2010.2.14(日)新日本 両国国技館

Circuit2010 NEW JAPAN ISM

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(※P:ピンフォール、ギブアップ)

 マス席を減らしてアリーナの椅子席を拡充。

 2階は斜めのエリアを黒い幕で覆って使わず。

 (両国の客席は正方形の四隅を小さく斜めに切った不等辺八角形)

 元々席が減らされているためガラガラという印象はないが、満員には遠い。

公式発表6300人は正直な所か。

 17:00開始。

 

1}

獣神サンダー・ライガー  飯伏幸太

○金本浩二    P フジタ“Jr”ハヤト

タイガーマスク      GENTARO●

11分23秒)

 

 Jr.のベルトを失って、タイガーマスクが一番格下の扱いになってしまった

新日豪華トリオ。

 前王者>元王者、とはならないのか。

 初めて見るみちのくのハヤトは、いい蹴りを見せるが線が細い。

 K-DOJOにいそうな感じ。

 飯伏は信じられないようなアクロバチックな動きを見せる。

 GENTAROは、このトリオの中ではベテラン。

新日では2006年にベスト・オブ・スーパーJr.に出たのを見たことがある。

 金本がGENTAROからアンクル・ロックで取ったのは無難な所。

 違う組み合わせのフィニッシュが見たかったが。

 

 

2 IWGP Jr.タッグ}

○田口隆祐 プリンス・デヴィット P 外道● ディック東郷

14分1秒)

 

 怪我人続出の新日Jr.の流れを、試合前ビジョンで要領よく紹介。

 目の負傷でとうとう引退することになったミラノ・コレクションが、王者組アポロ55

のセコンドに付く。

 挑戦者チームも、邪道の負傷欠場で外道のパートナーは「X」と発表されて

いた。

 入場してみると、D東郷。

かわいそうなくらい客の反応がない。

 これならもったいぶらずに早々に発表し、(スケジュールが空いていたらだが)

シリーズにも参加してもらって1試合でも2試合でも試運転してもらい、

前哨戦でもやってもらった方が、盛り上がったのではなかろうか。

 しかしいきなりの参戦でもスムーズな攻防ができる所はさすがである。

 試合は合体の剣山技(ブラック・ホール・バケーション)で王者組が防衛。

 試合後、リング・インしたミラノが外道にスーパー・キックのおまけあり。

 

 

3}

長州力 ●井上亘 P ジャイアント・バーナード○ カール・アンダーソン

9分10秒)

 

 青義軍の「ミスター・ハイテンション」と合体の長州。

 なぜか?やる気満々で、先発を買って出るわ、バーナードをリキ・ラリアットで

場外に叩き出すわ、そのバーナードにプランチャを見舞うわ(ウソだろ?)。

 その長州のアシストを受けて、亘もバーナードにジャーマンを決める(ウソだろ?)

 しかし最後は、外人組の合体技(マジック・キラー)でフィニッシュ。

 

 

4}

○真壁刀義 本間朋晃 P  飯塚高史 石井智宏●

8分34秒)

 

 先に入場した飯塚組…だが、石井しかいない。

 と、ビジョンにバック・ステージのリアル・タイム映像が。

 飯塚が入場前の真壁、本間を襲撃している!

 (こういうのっていいよね!)

チェーン・デス・マッチで何度KOされても、一向に懲りない飯塚。

 果てしなく続く抗争は、今日は(というか今日も)真壁のキンク・コング・ニーで

フィニッシュ。

 

 

5}

○永田裕志 P TAJIRI●

4分42秒)

 

 WWE→ハッスルと渡り歩いたTAJIRIのショーマン・スタイル対、ガチガチ新日

ストロング・スタイルのイデオロギー闘争…とは全然なっていない所が、永田さん

の懐の深い所…と言っていいのだろうか?

 アーム・ブリーカーwithホワイト・アイズ(勝手に命名)で永田が白目…じゃない、

白星をゲット。

 

 

{ミラノ・コレクションAT 引退セレモニー}

 

 透明犬ミケーレと美女を従えての入場、ダンスで始まり。

ミラノらしい明るい華やかな引退式となった。

 リングには上がらなかったがハヤブサが通路をフェンス際まで来て、車椅子

から立ち上がりミラノと握手。

 知らなかったが、ミラノはハヤブサの付き人をやっていたという。

 引退後は医学の道に進むようで、ハヤブサに車椅子のない生活を

させたい、と言う。

 他には、シークレット・ゲストとして師匠のウルティモ・ドラゴンが登場。

 もう10年近く前になるのか?闘龍門のリングに、イタリアン・コネクションの

エースとして逆上陸。

 ミラノ出身…のはずだったのに、実は岩手県出身でした、とカミング・アウト

したときの衝撃は忘れられない。

 この若さで引退は残念。

 本人も無念であろうけれど、その気持ちを出さずに、最後まで明るく

ファンを楽しませてくれた。

 第二の人生、第二の「イタリア革命」に期待し、エールを送りたい。

 

 ここで休憩。

 

 

 

 

6 IWGPタッグ}

裕次郎 ○内藤哲也 P テリブレ テハノJr.

