第41回東急東横店将棋まつり
あれこれ 07.8.7


写真トップ・左は、白瀧あゆみ杯出場の坂東女流2級と解説の佐藤二冠。
写真トップ・右は、詰将棋早解き選手権に出場の熊倉女流2級ほか。
写真左は、白瀧あゆみ杯出場の鈴木女流初段。

 将棋まつりに行くのは生まれて初めて。
 JRで新宿から山手線で渋谷駅へ。
 降りたホームから、一旦上がって隣の山手線1番ホームに下り、「玉川改札」から出るとすぐ目の前が東急東横店。
 (帰りは、新宿方面なら玉川改札を入ればすぐ電車に乗れる。
  逆に東京・品川方面から来る人は、行きが楽だが帰りはホームの移動が必要。)
 玉川改札を出て、左斜め前方に行くと西館のエレベーターがあり、8階に上ると将棋まつり会場に出る。
 会場はこんな感じ。プロ控室以外は仕切りがない。

              指導対局スペース
                         プロ対局場
 素人対局スペース       客席       大盤       (遊園地)
                          プロ控室        (自販機)
             書籍販売コーナー           →(外)  
      受付                      トイレ 
                      将棋用品・   
    エスカレーター         グッズ売り場  

    エレベーター

 「中学生将棋名人戦」が始まるところで、これは朝日新聞の後援であった。
 素人対局スペースは200席強あり、かなり埋まっていた。
 プロの対局場の向かいにある客席は110席弱で、10時過ぎに行ったのだが、もう1席も空いていなかった。
 といっても座っているわけではなく、荷物を席に置いてうろうろしているのである。
 朝早く行って、開店を待ってなだれ込むぐらいでないといけなかったようだ。
 しょうがないから立って見たが、これもぶらぶらしていたらいい場所をとれない。
 で、ほとんど1日中同じところにずっと立っていたが、結果的にはこれでよかったのかもしれない。
 夕方になると帰る客がいて、後ろの方に座ってみたが、遠いのでまた立ち見に戻った。
 下手な席に座るよりも、立ち見の最前列を確保していれば、視界を遮られることもなく、近くで見られるのである。
 ただし疲れるが。昼飯も食べなかった。
 次は食べるものを用意しておくべきであろう。
 受付の後には、北浜七段出題の詰将棋を書いた紙があって、記入して応募できるようになっていた。
 どの棋士の方も女流の方も、揮毫や写真撮影の求めに気軽に応じてくれる。
 北浜七段は色紙に詰将棋を書いてくれていた。
 白扇に書いてもらっている人もいたが、グッズ売り場に白扇が売っているのである。
 確か1,650円だったか。
 LPSAに移籍した中井女流六段の扇子も売っていた。
 書籍販売コーナーではサイン本が売られていた。

写真は白瀧あゆみ杯出場の上田女流初段。

11:00〜12:30頃
第2回白瀧あゆみ杯争奪戦・準決勝@
▲中村真梨花女流初段−△坂東香菜子女流2級
 先手向かい飛車対後手三間飛車の相振飛車で先手勝ち。
 解説:北浜健介七段、聞き手:熊倉紫野女流2級

 女流の方は全員色とりどりの浴衣姿で華やかである。
 わたしの方(大盤側)からだと、対局中の坂東女流の姿や顔がよく見える(中村女流は後姿しか見えない)のだが、対局姿勢の美しさといい、真剣で悩ましげな表情といい、このままをテレビのゴールデンタイムで放送したら、将棋人気が爆発するのではないか、と思ったものである。
 やはり棋士たる者、将棋を指している姿が一番美しいのだろう。
 席に着くと、盤の脇の駒台をくるくる回して気に入る置き方に直す。
 これは達人戦で加藤先生もやっていた。
 神経質なのであろうか。
 対局中も回りをよく見る。
 時々目が合った気がしてドキッとする。
 記録係の奨励会員が、一度チェスクロックを押し忘れていて、小声で注意していた。
 奨励会員は困った奴で、読み上げ中に意味もなく笑い出したりする。
 解説の佐藤二冠が何事かと視線をやっていたので、あとで怒られたかもしれない。
 最後も、NKH杯などでは、
「何手で誰それ何段の勝ちでございます」
などと言うものだが、投了しても記録係が何も言わず、大盤でも客席でも終ったかどうかわからない。
 投了した坂東女流に促されると、
「終りました!」と素っ頓狂な声を上げる。
 興がそがれたのは残念である。

