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表参道交差点で待ち合わせ、というと「みずほ銀行」の前が一番人
気。桃林堂はその隣にある和菓子の老舗です。
名物の「小鯛焼き」(包装も素敵!)をはじめ、丁寧に作られた季節
感あふれる和菓子が並んでいます。
このお店には、こじんまりしたギャラリーが併設されていて、前を通
ると思わず展示品に目がいってしまうのですが、買ったことはあり
ませんでした。
使い込まれた古いもののほうが、何故か親しみが持てるのです。
骨董品のことではなく、たとえば、毎日自分がそれで食べていた実
家の安い食器とか・・・・そんなもの達。
ところがある日、どうしても欲しいものに出会ってしまいました。
器ではなく、羊の花入れ。西村芳弘さんの遊び心あふれる作陶で
す。
数日間お店の前を行ったり来たりして迷ったあげく、意を決してギャ
ラリーに入り、「これ下さいっ」と言いました。
緊張して怖い顔になっていたのかも知れません。「あ、はい、ありが
とうございます」とおかしそうに答えたのは、西村さんご本人。 夢
みるような羊のピアニストを眺めているうちに、月夜のイメージがわ
いてきて、お花のかわりに月をくっつけてしまいました。
月の黄色は、セザンヌも常連だったパリの画材屋さん「セヌリエ」で
買ったパステルで塗りました。
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