2011.6.18(土)新日本 大阪府立体育会館

DOMINION 6.18

 

 

 

 

 

 

(※P:ピンフォール、ギブアップ)

 雨だったけれどもよく入った。

 南側が入場ゲートで席をつぶしていたけれど、他は埋まっていた。

公式発表は6200人、満員札止め。

 18:00開始だが、17:30頃から「仮面ライダーオーズ・ショー」があった。  

 

 

1}

○金本浩二 P 高橋広夢●  (3分4秒)

 

 ヤング・ライオンが敢然とベテランに挑むも短時間で玉砕。

逆片エビ固めでフィニッシュ。

 試合が終っても広夢に容赦なく張り手や蹴りを入れる金本。

 若手への叱咤、愛のムチに見えない所が金本の人柄。

 

 

2}

獣神サンダー・ライガー   邪道

タイガーマスク      P  外道

KUSHIDA         ブライアン・ケンドリック○  (8分33秒)

 

 邪外のパートナーはキラーラビットと発表されており、実際入場しては

来たのだが、花道で邪外にボコボコにされる。

代わりに呼び込まれたのが元WWEのケンドリック。

もっとも外道はマイクで「ブライアン・スパンキー」と言っていたような。

(スパンキーはZERO-ONE時代のリング・ネーム)

新日初登場でフィニッシュを取ったが、多くの客は誰だかわから

なかったようだ。

外道は口が立つのだから、もうちょっと丁寧な説明をすべき

だったか。

 

 

3 CMLL世界ウェルター}

●田口隆祐 P マスカラ・ドラダ○  (8分26秒)

 

 場外の田口にノータッチ・トペ・コンヒーロをかました後、今度はロープを

踏み上がってのトペコンを狙って足をロープに引っ掛け、そのまま

場外に真っ直ぐ落下したマスカラ・ドラダ。

 とっさに回転して足からは落ちたものの、怪我したのではないか

と場内騒然。

 しかし間を置いてもう一度トライし、今度は成功すると大歓声。

 なぜか初めから上手く行くよりも客の心を掴んだようで、まさかの

王座奪取にも大歓声で祝福を受けた。

 

 

 

 

 

4}

天山広吉   飯塚高史

○永田裕志 P 田中将斗

井上亘    石井智宏●  (9分12秒)

 

 飯塚は一人だけ花道ではなく客席になだれ込んでの入場。

 場内を一周の後、放送席を襲撃。

 服を脱がされたTV朝日の野上アナは、裸にネクタイで実況と

なった。

 飯塚は真面目にトレーニングしているようで、いつもいい体を

している。

 しかし相手は今絶好調の永田。

 明日(6/19)は全日・両国大会で三冠に挑戦。

 バック・ドロップ対決がテーマの諏訪魔戦に一日早く、

バック・ドロップ・ホールドで石井を抑えて勝利。

しかし試合後、元青義軍で海外修行中だった平澤光秀が

乱入、永田を襲う。

紐で首を絞め、ロープで宙吊りに。

まさかの裏切りに永田の反応が知りたい。

「巨人の星」では飛雄馬の父・一徹が中日の監督となり、

敵の立場で息子を鍛える、という無茶な展開があったが、これは

その逆バージョン。

敢えて師を裏切り、敵として闘うことで学ぶものもあるはずだ!

というのはどうでしょう。

 

 

5}

●内藤哲也 P 高橋裕二郎○  (11分12秒)

 

 日本、メキシコでトップを取ったタッグ屋が残念ながら仲間割れ。

 早速行われた一騎打ち。

 元々シングル志向が強かった内藤。

既に実績も残しているが、今日は裕二郎に完敗。

 気が入りすぎてか技の正確さに欠ける所もあったが、好勝負で、

裕二郎のシングルも行ける、と評価できるであろう。

 セコンドのコンプリート・プレイヤーズ(邪道外道、田中将斗)が試合中は

手出ししなかったのもよかった。

 もっとも試合後は内藤、更には助けに来た本間朋晃を袋叩きに。

 内藤と本間が組むのか。

 あちこちで新しい流れが生まれつつある。

 この試合から場内のビジョンで煽りVTRが流された。

 

