サンディーのプロフィール

レオ君のこと

僕が訓練所で、アジを始めた頃、僕らの
クラスには、ボーが3頭いたの。
そのなかに、レオ君っていう1つ上の
すんばらしいレッドボーダーがいたんだ。
レオ君は、めっちゃくちゃ速くて、タッチも
クロールしながら走り抜ける子だったの。
僕も遅くはないんだけど、絶対かなわなか
ったんだ。
残念ながら、練習で後足の腱を伸ばし
てしまって、学校にこなくなっちゃったんだ
けど、元気だったら、うちのエースで
世界まで行ったと思うよ。


サンディー誕生

そんなレオ君が活躍してた頃、訓練所の
ロコ君、ペコちゃんの夫婦に、3頭の赤ちゃん
が生まれたの。
3頭とも、レッドボーダーだったんだ。
所長さんが、「ロビンぱぱさん、1頭ひきうけ
ない?」って、言って、パパもママも可愛らしさ
に、クラクラしちゃったんだね。
最初は、一番末っ子の甘ったれで、一番きれいな
子(えびちり君)になりそうだったんだけど、
所長が、ぐりぐりって触って、長男で、一番
ぶすっとしてた赤の強い子を、「これにしな!」
って選んじゃったの。


サンディーがやって来た!

2ヶ月たって、茶いろのちびがやってきた。
もう、たーいへん!僕とちがって、全然
まったりじゃない。もう、駆けずり回るし
ほえるし、齧るし、外でオシッコできないし
僕に飛びつくし、おもちゃ取るし、
ひっぱりっこ離さないし。。。
赤い砂嵐、、、サンディーなんだね。


サンディーままが倒れた。

本当は、ロビンぱぱより、サンディーまま
(兼僕まま)のほうが、運動神経がいいの。
で、サンディーはままが、もしかしたら
相棒だったんだけど、サンディーが1歳
になった頃から、まま、具合が悪くなっちゃ
ったんだ。
ままは、ずっとずっと辛さを黙っていたんだ
けど、診察したときは、乳がんが、全身に
転移していたんだって。
それからは、みんなが1つになったんだよ。
ぱぱもままも1番兄も2番兄も、みんな
僕達を抱きしめてくれた。
僕達、みんながこっそり流す涙をふき取る
の、最高に上手なんだよ。


サンディーの武者修行

自分の愛する子をヒトに預けて、やらせるなら
ドッグスポーツなんてやめたほうがいいよ!
って、言うヒトもいるよね。
自分がやりたい!が優先するんだろうね。
それだと、ウチやめなきゃいけないんだけど、
でも、サンディーは、みんなの希望だったの。
さんざ悩んだあと、ぱぱとままは、サンディーが
生まれた場所で、いろんな勉強をしてもらう
選択をしたの。
そして、「師匠」が、引き受けてくれた!!
「預かり」になると、逢えない期間があるのね。
寂しかったなぁ〜。
僕も、サンディーが預かりに入ると同時に
夜の「訓練競技練習」を始めたの。
きっと、変わったお客さんなんだけど、
僕達、家族にとっては、「学校」はもうひとつの
「ウチ」なんだよね。
預かりになっているのは、サンディーだけじゃ
なくって、僕達ぜーんぶだったかも!


サンディーの活躍

「師匠」とサンディーの関係は本当に
楽しいよ。
ウチの学校で生まれ、ウチの学校で成長し
ウチの学校で練りこまれたボーダー!
そしてウチで一番甘ったれな奴!
それが、サンディーなんだ。

筋肉に触ったヒトが度肝をぬかれるように!
最初に何よりも楽しく訓練競技をできるように!
羊を追うすり足を使った、障害ぎりぎりまで
にじりよるアジリティーをできるように!
これ、ぱぱのリクエストだったらしい。

ひとつひとつの積み重ねが結果につながって
ぱぱが応援に行けないときも、病室に
師匠からの連絡が届くんだって。
あるときは、アレレ?だし、あるときは
大手柄!だけど、看護婦さんも巻き込んで
師匠とサンディーは元気をいっぱい
送ってくれたんだって!
病院の玄関まではは入れるから、なんども
僕とサンディーはままに会いに行って、
先生や看護婦さん達にも、いっぱい褒めて
もらったよ!


「おとうさん」になったから

「師匠」からリクエストがあったときだけ
サンディーはパパになるんだけど、
お嫁さん、素晴らしくきれいな娘ばっかりなの。
ずるいなぁ。。
赤ちゃんの写真、いただくと、ままの病室は
もう大変だったみたい。
ぱぱとまま、じじばばになっちゃってたらしいよ!
サンディー、子供達が自慢できるように
お勉強、頑張らないとねっ!
子供達、いろんな事をやって、元気に
幸せに育ってね!


ままは見ているから

2年半の闘病を終えて、ままが逝ってしまった
とき、「師匠」が、ぱぱに言ってくれた言葉。
「僕に時間をください。できるだけ大きく育てたい
んです。」って。
僕が岡山にぱぱと行った時、ものすごく大きな
星が上に光ってた。サンディーが初めて2度を
クリーンランしたとき、師匠とサンディーが、
太陽でぴかぴかに輝いた。サンディーと僕が
東京で決定戦やってたとき、川から優しい風が
吹いてきた。

「頑張ったねぇ〜」って。