第29回JT将棋日本シリーズ静岡大会 2008.7.19(土)
  於 ツインメッセ静岡 (解説・加藤一二三九段)
       (1)  静岡大会あれこれ


写真トップ・左は、解説の加藤九段(中央)と聞き手の山田女流三段(右)。
写真トップ・右は、こども大会の表彰式の様子。
写真・左は、振り駒を見る深浦王位(中央)と渡辺竜王(右)。

 昨年、初めてJT将棋日本シリーズを見に行った。
 忘れていたが、「次の一手」の投票の際に、住所も書いたらしく、今年の大会の案内状が届いた。
 うれしいものである。
 もっとも、昨年行ったのは名古屋の東海大会だったので、案内状も東海大会用のものであった。
 将棋日本シリーズは、全国を転戦する。
もっとも近い所の大会に行く人が多いのであろう。
 しかし中には、好きな棋士を追っかけて、あちこち行く人もいよう。
 わたしのように、解説者を追っかけて行く人もいるだろうか。
 加藤先生の今年の解説は、静岡大会である。

 将棋まつりにはまだ早いが、プロ棋界はなかなか忙しい時期のようだ。
 前日の7/18(金)は、佐藤康光棋聖−羽生善治名人(王座王将)の棋聖戦5番勝負最終局が、静岡県伊東市で行われた。
 また、矢内理絵子初代女王就位式&第2期マイナビ女子オープン予選公開抽選会が、東京都千代田区で行われた。
 当日7/19(土)には、マイナビ女子オープン予選一斉公開対局がある。
 ほとんどの女流棋士は、こちらに出なければならない。
 前期ベスト4で予選が免除される山田久美女流三段が聞き手、鈴木環那女流初段が棋譜読み上げとして、将棋日本シリーズにご出演となった。

 これまではプロ公式戦の前日に行われることが多かったこども大会予選は、今年は各地とも同日の午前に行われることになったようで(つまり大会が1日だけになった)、静岡大会でも同じ会場で行われた。


 9:56東京発の新幹線こだま号は、11:24静岡着。
 ひかり号ならもっと早く行けるのだが、いい時間の指定席が取れなかった。
 静岡駅のコインロッカーはどこも一杯で、仕方なく荷物を全部持って北口のバス停へ。
 道路を渡った13番乗り場から、「県立病院高松線・登呂コープタウン行き」に乗る。
 ちゃんと「ツインメッセ経由」と書いてある。
 10分程で「南郵便局ツインメッセ前」に着いた。
 片道180円。

・・・****************
・・・*        北   館       *
・・・****************
     ・・・・・・・・・・・*  中 央 棟   *
 ・・・*****・・・*********
 ・・・*レスト *・・・*          *
 ・・・* ラン *・・・*          *
バ ・・*****・・・*   南 館   *
ス ・・* 西  *・・・*          *
亭 ・・* 館  *・・・*          *
 ・・・*****・・・*********


 ツインメッセの間取りはこんな感じ。
 とりあえずうろうろしてコインロッカーを発見。
 北館と南館の間、中央棟(1階はない)の下の通路。
 重い荷物を下ろしてやれやれと思って見ると、同じ通路の反対側(南側)に、「プロ公式戦の行列先頭」と書いた看板が。
 でも、1家族=4人しかまだいない。
 この時間、南館・大展示場ではこども大会をやっていた。
 一応行ってみたが、やはり付き添いでないと入れない。
 そこで、戻って行列に並んだ。
 この時点で12時頃、開場予定の2時間前。
 1家族+1人(わたし)の状態が長く続く。
 12:20頃、北館から加藤一二三先生、続いて山田久美女流三段、鈴木環那女流初段が出て来て、南館の方に歩いて行った。
 子供達相手の指導対局に行くのであろう。
 その後、おじさんというかおじいさんというか、年配の男性が1人、2人と並び出す。
 去年の名古屋大会と比べると、ペースが遅い。
 北館ではバーゲンセールをやっていて、人通りがまあまあある。
 皆物珍しげに、あるいは怪訝そうに、わたし達の小さな行列を眺めて行く。
 13時少し前ぐらいだったか、両対局者が相次いでやって来て、中央棟に入って行った。
 中央棟には会議室があって、将棋日本シリーズの控え室として何部屋か借りていたようだ。
 初めに来た深浦康市王位は、スーツ姿もぱりっとしてクールな表情であったが、渡辺明竜王は猛暑に辟易した様子であった。
 行列は徐々に増えて行き、初めは数えていたが50人を越えた辺りからやめた。
 14時近くなって、100人弱ぐらいになっていたか?
 2列縦隊で会場の南館・大展示場に誘導される。