 

 

 

 

 

 休憩。仮面ライダーGIRLSが新曲を披露。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6 IWGP Jr.ヘビー}

●プリンス・デヴィット P 飯伏幸太○  (13分49秒)

 

 1.4東京ドームの再戦。

 しかしその間に挑戦者は「BEST OF THE SUPER Jr.」優勝と

いう肩書きを得ている。

 かつてミッド・アトランティックのドル箱カード、リッキー・スティムボート対

ジミー・スヌーカ戦は、「試合時間の半分は空中を飛んでいる」と

言われた。

 もちろん過剰表現だけれど、今それを言うならならこの試合か。

 勢いに乗って飯伏が至宝を奪取。

フィニッシュのフェニックス・スプラッシュは、寝かせた相手にコーナー上から

プレスする技だけれど、その途中で何回どのように回転している

のかわからない。

 

 

7}

真壁刀義 ●小島聡 P 鈴木みのる○ ランス・アーチャー 

12分39秒)

 

 鈴木みのるが全日を離れ、新日に転戦。

 先に同じルートをたどっていた、小島を標的に。

 その過程でなぜか、小島と真壁が合体。

 ラリアットとキングコング・ニー、超獣コンビの再来…となるか。

 今日は小島対鈴木がメイン、ということか、一歩引いてアシストに回った

感のある真壁。

 しかしハンセンとブロディは、同格の両雄並び立つタッグ・チームであった。

 真壁も新日のトップ。

 後輩だからと遠慮せず、小島を押しのけるぐらいでやってほしい。

 今日の初戦は、鈴木がゴッチ式パイル・ドライバーで小島をピン。

 パートナーのアーチャーはこれまた元WWEの由。

2m超の大男で、チョーク・スラムなど迫力があった。

 侮れない。

 

 

8 IWGPインターコンチネンタル}

MVP P 矢野通●  (10分50秒)

 

 新設ベルトの日本初御目見えだが、二人とも何かもたもたしている。

 今日は試合数も多いので、特に前半試合をした選手は飛ばして

いた。

 この試合のためと思うと残念である。

 インパクトなく丸め込みでフィニッシュ、王座防衛。

 あーあと思っていたら試合後、矢野がMVPを襲って鋏で髪を切る。

 突然のシリアスな展開、唐突感が半端ない。

そこまでやってインパクトなしはもったいないし、MVPも可哀相。

 

 

9 IWGPタッグ・GHCタッグ}

○ジャイアント・バーナード カール・アンダーソン P 高山善廣 佐野巧真●

12分3秒)

 

 史上初のIWGP、GHC両タッグのダブル・タイトル戦。

 新日本・菅林社長と並んで、立会人としてリングに上がったNOAH

の仲田龍GMにひどい野次が飛ぶ。

 GHC王者組が攻める展開が多かったものの、ここぞという時の

動きが悪い。

 一例を上げれば、ずっと捕まっていたアンダーソンがようやくタッチ。

 バーナードが出て高山を蹴散らし、次いで佐野…だがこの出が遅い。

 かつてブルーノ・サンマルチノは、年齢が行くと共に腰痛もあって減量し、

動きが悪くならないように努めた。

 太っていても動けるなら何も言わない。

 どちらが二冠王にふさわしいチームか。

 結果は勝つべきチームが勝ったと思う。

 バッド・インテンションズはよくがんばっていた。

 

 

 

10 IWGPヘビー}

○棚橋弘至 P 後藤洋央紀●  (25分28秒)

 

