2009.9.13(日)全日本・後楽園ホール

FLASHING TOUR2009 開幕戦

 

 

(※P:ピンフォール、ギブアップ)

 大成功に終った8.30両国大会を受けての新シリーズが開幕。

 全日に多い日曜昼間の興行(12時開始)。

 夜は新日本もあり、ダブル・ヘッダーの客もいたことだろう(予は昼間だけ)。

 ほぼ満員。

 大きなスクリーンが設置され、試合前には見所をVTRで見せるので分かりやすい。

 個々の興行で起こった出来事が、次につながって流れができる。

点と点が繋がって線となる。

 しかしそれを、客が理解していなければ意味がない。

 テレビでゴールデン・タイムに全国放送していた頃は、困らなかった。

 今、地上波は地方局で週1回30分の放送は中継というよりは情報番組か。

 (「全日本プロレスマザー」千葉テレビ、テレビ神奈川、岐阜テレビ、KBS京都)

 CS放送(GAORA、サムライ)では中継番組があるが、放送まで間が空き過ぎる。

いずれにせよ見られない人が多かろう。

 地方試合でもスクリーンを設置し、大会毎にVTRを作って流せばいいのだろうが、

そこまでやっていないだろう(TV収録のあるときだけか)。

 試合開始前に F4(小島、KAI、大和ヒロシ)のスピーチがあるのは両国と同じ。

 

1}

スペル・クレイジー ○河野真幸 P カズ・ハヤシ 真田聖也●

 

世界Jr.(カズ対クレイジー)の前哨戦。

クレイジーはニュー・ヨーク・マットでも活躍したメキシカン。

ウェートが増えているようだが、近藤修司よりは軽いだろうから大丈夫なのだろう。

場外で壇上から客席に向かってのムーンサルト・アタックは圧巻。

試合は河野が腕十字で真田から1本(10分17秒)。

 河野は総合に転向していたが、ぱっとせず戻って来た。

 アメリカへ行って、ジョン・シナのコピーでもやれば受けるかもしれない。

 

 

2}

○西村修 P 征矢学●

 

 両国でまさかの長州弟子入り志願?をした征矢。

 長州との接触はその後はないようだが、西村は無我からの追放を宣言。

 袂を別った師弟が、早速の遺恨対決。

 しかしVTRでも煽られたか、ことこの試合に関しては客の方が殺気立っている。

 双方の攻撃に「ぬるい」「もっとガンガン行け」と声が飛ぶ。

 特に征矢への野次がきつい。

 最後は西村があっさり逆さ押さえ込みでピン(9分16秒)。

 いつもなら「らしい」勝ち方と言えるが、反逆した弟子への制裁を期待した客には

肩透かしの感あり。

 

 

3}

○曙太郎 浜亮太 P ジョー・ドーリング● ヘイト

 

今シリーズ、アジア・タッグ挑戦が決まっている相撲コンビ。

ブゥドゥー・マーダーズを一挙に蹴散らして弾みをつける。

と思ったが、序盤ブゥドゥーは代わる代わる曙の足を攻める。

曙はその後反撃、最後はボディ・プレスでピンを取った(7分05秒)が、帰るとき足を

引き摺っていた。 

巨漢コンビは肉弾戦が理屈ぬきに面白いが、弱点を突かれた時の攻防がポイントと

なろう。

 

 

4}

 ○ゾディアック WDQ TARU●

 

 小島にF4入りを誘われ、反則を厭う様になったゾディアック。

 両国ではブゥドゥー・マーダースと仲間割れ。

 闘って絆を取り戻すのがブゥドゥー・ルール、とTARU。

 これで殴り合おう、と椅子を渡すが、ゾディアックは拒否。

 一方的に椅子で、鉄パイプで殴られる。

 やっと反撃、カヴァーに入った所で、ドーリングとヘイトが乱入

4分56秒TARUの反則負け)。

 袋叩きにする所を、F4(小島、KAI、大和ヒロシ)が救出。

 「トゥゲザーしようぜ!」とルー語でF4に誘う小島。

「トゥゲザーシヨウゼ!」とゾディアックも快諾。

 

