9.家族の絆
その日、内科はインフルエンザの時期と重なったのか、とても混雑していた。僕も予約診療なのにすでに1時間以上待っていた。まぁ、これもいつものことさ・・・。諦めに似た気持ちもあったわけだ。
しばらくして、ようやく診察室前の中待合室に呼ばれた。これに呼ばれればあと3番以内であることは予想がつく。やれやれ、やっとかー。ホッとしながら中待合室に行くと、こちらも
異常に込んでいるではないか。
この日、診察をしていた医師は5名。それぞれに3名が待機しているとしても合計15名しか入れないはずなのに、なぜか
20名以上いるのだ。当然、ここで待たなければいけないのに、座る席がない。仕方なく、立っていた僕である。
およそ10分。ある診察室から50代と思しき男女が出てきた。会話と雰囲気から、患者は男性で、女性が奥さんであることが分かった。何か申告な話でもしていたかねーと思ったが
「インフルエンザじゃなくて良かったねー」
などと話しているのも聞えてきた。
と、ここまではありふれた光景だった。心配性の奥さんが一緒についてきたということで一件落着なんだが・・・。
驚いたのはその直後。あれだけ込んでいた内科待合室が一気に空いたのだ。
理由は簡単、実はこのおっちゃん。
奥さんだけでなく20代ほどの若夫婦とその子ども2名、親と思しき老夫婦2名を引き連れてのご来院だった様子。
つまり合計7名を引き連れて診察に着た挙句、家族は中待合室の椅子を占領していたわけだ。診察も終わりエレベータ前で
「良かったねー」などと大家族で話しているのは微笑ましい光景に見えるが、実はとんでもない邪魔者であったことも事実。もうちょっと、何とかならんもんでしょうかねー。