第41回東急東横店将棋まつり 07.8.7
特選対局 佐藤棋聖棋王−北浜七段
(解説・加藤九段)


写真トップ及び左は、熱弁を揮う解説の加藤九段。

 13:00より、「特選対局」。
 振り駒の結果、北浜健介七段 が先手に。
 佐藤康光棋聖棋王に挑む。

 解説は加藤一二三九段。聞き手はいない。
 操作係りとして奨励会員が付くが、加藤先生がほとんどご自分で駒を動かすため、あまり仕事がなかった。

(以下、断り無きは加藤先生の解説。)

 この二人の対局だと、これになればいいなあ、という戦法が一つある。
あえて何か言いませんけれども。
(北浜七段の棒銀に期待する加藤先生と観客。)

1▲2六歩
2△3四歩
3▲7六歩
4△5四歩
5▲2五歩
6△5二飛  ここでわたしなら90分くらい考えてしまう。
       不勉強なんですけど。
       先手が良くなる順が浮かばない。
       今日の北浜さんを参考にしたい。
7▲2二角成
8△同 銀
9▲9六歩  最近多い。一言で言うと、意味不明でしょ?
10△9四歩
11▲7八銀
12△6二玉
13▲4八銀
14△7二玉
15▲4六歩
16△3三銀
17▲4七銀
18△8二玉
19▲6八玉
20△7二銀
21▲7九玉
22△2二飛 これが一つのよく見る指し方。
       北浜さんの方はじっくり玉を固めて長期戦にする指し方。
23▲8八玉
24△3二金
25▲3六歩
26△2四歩
27▲同 歩
28△同 飛
29▲2五歩
30△2二飛
31▲3七桂
32△4二銀
33▲5八金右

 じっくり考えて当たり前の手を指す。
 わたしに似ている。
 わからなくて考えているのではなく、
 初めに指す手を考えておいて検討する。
 加藤、郷田、北浜。
(長考の末の着手だったため。)
 居飛車側の玉の形の決定版が出ないので
 皆苦しんでいる。
 今日の先手玉の形がお手本になる。

写真は対局中の佐藤二冠(左)と北浜七段(右)。

34△3三桂
35▲7七桂
36△7一角 △2六歩から△2五桂の狙い。
       同じ狙いでも△6ニ角だと
       ▲4五歩△2六歩▲4六角△2五桂
       ▲同桂△同飛▲7四桂があったか。
37▲5六角
38△4四歩
39▲2四歩
40△2五歩
41▲同 桂
42△2四飛
43▲3三桂成
44△2八飛成
45▲3二成桂
46△5一銀
47▲9五歩
48△1九龍  △9五同歩なら▲9三歩△同香▲8五桂△9四香▲8六桂
49▲9四歩
50△5三角
51▲8五桂
52△9七歩
53▲3四角 率直に言って微妙。わたしなら▲9七同香。
54△9四香
55▲9五歩
56△同 香
57▲9四桂
58△7一玉
59▲9三歩
60△9八歩成
61▲7七玉
62△9一歩
63▲3三成桂 うわー、これはなかなか指せない手です。
         桂を渡すと△6五桂があるので、渡せない。
64△9七角成 わたしなら△8四飛で9四と8五の桂を狙う。
         取って△6五桂が厳しい。
65▲9八香
66△同 馬
67▲4三成桂
68△9九馬
69▲6八玉 やっぱり(次は)△8四飛、おすすめです。
70△9八飛
71▲5三成桂 詰めよ。
        (終盤大詰め、対局者に気を使ってか
        先生が黙って駒だけを動かすと、
        対局がほとんどその通りに展開する)
72△8二香
73▲5六歩
74△5二香
75▲4三角成
76△5三香
77▲同 馬
78△6二金
79▲7五馬 △6五桂を消した。
80△9七香成
81▲5三香
82△7四歩
83▲8六馬
84△6五桂
85▲6六金
86△7八飛成 △6九竜もあった。
87▲同 金  ▲同玉だと2、3手で詰む。
88△7七銀
89▲同 馬
90△同 馬
91▲同 金
92△7九角
まで、92手で後手・佐藤二冠の勝ち。

解説中、ご自分で時間を確かめる加藤九段。

 終局後、大盤の前で検討。

佐藤 53▲3四角のところ、▲9七同香と取られると思っていた。
    それなら△8四香とするつもりだった。
北浜 53▲3四角は▲7三桂成を見ていた。
佐藤 それを防いで54△9四香と取った。
    取りたくはなかったが。
北浜 59▲9三歩たらしは、62△9一歩と受けられてしまって
    攻めが続かなかった。▲9ニ歩もあったか。今浮かんだ。
佐藤 それは気づかなかった。この方が嫌。
加藤 (64△9七角成のところ)桂取りに△8四飛は?
佐藤 自陣に打つことを考えていなかったが、なるほど、そうでしたね。
加藤 65▲9八香 66△同馬で、馬筋がずれたので危険がない。
佐藤 ちょっと焦りましたね。
加藤 ここでも△8四飛は。
北浜 どっかで打たれたらまずいと思ってました。
加藤 74△5二香が佐藤二冠のしぶといところでしたね。

時間が来たため、拍手で終演。


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