10分37秒)

 

 ノー・リミットの初防衛戦、挑戦者チームは髪切りマッチで破れ坊主にさせられた

因縁の相手。

 メキシカンにしてはでかくてごつく、ワイルドな風貌。

 王者組の方が小さくて、動き回って細かい反則など小悪党といったファイト。

 これはメキシコそのままなのだろう。

 正直客の反応はもう一つといった所だが、慣れて来ればよくなるのでは

ないか。

 指で目玉を広げてみせる内藤のポーズはよい。

 フィニッシュは低空3Dといった感じの合体技(リミット・レス・エクスプロージョン)。

 

 

7 ハードコア・マッチ}

●後藤洋央紀 P  田中将斗○

15分45秒)

 

 後藤は田中にタッグで破れ(09.8.30)、シングルで破れ(11.8)、2度目の

シングルで勝った(12.5)。

 一方、NOAHの杉浦貴にはあっさりシングル3連敗(09.6.20、8.15、10.1.4)。

 これが田中には面白くない。

 凶器攻撃ありのハードコア・ルールで再戦となった。

 結果は、鉄パイプ入りの弾丸エルボー(スライディングD)で田中の勝ち。

 後藤は、いくらなんでも負け過ぎだろう。

いくらいい試合をしたって、こんなに負けてはいけないだろう。

 これからどう立て直すのか。

 果たして立て直せるのか?

 

 

8}

○棚橋弘至 P  矢野通●

14分4秒)

 

 なぜか髪切りがテーマのこの試合。

 矢野は試合中も鋏を持ち出し、棚橋の額を割る。

 棚橋はハイ・フライ・フローで勝ったものの試合後、髪を一房バッサリ切られて

しまった。

 次はいよいよ本当の髪切りマッチか?

 

 

9 IWGP}

○中邑真輔 P  中西学●

18分2秒)

 

 双方が相手の技を逃げずに受け合うタフガイ・コンテスト的でも、防御し潰し

合う総合格闘技流でもない。

相手の技は受けまくり、自分はボマイェだけで勝つ。

それが中邑の目指すスタイルか。

 中西は持てる技を出し尽くした。

それで負けるのは、得意技を封じられて負ける以上に屈辱的という

見方もできよう。

 天龍のように受けの強さを、三沢のように受けの上手さを見せるわけ

ではない。

 線の細い中邑は、受けると弱々しく見える。

 体をごつくしようとした時期もあったが、諦めたのだろう。

 ランド・スライドも、エルニーニョもやめた。

 ボマイェという毒針のみをひたすらに磨き、一刺しで殺す。

 相手はそれを警戒し、対策を練る。

 中西は、坂口との特訓から、荒鷲掴み→中西御殿、という反撃方を

編み出した。

 ただ、中西御殿は一回失敗してやり直したようでもある。

 何が中西御殿かわからないので、はっきりしないが。

 (そこら辺りが、中西のセンスのない所でとても残念なのである。)

 中邑も、口では色々言いながらもこれに乗って「ボマイェ返し返し」

(試合後のインタビューでの表現。右膝をフェイントにして荒鷲掴みを防ぎ左膝

でボマイェ)を出す(この後の右のボマイェがフィニッシュとなった)。

 武藤のシャイニング・ウィザードのように、連発するようにはなってほしくない。

ただでさえ似ているのだから。

オフェンス(相手のディフェンス)ではこのように一撃必殺の緊張感を出そう

としているのだろうけれど、ディフェンスでは色々な技を受けまくる、今や

スタンダードなタフガイ・コンテスト的な流れ。

つまりそこの所は棚橋と変わらない。

猪木のまねをしろとは言わないが、相手によっては一方的に叩き潰して

もいいのでは。

序盤に隙があって、ボマイェが入ってしまえばそうなるはずである。

会場の反応が悪かった試合後のスピーチだけれど、今日はまあまあ反応

がよかった。

ただ、これで終りなのかまだ続き(のしゃべり)があるのかわからない所

で終わる所はこれまで通り。

棚橋の「愛してまーす」も、初めは笑われながらも言い続けて定着

させた。

試合もそう。

同じ方向に努力を続けて、今のクオリティに辿り着いた。

キャリアが積み重なっている。

一方中邑は、誰よりも早くスタート・ダッシュを切りながらも、その後方向が

定まらないままあっちこっちさまよって伸び悩んだ印象。

だからこそ焦っているのだろうけれど、ここは腰を据えて、同じ方向に

努力を重ねて行ってほしい。

猪木の名前を口にしたりでもっと大きなことを考えているのかと思って

いたが、そうでないのならそうでよい。

地道にでも着実に進んで行ってほしい。

 

※新日本プロレスオフィシャルWebサイトより、中邑のスピーチ

「今日は(リングに)上がって来る奴、いねぇんだな。チャンスだぞ、オイ。

自重してんのか? プロレスラーが。まぁ、いいや。頑張ってるとか、支持が

あるとか、待望論があるとか、どうでもいいね。リングは、リングの中は力

だろ! このベルト、IWGPが欲しかったら、かかって来い!!」

 

 

9試合、詰まらない試合が1つもなくいい大会であった。

会場を出たのは20:50ぐらいだったか。

外でTAJIRIがサインをしたりファンと写真を撮ったり、妙に熱心にサービスに

努めていた。

何か魂胆があったのかもしれない。

 

 

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