 シングル戦績は後藤の5戦全敗。

 そう聞くとさすがに今日勝たないとまずいのでは、勝つのではと

思う。

 実際、「裏昇天」が決まった時は、勝ったかと思った。

 しかし、それで負けるのが後藤。

 田中将斗にも杉浦貴にも負け続けた。

 今日も負け。

 試合後コーナーにへたり込んでいる姿をみていると、

「負けが似合う男」というフレーズが頭に浮かんだ。

 勝者がいれば、必ず敗者もいる。

 すばらしい試合をすれば、今のファンは負けても評価してくれる。

 バーナードがアンダーソンとリング・イン。

 棚橋の防衛を祝福した後、挑戦を表明。

 「俺もお前達のタッグ・ベルトに挑戦する」とやり返す棚橋。

 しかしアンダーソンに「パートナーがいないだろ」と突っ込まれて、頭を

抱える。

 そこで館内から後藤コール。

 「今決めた!パートナーは後藤だ!」棚橋が叫ぶと、まだコーナーに

へたり込んでいた後藤がその安直さに?苦笑い。

 ここら辺りはかなり強引な展開。

 しかしそれを許容するファンの支持が今の新日本にはある。

 皆満足していた、と思う。

 他が帰ってインタビュー。

 エア・ギター。

 「愛してまーす!」

 それで終わらない。

リングをゆっくり一周してリング・サイドに集まったファンとスキン・シップ。

握手し、ハイ・タッチし、抱き合う。

差し出されたタオルで汗を拭いて返す。

花道に上がっても変わらない。

沿道のファンと。

やっと入場ゲートに到達、ポーズ。

引っ込む。

まだ終わりません。

バック・ステージでのインタビューがすぐ始まり、ビジョンに映し出される。

所々笑いを取りつつ、ファンへの感謝を口にする。

猪木なら、こうしたファン・サービスを「客に媚びている」と言うだろう。

しかし、自然に、好きでやっている、と思わせる棚橋のキャラクター

が、わたしにそう感じさせない。

棚橋がコーナーに駆け上がると、それで客の盛り上がりが

クライマックスに達する。

ハイ・フライ・フローという技をそこまで持って行ったのは、ひとえに

棚橋が信念を持ってそれを使い続けた積み重ねの結果である。

初めは失笑を買った「愛してまーす!」の締めも、そのちゃらい

キャラクターも同様である。

今や堂々たるエースとして、頭一つ抜け出たと言えるであろう。

そこで思うのが、今日姿を見なかった一人の男のことである。

中邑真輔はメキシコ遠征中で出場しなかった。

が、はっきり言ってその穴を今日は感じなかった。

いなくても物足りなく感じなかったのである。

これでいいのか?

客にそう言われて、中邑よ、それでいいのか?

エースでないなら棚橋の下ということだぞ。

後藤について言うと、「裏昇天」は荒業ではあるが「昇天」の

ようには無理がなく、今後は精度をより高めてこちらの方を

使って欲しい。

また「牛殺し」は危険だと常々思っていたが、今日の雪崩式は

より危険で、使わないで欲しい。

掛け手が技をコントロールできないのはだめだと思う。

それから、だぶだぶの袴のような今日のコスチュームは、見るからに

やりづらそうで気になるので感心しない。

今後は棚橋のパートナーとして、猪木が馬場と、天龍が鶴田と組んだ

時のように、とりあえずは半歩下がるけれどもそれによってステージ

を上げて行って、やがては追いつき追い越すというつもりでがんばっ

て行ってほしい。

 

全部終わったのは22:10ぐらいだったか。

長かったけれども大満足の興行でした。

 

追記

 

2011-06-21

「後藤ちゃん、ナイス!! 」棚橋弘至、vsバーナードへ威風堂々の

二夜明け会見動画アップ!! 

http://www.njpw.co.jp/news/detail.php?nid=5846

 

新日本プロレス・オフィシャル・ウェブサイトより。

「後藤ちゃん、ナイス!!」は仮面ライダーオーズの登場人物のセリフ。

 

中邑の他にこの大会に出場していない選手。

中西学選手は、試合中に頭を打って治療のため欠場を続けている。

早くよくなって元気な姿を見せて下さい。待っています。

 

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