 13:00からは「特選対局」。
 解説の加藤九段が会場に入ると、ファンが群がって揮毫や写真をねだる。
 佐藤二冠は有料のサイン会があったので、こういうことはできなかったろうが、見たところ加藤先生が一番人気のようであった。
 対局の模様は別ページに書いた。

14:30〜15:30頃
詰将棋早解き選手権
1位 佐藤天彦四段
2位 北浜健介七段
3位 戸辺 誠四段
4位 熊倉紫野女流2級
進行:野月浩貴七段

 野月七段が用意した30問ほどの詰将棋を、机を並べて座った4人が解答する。
 問題用紙が配られ、合図とともに見て、わかったら挙手して解答。
 難易度に応じて1から3ポイントが得点される。
 お手つき(失敗)の場合は減点されるが、ハンデがある。
 北浜マイナス3、戸辺・佐藤マイナス2、熊倉マイナス1。
 最も多く答えたのは、北浜七段。
 7手詰めぐらいなら、文字通り一目見ただけで解答する。
 20数手詰めを小考で鮮やかに正解し、喝采を浴びた。
 ただし、1度お手つきがあったのが痛かった。
 途中から、なぜかチーム対抗戦に。
「女流が2人いればよかったんですが…男同士のペアもありということで」
と野月七段。
 くじ引きで北浜七段とペアになった熊倉女流は、自身では1度も解答していないのにも関わらず、北浜七段が解答することでポイントをもらえた。
 いつもにこにこしていて、とてもかわいらしい女性であった。
 しかし、ポイントが倍もらえる最終問題を佐藤天彦四段が正解し、逆転優勝。

写真は目かくし将棋新鋭戦に出場の戸辺四段(左)と佐藤天彦四段(右)。

 15:45から、「個性派対局」。
 詳細は別ページにて。

17:15〜18:45頃
第2回白瀧あゆみ杯争奪戦・準決勝A
▲鈴木環那女流初段−△上田初美女流初段
 後手四間飛車に対し居飛車穴熊…と思いきや米長玉。金銀4枚でがっちり固めて先手勝ち。
 解説:戸辺 誠四段、佐藤天彦四段(遅れたため初め北浜七段が代役)

 この対局でも、記録係の奨励会員が失態。
 棋譜を何度も読み間違える。持ってない駒を打ったように言う。
 終局後、鈴木女流が開口一番、そのことに文句を言っていた。
 もっとも盤が遠いし、ライトの関係で見づらい、とフォローもしていたが。
 プロの皆さんがファンサービスに努めているのに、奨励会員のこういった態度は残念であった。

19:00〜19:40頃
目かくし将棋新鋭戦 持ち時間5分、使い切ると30秒将棋
▲戸辺 誠四段−△佐藤天彦四段
 先手石田流三間飛車に後手銀冠で対抗したが先手勝ち。
 解説:野月七段、聞き手:白瀧あゆみ杯争奪戦Aの勝者、ということで鈴木女流初段。

 最後の演目。予定より少し遅れてスタートした。
 将棋連盟の手ぬぐいで目かくし。
 解説も客席の声も聞こえる中での目かくし将棋。
 二人とも経験はないという。
 解説の野月七段は、後手になると符号を間違えやすい(例えば4四桂を6六桂)ので不利、という。
 実際、佐藤四段は1度間違えたがお目こぼししてもらった。
 佐藤四段は終盤、桂馬を何枚持っているかわからなくなった、という。
 しかし破綻もなく、プロらしい将棋をみせてくれた。

 朝から夜まで何も食べずにほとんど立ちっぱなしで疲れたが、とても楽しかった。
 要領がわかったので、次の機会があればもっと楽しめるだろう。


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