第66期名人戦7番勝負第6局
▲羽生善治王座王将−△森内俊之名人
大盤解説会 於 朝日新聞読者ホール 2008.6.17(火)


解説:豊川孝弘六段  聞き手:貞升南女流1級

(図は78手目△9三桂の局面)

79▲4五桂 この手に19世名人をかけましたね。
80△2ニ銀
81▲2五歩
82△同歩
83▲同銀
84△2四歩
85▲同銀
86△同金
87▲同飛
88△2三歩
89▲5三桂成 ▲3三金もあった?
         以下△同銀▲同桂成△同玉
         ▲3四飛△同飛▲同角。
         △3四同玉なら▲3ニ飛。

(図は89手目▲5三桂成の局面)

△5三同銀なら▲3四飛△同飛▲同角…
後手自信ない?

90△2四歩
91▲5ニ成桂
92△8五桂
93▲8六銀 △6六歩は▲5六角△同角▲同歩が
        ▲4一角からの詰めろ。
        受けが難しい。△2三玉の早逃げは
        ▲4ニ成銀がまた詰めろ。
94△6四桂

(図は94手目△6四桂の局面)

▲8五銀△同飛▲3四角△7六桂▲9八玉の時、
後手玉は詰めろではないので先手玉に詰めろを
かければよいが、それが難しい。
▲8五銀△同飛▲3五桂△3三玉は▲4四金から詰み。

95▲7五金 安全策。
96△6六歩
97▲4五角
98△6五角 勝負手。▲8四金なら△7六桂▲9八玉
        △6八桂成。角を取る方がよい。
        ▲6五同金△7六桂▲9八玉△2八飛に
        ▲8五銀△同飛▲3五桂?
99▲同金
100△7六桂
101▲9八玉
102△6八桂成 ▲同金は△6九銀で怖い。
          ▲4一角△3三玉▲3ニ金で、
          △2三玉は詰み。
          △4四玉は▲7ニ角成で必至。
103▲4一角
104△3三玉
105▲3ニ金

まで▲羽生王座王将勝ち。

(※終局後、89手目▲5三桂成について)
 これが利くということは、それまでの(将棋の)つくりが悪かった。
 真部先生(故・真部一男九段)に、悪い場面で長考しているとそう言われた。

(以上、豊川六段の解説。)


 羽生の名人復位には、「王政復古」の感がある。
 現在、佐藤康光棋聖と棋聖戦5番勝負の最中。
 週末(6/21)には第2局を行う。
 その前、明後日(6/19)には王位戦の挑戦者決定戦。
 竜王戦も、決勝トーナメントに進出。
 「7冠」再び、の勢いがある。
 竜王を取れば、「永世名人」に続き「永世竜王」の資格も得る。
 そうなれば前人未到の「永世7冠」である。



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