2009.1.4(日) 新日本 東京ドーム

 レッスルキングダムIII  in 東京ドーム

 

 

(※P:ピンフォール、ギブアップ)

観衆40000人

 公式発表は多すぎる気がするが、結構入った。

去年よりはいい。

 この日実家から帰京、自宅に戻ってから水道橋へ。

 16:00開始に遅れ、第1試合は丸々見逃した。

 

1}

○ミラノコレクションA.T.    平澤光秀

稔         P  岡田かずちか

石狩太一       吉橋伸雄●

(6分24秒 スーパー・スクラップ・キック)

 

 ここから観戦。

 

2}

○ミスティコ       アベルノ●

田口隆祐   P 邪道

プリンス・デヴィット  外道

(9分50秒 ラ・ミスティカ)

 

 メキシカン同士の攻防が多く、空中戦に沸いたが他の選手の出番が少なくその点は不満。

 

 この試合の後、日米レジェンド軍の会場入りシーンがビジョンに流れる。

 それだけで客が沸く。

 さすがレジェンド。

 アメリカン・プロレスのように、バック・ステージの映像をちょこちょこ出して来るのか?

 …と思ったら、これ1つだけであった。

 

3 ライガーデビュー20周年記念試合}

○獣神サンダー・ライガー 佐野巧真 P 井上亘 金本浩二●

(8分47秒 雪崩式垂直落下式ブレーンバスター)

 

 ライガーの記念試合に友情タッグで華を添えるNOAHの佐野。

 早々にソバットを見せるも、金本は1発で倒れないばかりかソバットを打ち返したりする。

 嫌な奴。

 それならば、と佐野は相手を代えて。

 ボディに炸裂、悶絶する亘。

 数を重ねる内にかわしたり、といった攻防が広がる。

 こうでなくっちゃあ。

 しかし佐野は控えめ、主に亘を受け持って、ライガーと金本にやらせようとする。

 期待に応えて、ライガーが金本からピンを取った。

 

 

4 IWGP Jr.}

○クリス・セイビン アレックス・シェリー P 裕次郎 内藤哲也●

 (13分21秒 メイド・イン・デトロイト)

 

 ノー・リミット対モーター・シティ・マシンガンズの日米若手タッグ・チーム対決。

 恥ずかしい話だが、TNA軍はどっちがどっちだかわからない。

 1人がセカンド・ロープに乗って大股を開いて立ち、もう1人がその間を飛んで場外へトペ・スイシーダ。

 これは単に見栄えがいいだけでなく、セカンド・ロープを押し下げて飛ぶ隙間を広げているという

合理的なムーブなのである。

 もっとも上下は広がったが左右は狭まっているのだが。

 スピーディーな攻防の結果は、王者組失冠・ベルト海外流出。

 

 

5 IWGP Jr.}

○タイガーマスク P ロウ・キー●

(8分48秒 変型猛虎原爆固め)

 

 ジュニア・ヘビーの空中戦が続き、客もいささか疲れたか、今一盛り上がらずあっさり終わった印象。

 タイガーがベルト奪回。

 

6}

ケビン・ナッシュ   ジャイアント・バーナード

○カート・アングル P カール・アンダーソン●

長州力     飯塚高史

蝶野正洋    石井智宏

(7分09秒 アンクルロック)

 

 日米レジェンド軍は1人ずつの入場。

それだけで金の取れる千両役者達。

 もっとも最初の長州だけ1人さっさとリングまで行ってしまい、次の蝶野からは花道途中で

待っていて、3人揃ってリングへ向かう仲の良さ。

 長州抜きの6人タッグでもよかったか…とは言っちゃいけないかな?

 元WWEスーパー・スターだったバーナードでさえ、ナッシュ、アングルから見ればはるかに格下

 …アメリカではな!

 ここは日本、俺のホーム・リング。

 お前らにだってでかい面はさせねえ!

 とばかりに発奮したかバーナード。

 先発を買って出たばかりか、ナッシュを挑発。

 いきなりスーパー・ヘビー級のぶつかり合い。

 ナッシュ、ニーとエルボーをバーナードに叩き込む。

 他の選手に代わると、しかし体力で押されるGBH。

 長州、ラリアット。

 蝶野、ヤクザ・キック。

 アングル、スープレックス連発からアンクル・ロックでフィニッシュ。

 しかしバーナード、敗戦後せめての一太刀、アングルを襲いバーナードライバーでアングルにダメージを

与え溜飲を下げる。

 ナッシュのみ見せ場が少なかった気がするが、ビッグ・セクシーを生で見られただけで結構満足。

7 世界ヘビー}

○永田裕志 P 田中将斗●

(11分41秒 バックドロップ・ホールド)

 

 ゼロワンの至宝を永田が奪った。

 そのリターン・マッチ。

 ばかでかいベルトはAWAモデル。

 なぜか「AWA」と言っちゃいけないらしい、世界ヘビー級タイトル・マッチ。

 永田の流血、ゼロワン勢のセコンド等荒れそうな要素はあったが、男を賭けた両雄のぶつかり合い

は名勝負。

 田中を返り討ちにした永田に詰め寄る大谷。

 続く。

 

 休憩。

 

8}

○秋山準 P 中西学●

(10分27秒 リストクラッチ式エクスプロイダー)

