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公益法人への課税 08.1.26
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マイナビ女子オープンとは http://mynavi-open.jp/guide/open_guide.html 今年(※2007)5月に有限責任中間法人日本女子プロ将棋協会が設立されて初めて、スポンサー(株式会社毎日コミュニケーションズ)と女流棋士所属団体(社団法人日本将棋連盟、有限責任中間法人日本女子プロ将棋協会)の三者による棋戦契約になります。 スポンサーから両団体に契約金が支払われるでしょうが、公益法人である日本将棋連盟の収入は(この場合)公益事業として法人税の課税対象とならない一方、公益法人でない日本女子プロ協会の収入は課税対象となります。 もっとも日本女子プロ協会が赤字なら、結果的に納税はしなくてよくなるでしょうが。 中間法人とは、非営利かつ非公益の法人で、公益法人と営利法人の中間にあたる、というネーミングです。 現行の法人税法における各団体への課税の取り扱いは次の通りです。 公益法人等 中間法人 普通法人 課税対象 収益事業により すべての所得 すべての所得 生じた所得のみ 法人税率 22% 30% 30% (所得800万円 (中小法人は まで22%) 所得800万円 まで22%) ただし、公益法人等には「みなし寄附金」制度があります。 収益事業から生じた所得から、非課税である(自己の)公益事業に回すお金を寄附金とみなし、他の外部に対して支出した(本当の)寄附金(あればですが)と合わせて所得の20%までは、課税対象からはずしてもらえます。 20%の枠を丸々使えた場合、実質負担税率は17.6%になります。 所得×(1−0.2)×0.22=税額 税額/所得=0.8×0.22=0.176 税制改正案では、新制度化の公益法人に関して、次のように定めています。 |
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平成20年度税制改正の大綱
http://www.mof.go.jp/genan20/zei001.htm 五 公益法人制度改革への対応・寄附税制 : (別紙二) 公益法人関係税制 http://www.mof.go.jp/genan20/zei001f.htm 1 新たな法人制度における社団法人・財団法人に対する課税 (1) 公益社団法人及び公益財団法人 @ 納税義務 収益事業を営む場合に限り、法人税の納税義務が生ずることとする。 A 課税所得の範囲 各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得について法人税を課税する。 なお、収益事業の範囲から公益目的事業に該当するものを除外する。 B 適用税率 各事業年度の所得の金額に対して30%の税率を適用する。 ただし、所得の金額のうち年800万円以下の部分については、22%の軽減税率を適用する。 C みなし寄附金 収益事業に属する資産のうちから自らの公益目的事業のために支出した金額は、その収益事業に係る寄附金の額とみなす。 D 寄附金の損金算入限度額 次のいずれか多い金額とする。 イ 所得の金額の100分の50相当額 ロ 上記Cの金額のうち、公益目的事業のために充当し、又は充当することが確実であると認められるもの 税率は、中間法人や普通法人の中小法人と同じになり、一見上がったようですが、みなし寄附金の枠が拡大しているので、実質的にはおおむね下がります。 収益事業により生じた所得が2,000万円で、その50%を寄附金とする場合、 所得2,000万円−寄附金1,000万円=1,000万円 税額 800万円×22%+200万円×30%=176万円+60万円=236万円 税額/所得=236万円/2,000万円=11.8% Dのイ、ロの関係はわかりにくいですが、次のようなことだろうと思います。 収益事業の所得が2,000万円で、本当の寄附金(優遇措置のある外部への支出)が200万円、みなし寄附金(自己の公益事業へ回したお金)が900万円だとすると、 ○イ 1,000万円 > ロ 900万円 他は同条件で、みなし寄附金が1,100万円だとすると、 イ 1,000万円 < ○ロ 1,100万円 この場合、所得の50%を超えることになります。 さすがに200万円+1,100万円=1,300万円はだめなようですが。 では、収益事業の儲けを全部、公益目的事業に回してしまえば、税金は払わなくてよくなりそうですが、その結果として公益目的事業が大幅な黒字になってしまうと、 |
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公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律
(平成18年6月2日法律第49号) 第十四条 公益法人は、その公益目的事業を行うに当たり、当該公益目的事業の実施に要する適正な費用を償う額を超える収入を得てはならない。
これに違反することになり、公益認定を取り消される恐れもありますので、その場合は無理でしょう。
(別頁「公益目的事業に係る収入と費用との関係」をご参照ください。) 公益目的事業は本来儲かるものではなく、それだけではやっていけないので、同時に収益事業も行い、その儲けで何とかやっていく、というのが税制案の想定する形であろう、と思います。 Dのロ、にある「確実であると認められる」ための条件については、正直よくわかりません。 今後、具体的に明らかにされることを期待します。 |