで否定的な意見の人も多いようです。
そして、アメリカのADDの間でも社会的に認められていない、世間で正しく理解されていないとい うジレンマは大いにあるそうです。
だからこそ、彼はADDがあっても良い面がたくさんあるのだという事をもっと多くの人に知ってもらい たい、と言います。
ADDの為に人生が大変なのは もう充分に知られていることなので、これからはADDのポジティブ な面 を探していくべきだし、日本でのサポートグループ(私達のWING BRAIN プロジェクトを含めて)もこれからはそういう前向きな方向でいったほうがいい、とアドバイスをしてく れました。
世界のADDの人に対する個人的なアドバイスは、「たとえば、アメリカならCHADD(日本で言え ばSOAAでしょうか)の地元支部をみつけて、インターネットというバーチャルな世界だけではなく、” 生身”のサポートも受けたほうがいい。そして、”生身”のADDの人と触れ合ったり、交流することに よって、癒される部分も多いし、大きな助けにもなる」、という事です。
更に、「ADDは人生を彩るスパイ スのひとつ。あなたの存在すべてではないのだから、いつも希望 を持って。」という言葉を日本のすべてのADDの人に伝えてほしい、との伝言をもらいました。

 

vol.6 世 界のおかたづけ事情(1)

ADDに直接関係ないかもしれませんが、「世界の おかたづけ事情」ということで、「世界の人に聞いたかたづけの


−世界の人に聞いた片付けの秘訣−
「あなたの片付けの秘訣を教えてください!」

・私は靴箱にラッピングペーパーを貼ったものを使って、物をいれたり、整理したりしています。それ に魅力的なラベル(写真、絵や文字を貼ったり、書いたりします)を貼って、何が入っているのかわか りやすくします。
そして、それらを部屋の飾りになるように置きます。例えば、本棚に置いてブックエンドのかわりにし たり、重ねて低いテーブルのかわりにしたりしています。(フィリピン人女性)

・場所をとる旅行鞄やスーツケースに物を収納するのは、部屋の場所の節約に素晴らしい方法 です。例えば、やわらかい素材の鞄は折りたたんで、一番大きな鞄の中にしまいます。記念品や旅 のお土産は、もともと場所をくっている硬いスーツケースの中にしまってしまうのです。(マレーシア人 女性)

・私は重要な書類をアルファベット順に箱の中に並べるのが好きです。箱の中の分類さえもアルフ ァベット順になって います。ただし、請求書の類は違う方法で整理しています。支払いが済んでい ない請求書は、締め切りの早い順にファイルします。(匿名)

・私達は、「届きやすい」引出しを子供たちの玩具をしまうのに使うようになってから、家が前よりも ちらからなくなったことを発見しました。私達は2つの引き出しに玩具をしまいます。1つは子供が好 きで毎日使うもの、もうひとつは子供がたまにしか使わないものを入れるのです。(フィリピン人男 性)

・私は毎週、週に1回、20分だけ自分の持ち物を整理する時間をとることにしています。これは、 いつも私に不要な物を捨てる行動に導いてくれるのです。(フィリピン人女性)

・私達は子供が毎日の学校行事などを貼る事ができる小さな掲示板をリビング・ルームに置いて います。最初は子供たちが宿題をしたりするのを忘れないようにするために導入されたものなのです が、驚いたことに、この掲示板のおかげで家の中があまりちらからなくなったのです。それは、子供た ちが必要な学校の道具だけを持ち出すようになったからです。もちろん、本当に家を片付けなくて はいけなくなったら、子供たちを実家の母のところに預けますけどね!(フィリピン人男性)

アジアの片付け名人の秘訣、いかがでしたでしょうか?
日本のADDの私たちに役立つこともあるかもしれません。

 

vol.7「5分のミニ・リラクセーショ ン・タイム」

アメリカの雑誌で読んだ「5分でリラックスする方法」という記事を訳したものです。

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  -5分でリラックスする方法-

すばやくストレスを解消したい人にお勧めしたいのが、「オフィス・スパ:仕事でのストレスの解消 法」という本で紹介されている、「Tea-steam Therapy(お茶の湯気セラピー)」です。

「オフィス・スパ」の作者のZeer氏によると、「このセラピーは緊張した顔の筋肉をほぐし、あなたの 感覚を刺激し、頭をすっきりさせる効果があるのです。」

*「Tea-steam Therapy(お茶の湯気セラピー)」のやり方*

1.ミントティーかスペアミントティーをカップに注ぎます。

2.目を閉じて、ゆっくりとカップ(の上)に顔を近づけます。

3.深く息を吸ってください。ミントの爽やかな香りを楽しみましょう。

4.暖かい湯気が毛穴をやさしく浸透していくのを感じましょう。

5.5〜10分リラックスして、2〜4の体験を楽しみましょう。

このセラピーが面倒くさいなぁ、と感じる人は、ミントティーを飲むだけでも試してみてください。さっ ぱりしますよ。
それさえも面倒くさい、というあなたには究極の簡単なリラックス法を伝授しましょう。ミントのガム を口にいれましょう!ミントにはリラックス効果があります。

 

vol.8サリ・ソルデンさんの本を読 んで

「片づけられない女たち」(Women with ADHD)の 著者、サリ・ソルデンさんの2冊目の本「Journey Through ADDulthood」を最近読んだんですが、これも色々参考になります。
彼女自身当事者で、セラピストであり、自分の会った患者のことを例にして書いているわけですが (守秘義務があるので、仮名で脚色してあるのではないかと思いますが)ADHDの当事者たちが治 療を受けてどう変わってゆくかの過程を色々書いています。その中の心理面の変化や自己評価、 ADHDの正しい認識の過程などがこと細かく書いてあり、またセルフチェックのチャートなどもあり確か に経験を積んだセラピストの言葉としてうなずけます。

ただ、ため息が出るほどうらやましいと思ったのは、アメリカと日本の彼我の違いです。アメリカには 数千人の医学的専門家やコーチャー、セラピストなどがひしめいており、誰でもが思い立てばすぐに 専門家のところへゆけます。日本のように、何年も待たされることが無く、じつに身近な存在になっ ている感があります。サポートグループや専門誌などがたくさん、この本の巻末に紹介されているの を見ると、どうして日本がこんな状況なのか情けなくなります。むろん、アメリカでは公的にADHDが 認められ、それに対する法的保護がきちんと明文化されてますしね。

ですから、この本も治療を受けている(られる)ことが前提となるような書き方です。それいがいに も、日米の感覚の違い、文化の違いがたくさんありますが、参考になる本だとは思います。残念な がら、日本では出版の予定がないそうです。ソルデンさんにメールで問い合わせたら、そう応えて来 ました。





 

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