2009.9.26(土) 全日本・横浜文化体育館

プロレスLOVE in YOKOHAMAFLASHING TOUR 最終戦

 

 

(※P:ピンフォール、ギブアップ WDQ:反則)

観衆は主催者発表4500人(超満員)。

2階席の端に初めから売らない席があったが、それ以外はほぼ埋まっていた。

ステージ上に大きなビジョンがあって、各試合前にこれまでの流れを映像で説明

するので分かりやすい。

18時開始で終了はほぼ21時。

横浜でのプロレス観戦は10回目。

うち横浜アリーナ6回。

文体は4回目。

 

1}

稔 ○ヘイト P NOSAWA論外 MAZADA●  

 

消火器攻撃からの丸め込みで唐突なフィニッシュ(5分13秒)に、客は「えー」

と不満の声。

世界Jr.挑戦を表明したヘイト。

しかし客の反応は薄い。

 本当にやるのだろうか?

 

 

2}

TARU        ゾディアック

○ジョー・ドーリング P KAI

  歳三        大和ヒロシ●

 

 ゾディアックの引き抜きで、ブードゥー・マーダーズと抗争中のF4。

 大体F「4」なのに3人でスタートしている時点でかなり怪しい。

 9/23後楽園ホールでの4対4キャプテン・フォール・マッチでは勝利した。

 が、大将・小島を欠く今日の6人タッグでは敗れる。

 選手コールで横浜出身と知ったKAIを「親戚や同級生も来てるやろ」とわざわざ

標的にすると宣言するTARU。

 実際あまりいい所を見させなかったのはひどい。

フィニッシュはドーリングがレボリューション・ボム(スパイラル・ボム?)で大和をピン(10分32秒)。

 

 

3}

○長州力 征矢学 P 西村修 真田聖也●

 

8/30両国以来の師弟の愛憎劇。

とうとう「怨敵」長州と組んだかつての愛弟子と対するに至った西村。

征矢の攻めを受けようとせず、きついエルボーやナックルをガンガン叩き込む。

「やり過ぎだ!」との野次も飛ぶ。

しかし本来なら、この攻撃を長州に対して行なうべきではなかったのか?

ひたすら征矢を追いかける内に、試合は長州のラリアットでフィニッシュ(9分40秒)。

西村の長州に対する姿勢は、有言不実行の感があって試合はいつも消化不良。

 

 

4}

武藤敬司   諏訪魔

曙     P 河野真幸●

○浜亮太    近藤修司

 

  9/23後楽園で鈴木みのる・NOSAWA論外組からアジア・タッグ王座を奪取した

大相撲コンビ。

 しかし、まだまだ発展途上。

 敵に捕まり攻められ続ける浜に、カットに入らず「自分で逃げろ!」と叱咤する武藤。

 「親方」の厳しい指導に応え、フィニッシュは浜がリョウタ・ハマー(ジャック・ハマー)で取った

15分25秒)。

 

5 特別試合}

○船木誠勝 WDQ 鈴木みのる●

 

 シングルはこれまで2度だけだという。

 UWFとパンクラスで1回づつ。

 15年振りに、「なかったはずの3回目」(鈴木の言)が実現。

 決別した、とは言え、今は再び、同じ道に立ったのである。

 1対1で直接闘うことで、恩讐を超え、理解し合った2人。

 涙と共に握手し、抱き合い、今後の共闘を誓う。

 目指すは世界タッグ?最強タッグ?

 そんなことを考えていた…が、全然違った。

 初めはU系(アルティメットじゃないよ…と言わねばならぬか)のファイト。

 立っては蹴り、張り手。

 寝てはサブミッション。

 船木はヒール・ホールド等で足を、鈴木は十字で腕を攻める。

 体は船木は筋肉は付けて来ているがまだ細い。

 鈴木はプロレスラーらしくぽっちゃり脂肪が乗って厚い。

 自らの頬を指差し、挑発。

 張り手の応酬が始まる。

 小橋−健介の逆水平合戦のように、無限に意地の張り合いが続くのか…

と思いきや船木があっさり蹴りにチェンジ。

 プロレス文法では、変えた方が負け。

 客からはブーイングもあったが、船木はそれに染まらないでいいと思う。

 ロープ・ワークや飛び技を見せる船木。

 何気ない基本動作が新鮮に見えるのが強み。

 ところが、試合は荒れ出す。

船木がロープ・ブレイクを無視して首を絞めると、失神したか鈴木の動きが止まる。

 起き上がるとお返し。

 止めるレフリーを何度も投げ飛ばして、船木の首を絞め続ける鈴木。

 和田京平はとうとうゴングを要請(10分44秒)。

 鈴木反則負けの裁定に、客が「延長」コールを叫ぶ。

懐かしい、UWF以前の遠い昭和の風景。

 決着はつかず、戦いは続く。

 これが「名勝負数え歌」の始まりであった…ということになるなら素直に脱帽するが、

今や数少ない黄金カードだと思うので、トーン・ダウンすることのないよう大事に扱って欲しい。

 

 

6 世界Jr.}

○カズ・ハヤシ P スペル・クレイジー●

 

注目のシングル2つに挟まれてちょっと条件が悪かったのか?

 激しい攻防ながら、何故かもう一つ盛り上がらない内に終った感のあるタイトル・マッチ。

 パワー・プラトン(CIMAのシュバインのような技)でピン(16分31秒)し、防衛を果たしたカズ

を、試合後ブゥドゥーが急襲。

 ここでもヘイトが挑戦をアピールするが、やっぱり客の反応は今一。

 やんない方がいいんじゃないか?

 宣言書は馳浩PWF会長自らが読み上げた。

 先の衆院選、ご自身は小選挙区で負け、比例代表で復活して何とか議席を守った

が、自民党は大敗して野党に。

 大臣も遠のいてしまったが、とりあえず元気そうで何より。

 

7 三冠ヘビー}

●高山善廣 P 小島聡○

 

8/30両国大会、諏訪魔との激闘の余韻に浸る高山に駆け寄り、挑戦を表明した

小島を「空気が読めない」とこき下ろした高山。

 その日の客には、同感する向きもあったろう。

 だから高山がヒールというわけでもないのだけれど、元より人気者の小島だから、

声援は多い。

 ラリアット封じで右腕を攻める高山。

 小島劣勢の場面が多い。

 高山がストレート(グー・パンチ)からいきなりのエベレスト・ジャーマンで、客は一挙にヒート・アップ。

 全日四天王プロレス以来、山が来てもすぐ決まらず、フォール・カウント2.9を繰り返して

もう一山、二山来させるのが近年のプロレス。

 しかしこの試合では、一度来た山を逃さずそこから畳み掛けて、一挙に決めた。

 高山は膝蹴りや(まさかの)ドラゴン・スープレックス。

 小島はひたすらこだわりのラリアット(但し左打ちも)。

 ガンガンガンと大技の応酬があったが、膝蹴りに来た高山にカウンターの豪腕ラリアットを

打ち抜いた小島がピン(19分30秒)し、王座を奪還した。

 高山を応援していた人も納得のフィニッシュではなかっただろうか。

 ここまで客が大爆発する試合がなかっただけに、まずまずの締めくくりと言える

試合であったろう。

 

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