|
|
江戸で振るのは大内延介
第20期竜王戦七番勝負第3局 大盤解説会 於 新橋西口SL広場 07.11.14 |
写真トップは、左から藤森奈津子女流三段、藤森哲也三段、大内九段。
写真左は、手持ち無沙汰の大内九段。 関西棋士が多かった振飛車党。 しかし、大内九段は生粋の江戸っ子。 加藤先生の好敵手の一人である。 お家芸のツノ銀中飛車に、加藤流袖飛車で対抗。 棋王戦などで激闘を繰り広げた。 新橋は、JRで東京駅の次の次。 名人戦と竜王戦の際、いつも駅前広場で大盤解説会を催す。 将棋連盟のHPでは、紹介されない。 同じ東京の将棋会館で、有料の大盤解説会があるからか。 こちらは無料である。 渡辺竜王と佐藤棋聖棋王が、1勝1敗で迎えた第3局。 18:00から開始だったが、わたしは30分ほど遅れた。 地下鉄銀座線の新橋駅、8番出口から地上へ。 愛国者が道に止めた街宣車の上から演説をしている。 その先に、名前の由来となるSLがあり、広場に人だかり。 当然ながら、始まっていた。 大内九段が解説。 愛弟子の藤森奈津子女流三段が聞き手。 その息子、現在奨励会の藤森哲也三段が大盤操作。 11月である。 日はとっくに暮れている。 しかし、広場は新橋駅の灯、ビルのネオン、大型ビジョンの電影などで明るい。 もちろん、大盤と解説者もライトで照らされている。 マイクも使っているので、電車の音もビジョンに流れ続けるCMの音も、右翼の演説の声も妨げにはならない。 釣り師が持ち運ぶような小さな折り畳み椅子が40ほど並ぶ。 回りに立って大盤を見つめる客も多い。 広場に待ち合わせでいるだけの者。 通りすがりにたまたま足を止めた者。 わたしのように、これ目当てに来ている者。 様々と見える。 関心を持って周りにいるのは、数十人といったところか。 新橋商事、という会社が主催のようだが、企業名の露出は皆無であった。 同社のHPに、告知が出ている。 http://www.faro.co.jp/business/event/autumn_ryuo.html |
|
写真は、藤森親子。
わたしが15分ほど解説を聞いた時点で、5分間の休憩となり、人がかなり減った。 してみると通りすがりの人が多かったようでもあるが、その間に最前列の椅子に座ったので、以降の(後ろの)客の移動についてはあまりわからない。 20分ほど過ぎた。 休憩といっても、解説者もどこかで休んでいるわけではなく、すぐそばで立って待っているのである。 どういうことかと思っていると、解説が再開したが、手が来ないのだ、という。 どこかでインターネット中継を見ている人が指し手をメモして、藤森女流三段に渡す。 それを元に解説する仕組みなのだが、インターネット中継がだめになっているのだという。 仕方ないので、止まった局面からの変化の予想をするが、単純な一本道の将棋になった、ということで同じ繰り返しになってしまうので、やめて、棋士評をしたりしていた(後で記す)。 藤森哲也三段が、現地(札幌)に見学に行っている戸辺誠四段に聞く、など色々考えたようだが、結局連盟道場に電話して指し手を聞くことができたとのことで、再開されたが、もう将棋は終っていて、解説も程なく終ってしまった。 19:30過ぎぐらいだったか。 1時間ほどいたが、待ち時間が多く、聞いた内容も少なくて、物足りなかった。 第4局は行わないが、第5から7局までは、対局があれば解説を行う、とのことだったので、行ける時はまた行って、今度は大内九段の解説を堪能したいものだと思った。 ただしこれからどんどん寒くなるので、それがネックではある。 帰りはJRに乗った。 |
|
大盤の後ろには電飾が眩しいSLが。
左下隅が大内九段。解説を終え一服中。 以下は、大内九段の話。 (表現は必ずしも正確ではない) 大内 渡辺竜王は、竜王戦は勝っているが、他では勝っていない。 佐藤二冠は色んな棋戦で勝っているが、順位戦では5連敗。 谷川さんも4連敗。 危ない。 若手に言わせると、谷川さんは怖くない、という。 将棋界は戦乱になって来た。 羽生さんも二冠になっちゃったし。 七冠は夢のまた夢。 20台から30ぐらいで、有望な人はいる? 藤森 深浦さんは…王位になられた。 大内 30は過ぎてんじゃない。 これが目一杯かな? 藤森 渡辺竜王は23歳。 大内 他にいない? 藤森 松尾さん…山崎さん(何れも七段)。 阿久津さん、と(息子が)言ってます。 大内 阿久津(六段)? 岡崎(六段)も朝日オープンの挑戦者になったが… 客 大内一門では? 大内 鈴木大介(八段)も30行ってる。 田村康介(六段)が、がんばると面白い。 才能がある。 ただ、才能があると勉強しない。 才能がない人は勉強する。 天は二物を与えない、と言うが。 なかなか揃ってる人はいない。 羽生、森内、佐藤といったビッグタイトルを取っている人は、揃っている。 若手では、羽生君が立派。 他はどっか欠けているところがある。 小さい頃から将棋ばっかりしてるから。 …でも意外と、一般常識も持っている。 将棋は、先手の佐藤棋聖棋王がひねり飛車に出て、負け。 渡辺竜王が2勝1敗とリードする結果となった。 メニューページ「将棋その他ウォッチ2007年度」へ戻る |