3期マイナビ女子オープン・予選

09.7.25(土) 於 毎日コミュニケーションズ

          マイナビルーム 

 

写真は、予選を勝ち抜いた本戦トーナメント出場決定者。

 

「女王」を決める戦い。

その予選は、完全公開。

開始から終局まで、すぐそばで見られる。

しかも1日で全対局が行われ、本戦トーナメント出場者が決まり、

その組み合わせ抽選会も引き続き行なわれる。

夢のようなイベントである。

1期は有料参加であったが、十分満足した。

2期から無料になった。

しかし昨年は、加藤一二三先生が解説されるJT日本シリーズ

静岡大会と重なり、不参加。

今回は2年ぶりである。

 

見に行けない人も、公式サイトで、棋譜中継、写真、動画を見る

ことができる。

http://mynavi-open.jp/weblog/3rd-yosen/

 

地下鉄東西線の竹橋駅を下車。

中野寄りの改札から出ると、直にパレスサイドビルに入れる。

毎日新聞社やその関連会社があり、毎日ホールでは名人戦や

王将戦の解説会を聞いた。

一般のテナントも入っており、1階、地下1階は飲食店である。

今回は9階。

土曜でビルは閑散としている。

案内人もおらず案内板もない。

他の客について行ったので迷わなかったが、不親切であろう。

少し遅れたので、もう対局は始まっていたし、客も一杯であった。

 

「ご来場のみなさまへ」と題した紙が配られていた。

その記載からイベントの内容を紹介する。

 

本日の対局スケジュール

 

1回戦午前の部=対局室入場9時30分〜、対局10時〜

1回戦午後の部=対局室入場12時30分〜、対局13時〜

予選決勝=対局室入場15時30分〜、対局16時〜

本戦抽選会=19時〜19時30分

  対局の進行によっては変更になる場合がございます。

 

実際には、対局が長引きスケジュールは後れがちであった。

間も空かないため、ご飯を食べに行ったりはしなかった。

(予測して朝ご飯をしっかり食べて行った)

 

「観戦にあたってのお願い」として注意事項が書いてある。

対局室では飲食禁止、携帯電話の電源を切る。

対局室の内外を問わず、女流棋士に声をかけない。

写真やサインを求めない。

(もっとも写真撮影の機会は与えられる。後述)

控室への入室禁止。

(女流棋士控室の入り口の張り紙には「男性の入室禁止」

と書いてあった。男性の関係者もいると思うのだが)

 

棋譜中継のコメントに、

 

「対局開始から10分が経過しましたので、写真撮影は終了

させていただきます」とのアナウンスがされた。

 

とあったが、これは報道関係者へのアナウンスで、客は初めから

撮影禁止である。

もっともオフィシャルのカメラマンは、この後も対局者のすぐそば

で写真を撮っていた。

 

対局場は「マイナビルームA」で、少し離れた「マイナビルームL」

では、大盤解説が行なわれる。

1回戦午前・午後、予選決勝のうち各4局ずつ、インターネット

中継が行われ、この部屋でもスクリーンに投影される。

その脇のスペースでは勝利者インタビューと懸賞金贈呈式が行

なわれ、ここでは写真を撮影できる。

懸賞金は、1局につき1万円。

勝利者に懸賞金を手づから渡すことができるほか、週刊将棋・

公式サイトに名前が載る(不掲載も可)。

対局中は、一般観客席の内側(関係者スペース)での観戦が

可能。

もっとも、それほど近接はできない。

それから、対局室への入室を10分早くできる。

 

「枠抜け予想クイズ」予選12ブロックの通過者を予想。

正解率の高い方から12名、全体の中から抽選で5名に賞品。

予選決勝対局開始17時が締め切りなので、1回戦の結果を

見てから書けばよい。

 

「販売コーナー」

・将棋ソフト「新・東大将棋 無双」

 イメージキャラクター・鈴木環那女流初段の特製写真入り

直筆色紙が先着5名に。

・女流棋士サイン本

・著者サイン本

・「平成21年版 将棋年鑑」の先行発売

・「どうぶつしょうぎ」

・その他

 

「サイン会」新刊本を買うとその場で著者にサインがもらえる。

北浜健介七段「脳トレ7手詰」=10時30分〜

渡辺明竜王「永世竜王への軌跡」=12時〜

(先着100名様、購入は1人2冊まで)

窪田義之六段「変幻自在!!窪田流3三角戦法」=15時〜

 

写真は、予選を勝ち抜いた本戦トーナメント出場決定者。

 

あとは予選、本戦のトーナメント表と対局席の配置図。

例えば「1回戦午後の部」の配置は、次の通り。

 

 

 

E    F    G   H

古船  山竹  植安 室藤

河戸   田部  村食 田田

朱         麻

 

蛸島D            I久津

小野             北尾

 

甲斐C           J中倉宏

井道             上田

      一般観客席

本田B           K山下

早水             鈴木

 

千葉A           L野田澤

島井              成田

        入口

 

 

公式サイトの写真を見ていただけるとわかると思うが、中央に

長机で仕切られた四角いスペースが一般観客席。

最前列のみ椅子があって座れるが、後方で座ってもそもそも

盤面が見られない。

ただしテニスの審判が座るような高めの椅子が何台かあった

(あれほど高くはないが)。

最中心部は一段高くなっていて、ギャラリーの頭越しに対局者

を見ることはできるが、盤面は難しい。

一般観客席(中央)から見て、対局者の後ろ側(壁側)には、

関係者と懸賞を出したスポンサーだけが入れる。

 