 

専修大レスリング部の先輩後輩。

個人の戦い、を強調した2人のインタビューと煽りV。

 先入観のせいなのかもしれないが、どうも後輩の秋山がやりにくそうに見える。

 性格の悪さ、えげつなさが出せず、真っ向勝負で中西に押された印象。

 もっとも最後はきっちりピンフォール勝ちして、挑戦権を獲得しているGHCヘビー級戦につなげた。

 

 

9 IWGPタッグ・ハードコアマッチ}

○ブラザー・レイ ブラザー・ディーボン P 真壁刀義● 矢野通 

(15分34秒 3D)

 

 昨年大活躍した天山・小島の友情コンビを加えた、3WAYタッグ・マッチの予定だった。

 しかし天山が、網膜はく離により欠場。

2008.1.4と同カードになった。

 前回は、正直かませ犬にされた真壁・矢野。

 しかし今回は、王者としてのタイトル防衛戦。

 1年間日本のトップ・ヒールとして活躍した自負もある。

 同じと思うなよ!

 …とわたしは思っていたが、同じ結果になってしまった。

 Jr.に続き、ヘビーのタッグ・タイトルもまさかの海外流出。

 チーム3Dは、全日本でタッグ王者のまま離脱の悪い印象がある。 *注

 大丈夫?

 この大会のコンセプトは、新日本対他団体。

 日頃新日ファンのヒートを買っている真壁・矢野も、今日ばかりは応援してもらえるのでは?

 …とわたしは思っていたが、普通にヒール(チーム3Dがベビー・フェイス)の試合。

 客も素直にその構図を受け入れていた、ようだった。

 

 

10}

○中邑真輔 後藤洋央紀 P 三沢光晴 杉浦貴●

(15分17秒 飛び付き腕ひしぎ逆十字固め)

 

 最近は、ひたすらエルボーを打つばかりで試合運びが単調な三沢。

 しかし、こういう殺気立った対抗戦では、それが生きる。

 ガッツンガッツン肘を当てればドームがどよめく。

 最後は取られた杉浦だが、大いに強い所を見せて満足であったろう。

 新日本は勝っても辛勝、という印象では不満だろう。

 さて、次はあるのか?

 

 構成としては、タッグ王座戦を間に挟まず、新日対NOAHを2つ続けた方が盛り上がるのでは?

 と、初め思った。

 中西対秋山も、個人的な背景より、団体対抗戦を強調して煽った方がいいのでは、と。

 しかし、後から考えると、新日対NOAHがメインならそれでよいかもしれないが、今日はそうでは

ないので、新日対NOAHだけをあまり強調しないでよかったのではないか、と思い直した。

 全体的に、今日の試合は時間が短い。

 これはメイン・イベントを大事にし、それまでに客が疲れてしまわないように、という配慮ではなかろうか。

 さて、いよいよその大一番である。

11 IWGP}

○棚橋弘至 P 武藤敬司●

(30分22秒 ハイフライ・フロー)

 

やることなすこと、その一々が絵になる。

 真のメイン・イベンター、武藤敬司。

 比較すると、棚橋はまだまだである。

 前の試合までにどんなに沸こうが、入場だけでどんなに盛り上がろうが、いきなりスパートはせず、

静かにじっくりグラウンドの攻防から。

 やがて、ドラゴン・スクリューやシャインニング・ウィザードといった、突然パッと閃くように客を沸かす技を繰り出す。

 王道フル・コースの足攻め地獄。

 棚橋も、武藤の批判を承知であえて、定番「ものまね」のドラゴン・スクリューや、ネック・スクリュー、フランケン・シュタイナー

といったレアな「ものまね」技を繰り出して反撃。

 まだまだ一瞬のスピード、瞬発力に衰えのない武藤。

 棚橋が勝るのは、動き回るスピードの持続、スタミナ、バネ。

 最後は、ハイ・フライ・フローの連発。

 決まるまで、取るまで飛び続ける!の気概。

 見事にピンして、IWGPを新日本に取り戻した。

 東京ドームのメイン、これ以上はない舞台。

 その意味では予測された奪回劇ではあったが、内容がよかったので、武藤ファンも納得行ったのではないか?

 試合後リング上のインタビューで、アナウンサーに聞かれて次の挑戦者に中邑を指名。

 が、今日ばかりは先に目を向けるのではなく、まだ武藤戦の余韻に浸っていたかった…とわたしは思った。

 次以降のタイトル・マッチもいい試合ができないと、今回の内容はひとえに武藤のおかげ、と言われよう。

 いつまでも他団体の選手に頼ってもいられまい。

棚橋に課せられた責任は重い。

 

 

  注 これはわたしの記憶違いで、誤りです。

「最強タッグ優勝後の離脱」と訂正いたします。

2005年の世界最強タッグ・リーグ優勝後、発表済みの2006年新春シリーズをキャンセル。

米国(TNA)でのスケジュール優先が理由だったが、当時既に、日本の他団体入りか、との報道

(週刊ファイト)があり、2006年3月からは「ハッスル」に参戦した。

1月のシリーズで空位だった世界タッグの王座決定戦が行なわれており、チーム3Dは出場の最有力

候補だった。

 

メニューページ「2009」へ戻る