8.そんなに気になる?
内科の待合室。
4人掛けの長椅子が縦1列に7つほど並び、僕の前の席には
70代と30代とおぼしき母娘が並んで座っていた。この日も待ち時間が長くなりそうなので、のんびり新聞を読みながら時間をつぶしていた。
そんななか、後方から
爺ちゃんと娘らしき話し声が聞えてきた。別にどうという会話ではなかったはず。しかし、目の前に座っていたこの母娘が同時に
「ナニナニナニ?」
という
野次馬根性丸出しの顔で振り向き、声の主を必死に探しだした。
前に座っている人が振り向くわけだから、当然、
僕の目線と合ってしまいますよね。そういう場合、普通は少し遠慮がちにするものなんですが、この母娘は一向におかまいなし。僕の顔などないかのように、首を長くして後方をキョロキョロと見ている。時間にして約10秒くらい。
その1回だけならいいでしょう。ここに書くまでもありまへん。
が、ご想像の通り、この母娘はその後、何かしらの音がすると
すぐに後ろを振り向いてはその主を必死に探す行為を延々と繰り返してくれた。その度に僕はふたりと目が合ってしまうわけで、落ち着かない。ったく、いい加減にしてくれよなー・・・。と思いわけです。
なので、次に何か音がした時、読んでいた
新聞を大きく広げこの母娘と僕の間に壁を作ってみました。するとどうでしょう。母娘は椅子から立ち上がり、僕の新聞の上に顔を出してまた必死にその方向を睨んでます。
あの、そんなに気になりますか? ちょっと度がすぎやしません? 内科じゃなくて神経科とかに行った方がいいんじゃなーい? あまりに落ち着かない母娘は、その後も
些細な音にも反応を続け、延々同じことを繰り返した。
そして1時間30分が経過。どうやら、その親子が受付から呼ばれたようです。そして事務のおねーさんからこう言われてました。
「●●さーん、先ほどから何度も診察室からマイクで呼んでいたんですが、いらっしゃらなかったので探していたんですよー」
どうやら、この母娘。どうでもいい音には敏感で、本来の目的である診察の呼び出しにはまったく聞く耳を持っていなかったらしい。なんだかなー・・・。