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雑誌やテレビには出ないけど、モノ凄い実力を持った店たち。
あたしゃ、アンタに付いて行きまっせー♪

福二堂(中華)千葉県我孫子市

この店との付き合いはかれこれ
30年近いのではないだろうか。何が素晴らしいかというと、他の店とはひと味違う、独自の味付けだろう。それも癖のあるものじゃなくて正統派。最初のひと口目から「ぉお、これは!」と思わせる絶妙のメニューが揃っている。なかでも絶品なのがカツ丼、餃子、チャーハン、肉団子だ。
なんで中華なのにカツ丼? なんて細かいことはいいっこなし。町の定食屋さんとしては当たり前のメニューだし、それが僕の人生のなかで最大級にウマイのだから仕方がない。
店は住宅街の中の小さな商店街の一画。外観はフツーの中華店だし、中も狭い。相当前に中に入ったときはパイプ椅子だったと記憶している。そう、実はこの店、僕は長い付き合いのくせに出前で食べることがほとんどであり、店で食べたことは2度くらいしかない。いつも「○丁目のボンドです」と電話をして、これまたいつものごとく「カツ丼と餃子とぉー・・・」と注文するだけ。すると15〜20分ほどで軽ワゴンに乗ったお姉さん(息子さんの嫁)が威勢良くオカモチ片手に玄関先に登場するという具合。以前は親父さんがバイクで持ってきていたけど、息子さん(僕と同じ小学校)が跡を継ぎ、嫁さんも貰ったようで、親父さん共々、家族経営で頑張っているようだ。むろん味も変わらず、値段もボリュームも昔のまま。オススメは以下の通り。

カツ丼
その美味しさは、タレの違いが大きいと思われる。揚げ物の脂もいい処理をしているようで、タレに脂の酸味がなどが移ることもなく、甘すぎず辛すぎず、絶妙な旨味で煮込まれている。しかも、使っている豚肉が脂身もニッコリ笑って食べることのできる甘味を持つ。飯はぎゅっと詰め込まれていて、普通の店の大盛に相当する量。付け合せの浅漬けもよく合うのであった。この味を知って30年余り・・・、未だかつてここより美味しいカツ丼に出会ったことがない。
餃子
中味を見ると野菜だけしか見えない。しかし、じわーっと出てくる旨味は肉をよく練り、野菜と調和させないと出てこない味。独特のショウガらしき香りも特長のひとつ。皮はプリンとしている部分と焼けている部分のハーモニーがまた絶妙。どちらかというと味付けの薄い餃子が好きな僕だけど、ここの餃子の独特の風味と味わいにはひれ伏すしかない。上記カツ丼と餃子は定番中の定番組み合わせであり、注文するときはどちらか必ず入っている。
肉団子
凄いところは団子の食感がまず素晴らしいこと。外はカリっとしているのに味はしっかり染み込んでいる感じ。タレは酸っぱすぎず濃い目ながら上品な仕上がり。この店のメニューとしては1000円を超える高価なものだけど、あまりのうまさにアタシャつい頼んでしまうのでありました。また、餡がしっかりしているのも好きなところで、食べ終わってもまだ腰は健在。その残った餡だけでもどんぶり飯が食えると言い切れます。いやはや、書いているうちに腹減ってきた。
チャーハン
特長はラードだろうか。昔はかなり脂の多い仕上がりに思えたが、最近注文したらヘルシーになっていたような気がする。それでも旨味は以前のまま。具はチャーシューとナルト、ネギくらい。非常にシンプルというか、具はとても少なめ。なのに、どどどっっと食べちゃう。写真では分かりづらいけど、食べても食べてもなかなか減らない。そう、この店のゴハンものはかなり多いのだ。だから「なかなか減らないねー、食べきれるかなー」といいつつ、最後はキレイに食べきってしまうのが常。
冷し中華
いやー、初めて見たときはシンプルさに意表を突かれたんです。しかも使っているハムなんか安っぽく見えるわけです。具を見渡してもハム、きゅうり、錦糸玉子くらいで実に素朴。なのに、これが素晴らしくウマイ! タレがいいのか、麺がいいのか、何だか分からないうちにすすってしまい、いつのまにか完食。魔法にかかったかのような感じなのだ。練りカラシがとてもツーンとくるのもいいです。

すでにお分かりと思いますが、この店は僕の実家のすぐ近くにある。だから、実家に顔を出すときはかなりの頻度で出前をとってしまうし、同じ市内に住んでいる兄夫婦も、実家に来た時にはこの店の出前を取りたがります。息子たちが顔を揃え手料理をふるまいたい母親としては拍子抜けですね。いやー、分かってます。分かってるんですけど、福二堂の料理だけはやめられないのですよ。1食くらいは許してやってくださいまし。
そうそう、出会った頃は豚肉大嫌い、おフランス料理やおイタリアン料理が好みだった嫁も、ひと口食べた瞬間からこの店の腕に感銘したそうです。餃子はもちろん、最近ではアタシのカツ丼を横から盗み食いする始末。ここまで人を虜にする福二堂は、日本最高峰のお店である。と、断言させてもらいましょう。ただし、全てのメニューが完璧にうまいかというとさにあらず。これがまた愛嬌なのでありました。

*福ニ堂さんは2005年に店を閉めました。とても残念です(涙)
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