 

5}

 ○鈴木みのる KO 歳三●

 

 今シリーズ最終戦で船木と一騎打ちが決まった鈴木みのる。

 歳三(土方隆司)ごときは眼中にないか。

 ゴング前に突っかけられ、場外でずっと攻められる展開だったが、スリーパー一発で

逆転。

  2分26秒、レフリー・ストップ。

 

6}

 ○船木誠勝 P 稔●

 

 鈴木に続いて、船木もシングル・マッチ。

 もっともこの試合には独自の意味合いが。

 試合前のビデオで、稔が船木への想いを。

 藤原組で、1度は入団テストに落とされ、1度は練習に付いて行けず辞めさせられた。

 当時の週刊誌の船木のインタビュー。

 「今日も新弟子が1人辞めました(笑)」

 見返してやりたい。

 プロレスではグリーン・ボーイ。

 そうも言っていたが、裏腹に相手の土俵に乗ったか。

 両国とは違いロック・アップから入らず、強烈な張り手(掌打)で間合いを計る船木。

 グラウンドになればポジションの取り合いで目まぐるしく回転。

 Uスタイル?

 中盤、ヘッド・ロックからロープ・ワークを制して、場外の稔にプランチャー。

 かわされて自爆、となったものの(両国のトペと違い)技の失敗ではない。

 プロレス・スタイルにはなったものの、終盤で関節の取り合いになるなど、やはり2人の

闘いだったのだろう。

 フィニッシュは切れ味鋭いバック・ドロップから船木がピン(8分54秒)。

 試合後、船木が稔に何やら話しかけている。

 U系でよく見られた光景。

 握手で和解、と思いきや船木が張り手1発。

 船木は帰り、稔は悔しさを露にする。

 確執は続くようだ。

 でもいい試合だった。

 何気ない回転エビでも、船木は返せないのでは?

 という妙な緊張感があって、スリリング。

 とは言え、本当に新弟子のような試合をする必要はない。

船木もする気はないだろう。

 今日のように、自分のこれまでの経験を生かして、打撃やサブミッションを出し、そして

意表を突くプロレス技をも放つ。

 2試合目を見て、より期待値が高まった。

次はどうなる。

楽しみである。

 

7}

○高山善廣      小島

NOSAWA論外 P KAI

MAZADA     大和ヒロシ●

 

 三冠王者・高山に、小島の挑戦が決定。

 全日正規軍の小島に対し、外敵の高山。

 しかしヒールではない。

 人気も高い。

 挑戦者が王者を追い詰めて、タイトル・マッチはどうなる?

と期待を掻き立てるのが前哨戦の定跡。

 しかし今日は、外敵の王者が本体の挑戦者を追い詰め、勝って声援を浴びる。

お前のより俺の方がすごいぜ!と小島に見せつけるようにラリアットから大和をピン

13分07秒)。

 小島に突き付けられた課題は重い。

 試合後、高山組がさっさと引き上げた後、ブゥドゥー・マーダースが登場。

 今日の今日で早速F4TシャツにF4バンダナでノリノリでセコンドに付いていたゾディアック

(気持ちの切り替えはやっ)を、パスポートをかたにとって脅すと、4対4のタッグ・マッチを

要求。

 前門の虎に後門の狼といった状況でピンチの小島。

 今日は元気なく退場。

 

 

8}

グレ-ト・ムタ ○KIYOSHI P 諏訪魔 近藤修司●

 

 後楽園ホールに降臨のムタ。

パートナーは誰かと思ったら、雷神明のTNAでのリング・ネームの由。

 コスチュームもファイト・スタイルも、ムタのコピー。

 今日見た限りでは、劣化コピー、と言わざるを得ない。

 どれだけ独自のものを出せるか。

 それがないと、少なくとも日本では無理だろう。

 やせた(絞った?)ようで、尚更本家ムタとの体格の差が目立つ。

 フィニッシュはしかしきれいなムーンサルト・プレス(20分46秒)。

 ムタは今日は珍しくアシストに徹した印象。

 

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