写真は、プレゼント抽選会の様子。

 こども大会予選がやっと終った所で、雑然とした中、ステージ最前の席へ案内される。
 会場は大きい倉庫のようなだだっ広いスペースに、パイプ椅子が並んでいる。
 ステージと直角に並んだ、こども大会用の机はそのままで、その後ろにまたステージに向いた椅子が並んでいる。

 ***************
 *    対局席      大盤  *
 ***************
 イスイスイスイスイスイスイスイスイスイスイスイスイス
 イスイスイスイスイスイスイスイスイスイスイスイスイス
 イス 机 机 机 机 机 机 机 イス
 イス 机 机 机 机 机 机 机 イス
 イス 机 机 机 机 机 机 机 イス
 イスイスイスイスイスイスイスイスイスイスイスイスイス
 イスイスイスイスイスイスイスイスイスイスイスイスイス


 こども大会の参加者、付き添いはそのままプロ公式戦も見られるということで、小さな子供も多く、雑然として多少騒がしい。
 昨年名古屋大会であった、入口での解説陣のお出迎え。
 将棋日本シリーズの恒例、と聞いていたが、今回はなし。
 JTガールのきれいなお姉さんが、パンフレットなどをくれる。
 パンフレットはA4版、20頁フルカラーで、写真も多く、立派。
 勝利者と封じ手の予想の投票用紙が同封されている。
 行列していた客が入ると、ほとんどすぐ、式次第が進行される。
 (14:00頃)
 司会は主催社の1つである静岡放送(SBS)の、原田亜弥子アナウンサー。
 隣のおじさんが「原田か」と言っていたので、地元では人気者らしい。
 すらっと背が高く、かわいらしいお顔立ち。
 司会ぶりも丁寧で、好感が持てた。
 スタッフが紹介されつつ登場。

棋譜読み上げ 鈴木環那女流初段
――記録―― 黒沢怜生(れお)初段、静岡県支部・中村さん
−大盤操作− 藤森哲也三段、望月陵二段
――聞き手--- 山田久美女流三段
――解説―― 加藤一二三九段

(午前中のこども大会について)
加藤「わたしも子供達と何局か指した。
    楽しかった。
    皆、意欲的に指していた。
    入門書をできるだけ読んで下さい。
    そう子供さんにも保護者の方にも説明しました」
山田「わたしは詰め将棋を担当しました」

 早速、こども大会決勝が始まった。
 まずは低学年部門。
 事前に加藤九段立会いの下、振り駒が行われたのことで、先後は決定済み。
 対局者は羽織袴にたすきがけ。
 簡単なインタビューの後、14:10前には対局開始。
 持ち時間なしの30秒将棋だが、ほとんどノータイム指し。
 30秒すら使わない。

山田「決勝に出たらゲームを買ってもらえる、
    と2人とも言ってましたが、会場の
    お父さん、ほんとですか?」

 対局中の2人、大笑い。
 超早指しのおかげで、何と10分くらいで終局。
 簡単な感想戦の後、すぐ高学年部門の決勝。
 ポニーテールの子は、皆女の子だと思っていた(解説陣も「さん」づけで呼んでいた)が、実は男の子だと判明しびっくり。
 しかも4年生なのに6年生に圧勝して優勝。
 こちらもほとんど秒を読むことのない早指しで、早い終局。
 14:45頃にはもう表彰式。
 休む間もなく、プロ公式戦の両対局者が呼び込まれる。

