2009.8.16(日) 新日本・両国国技館

フィールズPresents G1 CLIMAX 2009

〜New Lords,New Laws〜

 

 

(※P:ピンフォール、ギブアップ)

今年のG1は最後が両国2連戦となり、初日15日は「J sport ESPN」で無料生中継

された(翌16日の午前に再放送もされた)。

2日目16日のTV放送は、PPVなので見られない。

見に行くことにした。

15:00試合開始で、開場予定の14:00ぐらいに行くと、両国駅の辺りですごい人の列が

できている。

チケットを買うためではなく、入場するための行列だという。

暑い中待たされたけれど、まだまだプロレスも人気があると思うとうれしくもあった。

公式発表「11,000人(超満員)」は言いすぎだけれど、昨今にしてはいい入りであったろう。

昨日は8,800人とのことだが、今日がそのくらいかもしれない。

リングの上方、四方に向けてビジョンがあり、リングとの目線のスイッチがやりやすくて

見やすかった。

 

1}

TAJIRI P 岡田かずちか●

 

昨日の公式戦(大森戦)で、短時間で霧を吹いて反則負け。

マイクをとって「よそもの同士の消化試合は無意味」と毒づくTAJIRI(ハッスル所属)。

「新日本、G1をなめるな」とかみついた岡田に、「明日やってやろうか」。

TV解説の長州力が「やんない方がいいんじゃないですかね」と言っていた

(のが面白かった。TAJIRIについては酷評)が、実現。

岡田コールと自らへのブーイングを尻目に、バズソーキックで完勝。

今日はスピーチもなく去って行った。

毎試合こうならよかったのではないか。

 

 

2}

タイガーマスク      獣神サンダー・ライガー

田口隆祐   P  ミラノコレクションA.T.

○プリンス・デヴィット    タイチ●

 

タイチは石狩太一の時と比べると、ずいぶん派手になり、またうまくなった。

レジェンドのライガーが年を感じさせず(見た目は感じようもないが)、元気なのがうれしい。

スピーディーで派手で華やかなジュニアの6人タッグ。

前座としては申し分ない。

 

 

3}<G1 準決勝>

○真壁刀義 P 杉浦貴●

 

前日の矢野との因縁の対決で、大流血した真壁。

パンチだけで傷が開く。

杉浦は小さいが、中邑や後藤と対峙すると、彼らの線が細く見える。

その点真壁はサイズも厚みも勝っていて頼もしい。

流血はハンデだが、ラフな展開は自分の土俵での闘いでもある。

スパイダー・ジャーマンをはずされ、コーナーに宙吊りになって動けず。

膝をやられたかとヒヤッとしたが、間をおいて再トライ。

スパイダー・ジャーマンに続いて、コーナー上からのキングコング・ニー・ドロップでピン。

昨日と同じフィニッシュで、必勝パターンが確立したか。

ファンの声援も味方。

今回の準決勝・決勝の予想はしづらかったが、この時点で真壁行くかも?と思った。

 

 

4}<G1 準決勝>

○中邑真輔 P 棚橋弘至●

 

平成の名勝負数え歌?が準決勝で実現。

昨日のTV解説で、意外にも長州がIWGP王者・棚橋を絶賛。

「できあがっている」(レスラーとして完成されている)

「コンディションがいいのか悪いのかわからない。悪いことがあるのか、と思う」

(悪いときでもそれを見せず、絶好調であるかのように闘う)

「試合をつくっているのは棚橋。(対戦相手・田中将斗との)差はちょっとじゃない」

「今の棚橋と闘うのはしんどい」

などといった感じ(大体)。

マサ斉藤もそうだったが、アナウンサーに合わせず自分の言いたいことを言う長州の

解説は面白い。

プロならではの感覚が独特に感じられ、感心した。

「棚橋は休むときは相手を倒して(=ダウンさせて)から休んでいる」と言ったほめ方は、

他の人にはできまい。

 

