2007.2.18(日) 新日本 両国国技館
Circuit 2007 NEW JAPAN ISM


(※P:ピンフォール、ギブアップ)

{IWGPヘビー}
○棚橋 P 金本● 防衛
 Jr.戦士のヘビー挑戦、がテーマなのかもしれないが、王者が棚橋だと体格に差がないため、むしろ新旧世代間の闘い、という印象。ベテランが若きチャンプに「何ぼのもんか見てやるわ!」とばかりに激しく攻めまくる。が、これは棚橋のいつものペースとも言える。ドラゴン・スープレックスでピン。今日ぐらい圧勝してもよかったか…。
 試合後、金本が素直に王者の健闘を称えて握手。しかし金本に声援が多いのはいいが、未だに棚橋にブーイングや野次が飛ぶのはどうしたわけか。

○永田 K・アングル P バーナード T・トムコ●
 五輪王者の新日初参戦。永田とのタッグはいいが、相手が元WWEの米国人。日本人の方が新鮮では、例えば蝶野・中邑あたり…と試合前は思っていた。
 試合開始早々、アングルがいきなりジャーマン。しかしトムコもすぐ立ち上がり、ハイキックを返す。
この場面に「ここは俺の主戦場、TNAから出稼ぎに来てる奴のかませ犬には簡単にはならねーぜ」という意地を感じた。バーナードと2人でアングルを痛めつける。やっとタッチ、2人を蹴散らす永田だが自分も捕まる。1人を捕まえて頻繁にタッチ、2人がかりの合体技も出て一方的な攻め。その溜めのおかげで、永田組の反撃(アングルによる2人への連発ジャーマン、ナガタロックとアンクルロックの合体技など)のインパクトが増した。アングルは完全なベビーフェースとしてのデビュー。これなら日本人じゃない方がよい。
 最後はアングルがバーナードをアンクルロックで抑えている間にナガタロックでフィニッシュ。結果的には見事にかませ犬になったバーナード組だが、リベンジの機会はあるのか?アングルはそんなに頻繁には来日しない気がした。
 リングサイドの大勢の客が、「永田」と書いた紙を掲げて応援。皆同じものだが無理やりやらされてる感じはなく、喜んでやっている感じ。他の人の声援もすごく、いつの間にこんなに人気者になったのか、と驚いた。


{IWGPJr.ヘビー}
○稔 P 井上亘● 防衛
肩にばんそうこうを張った稔はそこを攻められて悶絶していたが、最後は腕十字で防衛。

○天山 TARU P 蝶野 ミラノ●
 GBHとブゥードゥーマーダーズの合体。しかしGBHはバッドボーイ非道(BBH)みたいでよくない。永田提唱のBFL(ビッグフェイスラウド)の方がよい…
 ヒールとしては天山よりTARUの方が上。客席に水を撒いてヒートを買う(今日は雨も降って寒かった)。昨夜のテレビ放送、大阪大会で長州にあっさりピンフォールを取られていた。これでいいのか天山。試合は仲間の加勢もあって勝利。

○中邑 P 真壁●
 中邑は「絶対王者」になるべく、興行成績が苦しい中、渡米して練習だけしていた、と思っていたが、帰国後、王者にもなれず、東京ドームでは川田にも負けた。これでいいのか。
 この後王者になってもインパクトないではないか。もったいないと思う。がんばっている真壁(いつの間にかWEW王者)には申し訳ないが、中邑には意味のないカードで、秒殺でよいと思っていたが、結構苦戦していた。

○越中 P 中西●
 テレビでも色物対決みたいなあおり方だったが、そのくせIWGPの#1コンテンダーマッチでもおかしくないところが、プロレスのよいところである。
 開始早々いきなりのケツ攻撃で場外に落とされ、エプロンからのケツを見舞われるも、受け止めてアルゼンチンで担ぎ、そのままなぜか場外を1周する中西。しかし意外にもケツの波状攻撃で最後は負けてしまった。IWGPをとれぬまま、色物として終るのか。絶対王者の器と信じていただけに、プロレス界のために残念に思う。


○飯塚 長州 P 矢野 石井●
 矢野・石井はまあまあ売り出してるチームだと思っていたが、長州にあっさり負けてしまった。飯塚とのタッグは懐かしくもあるが、何年立とうが途中に何があろうが、関係が変わってない感じなのも感慨深い。

○タイガーマスク  ライガー●
 サムライ     邪道
 D東郷   P 外道
 TAKA     近藤
 日頃見ない東郷の動きはすばらしい。コンドッティのほんとにJr.?という体は往年のデイビーボーイみたい。GBHと違い、CTUはブゥードゥーマーダーズと仲間割れ。ライガーの再三の誤爆に切れた近藤が大暴れして、ライガーが取られた。
 ブゥードゥーのブラザー・ヤッシーはセコンドでスピーチ担当だったが、未だに足が治らないようだ。

○裕次郎 内藤 P 宇和野 平澤●
 裕次郎のすばらしいジャーマンでフィニッシュ。デッドエンドほど遅くはないが、勢いで投げるのでなくどすんと落とす感じで、ブリッジもきれい。

 ロビーに歴代のIWGPなどのベルトが展示してあって、皆写真を撮っていた。
 休憩中、楽天イーグルスのマスコット「カラスコ」のCTUへの入門テストがあり、山本小鉄が試験官をした。カラスコはみちのくや大阪などいろんなリングに上がっているようだ。

 15:00開始で18:30頃終了。日曜日に仕事のある人もいようが、わたしにはちょうどよい時間設定。テンポよく進行し、はずれの試合もなく、なかなかよい興行だったが、カードがインパクトに欠けたのか、6、7割のさびしい入り。国技館は正方形だが、2階席は四隅を少し斜めに切って不等辺八角形になっている。その斜めの席を開放せず、布で覆ってあった。
 会場に比して少し小さめだったがビジョンが設けてあって、入場時にプロモーションビデオを流すなどしている。大会開始前には延々と過去の名勝負・名場面を流していたが、プロレス、新日はやはりすごい歴史を持っているな、と改めて感じた。かつての勢いを取り戻してほしい、と思う。