加藤「本大会屈指の好取組。
    王位が先手なら2六歩からの将棋、
    竜王が先手なら矢倉?
    振り駒の結果で違った戦型になると思っている」
山田「前夜祭の後(夜の街に)繰り出したんです
    けど、お2人ともリラックスしていた」
渡辺「この大会では1度も勝っていないのでがんばりたい」
深浦「静岡は初めて対局する土地なので
    いい将棋をお見せしたい」

 鈴木女流初段が振り駒を行い、15時頃には対局開始。
 こちらは持ち時間10分、切れたら1手30秒未満だが、1分単位5回の考慮時間がある。
 なお、昨年は考慮時間が10回あった。
 こども大会決勝も、持ち時間が5分あった。
 大会が1日になったことで、微妙にテンポアップを図っているようだ。
 まあまあの早指しで、40手進んだ所で、「次の一手」の出題となり封じ手。
 15:30頃、10分の休憩に入る。
 封じ手予想と、勝利者予想の投票用紙をJTガールのきれいなお姉さんに渡す。
 もっとも、わたしは両方外れた。
 トイレは行列。
 加藤先生も並んでいる。
 客が前に入れようとしたが、いやいや、と手を振って、普通に並んでおられた。
 再開後、16:10頃、終局。
 感想戦は盛り上がり、まあまあ長くやった。

加藤「感想戦、時間(まだ)いいですか?」
司会「大丈夫ですよ」

 さすがに「あと何分?」とはおっしゃらなかったが。


写真は、観客を握手で送る深浦王位。

 16:25頃、表彰式。
 深浦王位に、勝利者賞として駿河漆器、副賞としてJT飲料詰め合わせ1年分。
 渡辺竜王に、敢闘賞として駿河漆器(上記とは別品)。
 続いてプレゼントの抽選会。
 プレゼンターは勝利した深浦王位。
 封じ手予想の正解者11人の内、10名に賞品。
 抽選にもれたお1人、かわいそ過ぎ。
 (もっとも、こっそり何かもらえたのかもしれない)
 勝利者あては、正解者の中から1名が、対局者の署名入り将棋盤をゲット。
 最後に「お楽しみ抽選会」として、投票者全員の中から2名に、JT飲料が贈られた。
 わたしは何も当たらず。
 深浦王位から、準決勝へ向けての決意表明。

 「感想戦ではなかなかしゃべれなくて、加藤−渡辺戦みたいになった。(笑)
  最近調子が悪かったが、控え室でJT飲料『辻利』を飲んだのがよかった。
  初めての場所で勝つと気持ちがいい。
  平行して王位戦もやっていますが、合わせてJTの優勝も狙って行きたい」

 抽選会もテンポよくぽんぽん進んで、10分くらいで終了。
 帰る客を、勝利者が握手で送る。
 わたしも並んで、握手してもらった。
 16:50頃、コインロッカーへ向かうと、北館の方から鈴木女流初段、続いて山田女流三段が歩いて来た(帰られる所だった)ので、
「お疲れ様でした」と声をかけた。
 鈴木さんは「あーこんにちは」と、知り合いに会ったかのような挨拶をしてくれて、中年のハートは鷲づかみにされたのである。
 
 バスはちょっと待ったが、静岡駅に戻ると、17:27の新幹線に乗れた。


※本大会に関連するサイト

 JT将棋日本シリーズ 公式HP
http://www.jti.co.jp/JTI/shogi/result/2008/2-1kyoku.html
 
 駒魂(山田女流三段の応援サイト)
http://www.venus.dti.ne.jp/~asai/shogi/news.html
 
 昨年同様、JTの公式HPや、日本将棋連盟のHPで発表される前に、加藤先生と山田女流三段が、静岡大会の解説をされることが「駒魂」で告知されていました。


メニューページ「JT将棋日本シリーズ08.7.19」へ戻る