観戦の仕方はいろいろあって難しい所だが、わたしは2年前の

経験から、方針を決めていた。

・大盤解説には行かず、対局室にいる。

・あちこち見ようとせず、1局に集中する。

1度好位置を占めたら動かない。

 

写真を撮りたい人は、大盤解説場(マイナビルームL)にいた

方がいいであろう。

わたしはプロの公式戦1局を最初から最後まで見ることに意義

を感じた。

長考中だからと他を見に行って戻ると、結構進んでいて途中の

経過がわからなくなる場合がある。

また投了の瞬間を見逃すと、感想戦を聞いていてもどっちが

勝ったのかわからない場合がある。

 

わたしが実際にへばりついてみたのは、次の3局。

 

1回戦午前の部 高群佐知子女流三段−山田久美女流三段

http://mynavi-open.jp/090725/090725_6-1_b.html

 

1回戦午後の部 中倉宏美女流二段−上田初美女流二段

http://mynavi-open.jp/090725/090725_12-1_b.html

 

予選決勝    山田久美女流三段−香川愛生女流2級

http://mynavi-open.jp/090725/090725_6-2.html

 

1局目は遅れて行ったので立って見ていたが、あとの2局は

開場前から並んで一早く席を取ったので座れた。

座ると盤面が見づらい(駒の表が角度により光る)のだが、

ずっと見続けていると駒の字が読めなくても何の駒か記憶して

いるので困らない。

よそから来てぱっと見ると、どこに何の駒があるかは字を

読まないとわからないが。

1局目、2局目は、上の図で言うとJの位置の対局。

こちらの列は、壁が一面窓で、皇居の森が見下ろせる。

天気もよかったので、すばらしい眺めを背景に女流棋士の

対局姿を見ることができる。

1局目は、お隣が熊倉紫野女流初段と中村桃子女流1級の

対局で、中村桃子女流1級がお顔をこちらに向けておられたが、

柔らかい自然の光が絶妙の角度で陰影をなし、えも言われぬ

美しさであった。

3局目は上の図で言うとCの位置だが、こちらの列は反対側

に比べて暗く、また心なしか盤まで遠いようにも感じられ、見づらい

ように思った。

なお奥の席(上の図でEからH)も、盤まで距離があるように

見えた。

特に両端(観客席の角になる席)は構造上近づきがたく、観戦

にははっきり不利である(これはDとIも同様)。

 

対局について少しだけ。

1局目。

高群女流三段の中飛車に対し、居飛車の山田女流三段も5筋

に飛車を回って対抗。

駒組みが難しいように見えたが強引に打って出て、

高群女流三段も少し弱気だったか、攻めが成立。

山田女流三段の快勝となった。

というのが解説もなく盤側で見ていた低級者の感想。

終局後、まだやっている他の対局を見ようとする。

石橋幸緒女流王位対里見香奈倉敷藤花戦は、黒山の人だかり

(初めからずっと)。

それで、山口恵梨子女流1級対渡辺弥生女流2級戦の最終盤

を少しだけ見た。

 

2局目。

中倉女流二段の居飛車、上田女流二段の振飛車で相穴熊。

終盤、上田女流二段の猛攻に中倉女流二段、見ているだけで

胃が痛くなるようなつらい受けの連続も空しく、反撃の機は訪れ

ないまま、無念の投了。

こういう負け方はダメージがありそうだが、最後まで静かな対局

姿勢を崩さず。

その横顔が大層美しく感じた。

これが1回戦最後の対局。

 

3局目、本戦入りを賭けた戦いは、長手数、長時間の消耗戦に。

入玉した香川女流2級の玉を、諦めずに狙い続ける

山田女流三段。

最終盤もばっちんばっちん、力を込めて駒を打ち合う両者の

闘志に些か怖くなる。

しかし終局するや否や、中盤のことをしゃべり出しささっと戻して

検討を始める両者に感心した。

この日一日「追っかけ」をした山田女流三段が敗れて残念では

あったが、香川さんが本戦入りを決めて女流1級に昇格した対局

を見られてうれしくもあった。

久津知子女流初段対鈴木環那女流初段戦のみ、まだやって

いた。

こちらも入玉した久津女流初段が勝った。

鈴木女流初段は、大勢のギャラリーに、投げ所を見失って

しまった、わたしのせいで遅くなってすみません、と言った。

久津女流初段は、他が全て終っていたことに気付いていな

かった。

周りのことに気が付き過ぎるのも、勝負には不利なのかも

しれない。

写真は、予選を勝ち抜いた本戦トーナメント出場決定者。

 

予定より少し遅れて、本戦トーナメントの組み合わせ抽選会。

こちらは動画中継された。

http://www.ustream.tv/channel/mynavi

カメラの位置がちょっと遠いのは、コードの長さが足りなかった

ためである。

今見ると音が聞き取りづらいが、何をやっているかはわかる

だろう。

動画にないが、「枠抜け予想クイズ」の抽選と表彰も行なわれた。

 

一日とても楽しく満足した。

 

 

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