1910 「世紀の決戦」とコナン・ドイル


ニューヨーク・タイムズ  December 16, 1909
http://select.nytimes.com/gst/abstract.html?res=F70C13F73C5512738DDDAF0994DA415B898CF1D3


DOYLE NOT TO BE REFEREE.
ドイルは行司をせず。

Novelist Declines with Regret Invitation for Jeffries-Johnson Fight.
Special Cable to THE NEW YORK TIMES.

小説家は遺憾としつつジェフリーズ対ジョンソン戦への招聘を断る。
ニューヨーク・タイムズへの臨時電信。

 LONDON, Dec. 15.―Sir Arthur Conan Doyle has received a cable dispatch from the committee in charge of the arrangements of the Jeffries-Johnson fight asking him to act as referee. Although the author of “Rodney Stone” is greatly pleased by the offer, he has replied regretting his inability to accept.
 Just now Sir Arthur is busy rehearsing his “Drama of Prize Ring, the House of Temperley,” which is to be produced at Adelphi Theatre Dec. 27.

 ロンドン、12月15日。―アーサー・コナン・ドイル卿はジェフリーズ対ジョンソン戦準備管理委員会より彼にレフェリーを務めるよう依頼する電報を受け取った。「ロドニー・ストーン」の著者はその申し出に大いに喜んでいるけれども、彼は残念ながら受けられないと返答した。
 まさに今アーサー卿は彼の「プライズ・リング劇、テンパリーの館」の稽古に忙しい。アデルフィ劇場で12月27日に上演される予定。



 黒人初のボクシング世界ヘビー級王者、ジャック・ジョンソンに対し、引退していた不敗の元王者、ジェームス・J・ジェフリーズが「白人の優位を示す」としてカム・バック。1910年7月4日に挑戦試合が行われました。
 ジャック・ロンドンが“The Fight of the Century”(世紀の決戦)と名付けたこの一戦に、同じくボクシング好きで有名な作家、コナン・ドイルがレフェリーとして招かれる話があったようです。レフェリーは結局、プロモーターのテックス・リッカードが自ら務めました(そういう例は他にもあり、珍しいことではなかったようです)。


The World of Holmes シャーロック・ホームズの世界
http://www5.ocn.ne.jp/~shworld/
シドニー・パジェット(Sidney Paget)の挿絵の世界
http://homepage2.nifty.com/shworld/03h_s_paget/s_paget.html

 コナン・ドイルのボクシング小説「ロドニー・ストーン」と「クロックスリーの王者」は、シャーロック・ホームズものと同様に英国の「ストランド・マガジン」にパジェットの挿絵付きで掲載されました。上記のすばらしいサイトでその挿絵とあらすじが紹介されています(もちろんホームズものの挿絵もたくさんあります)。
 “The House of Temperley”は「ロドニー・ストーン」を元にした劇で、映画にもなったようです。



Chronicling America: Historic American Newspapers
http://chroniclingamerica.loc.gov/
The San Francisco call(サン・フランシスコ・コール)  February 6, 1910
http://chroniclingamerica.loc.gov/lccn/sn85066387/1910-02-06/ed-1/seq-7/;words=referee
(マウスを左クリックからドラッグして、赤い所をページ真ん中辺りに持って行き、ZOOM「+」で拡大して下さい。)

 Sir Arthur Conan Doyle has declined to referee the Jeffries-Johnson fight. It would be amusing to have Bernard Shaw invited. His letter of refusal would be worth reading.

 アーサー・コナン・ドイル卿はジェフリーズ対ジョンソン戦のレフェリーを断った。バーナード・ショーに依頼していたら面白かったであろう。彼の断りの手紙は読む価値があったであろう。



 バーナード・ショーにも拳闘家が主人公の小説「キャッシェル・バイロンの職業」があります。

Cashel Byron’s Profession
 From Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Cashel_Byron%27s_Profession



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