さて、棚橋。

序盤は新日本らしくグラウンドの攻防。

スタミナ自慢の棚橋も、アマレスでならした中邑が相手の寝技では、些か疲れたように

見えた。

開始5分辺り、張り手を見舞ってからスタンド中心の攻防にスイッチ。

足攻めに活路を見出そうとする。

しかし中邑は、コーナー上から館内がどよめく雪崩式ランド・スライド。

とどめに膝蹴り(ボマイェ)でピンし、決勝進出。

先の話だが決勝後の表彰式の際、棚橋は病院に行ったとのアナウンスがあった。

この試合後、休憩。

 

 

5}

○田中将斗 邪道 P 後藤洋央紀  井上亘●

 

前年のG1覇者、後藤は休憩明けのタッグ・マッチに出場。

昨日、決勝進出を阻まれた杉浦には、以前にも負けている。

はっきり言って、杉浦はNOAHじゃトップじゃないよね。

ぶっちゃけ、そんな奴に連敗してちゃアレだよね。

しかも、今日も負けた。

壁なのか何なのか知らないが、ぶちやぶれ。

ZERO-1の田中が、エルボー(スライディングD)で井上をピン。

ミスター・ハイテンションも、ヘビー転向後は伸び悩んでいる。

邪道はやせた。

試合後、セコンドの外道が2人組に襲われるハプニング。

その2人が誰なのか、わからなかった。

周りの客もそうだったようだ。

マイク・アピールぐらいしてほしかった。

 

 

6}

○矢野通          中西学

ジャイアント・バーナード P 大森隆男

カール・アンダーソン     金本浩二●

 

入場曲も矢野のもの、コールの最後も矢野で、会社的にはチーム・リーダー扱い。

でも入ってくる順番は矢野が真ん中(バーナードが最後)で、やってる方はそういうつもり

ないみたい(そうだよねえ)。

でもフィニッシュは取らせてもらえた。

メインを前にしたお祭り的な6人タッグには、アンダーソンの小ネタと、バーナードと中西

の肉弾戦がぴったり。

大森のアックス・ボンバーもバーナードに炸裂。

 

 

7}

蝶野正洋 ○永田裕志 P 飯塚高史  石井智宏●

 

昨日の飯塚との公式戦。

乱入を繰り返す石井に、怒りの制裁を加える永田。

止めに入ったレフリーを投げ飛ばして反則負け。

決勝進出を阻まれた。

その翌日のタッグ・マッチ。

荒れに荒れるかと思ったが、そうでもなかった。

蝶野がいたおかげか。

出番がやたらと多かった印象の永田。

おいしいところだけ持って行かれるか?

と、心配?したが、ちゃんと自分でフィニッシュ。

しかしタッグ・マッチで普通にピンとったぐらいで、おさまってはいけないだろう。

永田としては。

G1決勝を前にしたセミ・ファイナルの試合としては、それでいいだろうけど。

夏男・蝶野は、G1公式戦不出場。

やせたなあ。

でも元気で試合をしている、それだけでうれしく思う今日この頃。

もっと若い天山は昨日から欠場。

だからなおさら。

 

8}<G1 優勝決定戦>

○真壁刀義 P 中邑真輔●

 

声援は真壁が多い。

ここ数年、一番がんばったのは真壁。

言いすぎだろうか。

一方中邑は、太ったりやせたり、休んだり出たり、チームに入ったり出たり。

方向性が定まらないようにも見える。

期待が大きかっただけに、些か失望している。

これはわたしの感想だが、他のファンはどうなのだろう。

新日本の伝統として、やはりまずはグラウンドの攻防。

真壁はイメージないが、腕をたぐってバックに回るなど、テクニックも見せる。

しかし、今日はそれではすまない。

包帯をはずされ、絆創膏をはがされる。

血が止まらないまま今日2度目の試合。

タフな真壁もさすがにきつそうに見える。

しかし中邑、攻めても攻めきれず。

決まったかに見えた腕十字を、決めきれなかった。

最後は、これしかない。

スパイダー・ジャーマンからキングコング・ニー・ドロップ。

真壁が初優勝した。

表彰式後のインタビュー。

アマチュアの実績もなくプロ入りし、長く苦労した下積み時代を思い出して涙…

することもなく、いつも通りのキャラで真壁節を通したのが、逆に新鮮ですらあった。

 

大団円は18時過ぎ、8試合でほぼ3時間、いい興行でした。

 

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