2012.6.16(土)新日本 大阪府立体育会館

DOMINION 6.16

 

 

 

 

 

 

 

昨年に続き雨の土曜日。DOMINIONを見に大阪へ。

 南側が入場ゲートで席をつぶしていたけれど、他は埋まって

いた。

 アリーナに椅子をびっしり並べ、2階の上に立ち見も急遽

入れていた。

 (17:30頃行ったら大人は立ち見だけしか売っていなかった)

公式発表は6850人、掛け値なしの超満員札止め。

詰まらない試合がなく、大いに盛り上がって、最高の大会

だった。

 

 

1}

プリンス・デヴィット  飯伏幸太○

KUSHIDA   P ケニー・オメガ

BUSH       佐々木大輔

10分48秒)

 

 オープニングはJr.の豪華な6人タッグ。

 DDTの飯伏が久々に新日登場。

 怪我から復帰したばかりとは思えない相変らずのミラクル・ムーブ。

 (その場飛びカンクーン・トルネードなど)

 皆いい動きで見せ場を作っていた。

 佐々木大輔は知らない選手だったけれど、ブーイングを受ける

いい仕事をしていた。

 (足をすくって飛び技を阻止するなど)

フィニッシュはシットダウン式ラストライド。

デヴィットが、ダイビング・フットスタンプで自分の左足を痛めた模様。

終盤は戦線離脱し、試合終了後肩を借りて早々に引き上げた。

 

 

2}

永田裕志         YOSHI-HASHI

井上亘        P 石井智宏○

●キャプテン・ニュージャパン   ロッキー・ロメロ

9分26秒)

 

 平澤が青義軍に復帰…なのか?

キャプテン・ニュージャパンとしてかつての仲間と組んだ。

しかし不安に思ってか、なかなかタッチしない永田と亘。

 パートナーが敵に捕まってなかなかタッチできずじりじりする、

というのはよくあるが、仲間に疎外されて?というのは珍しいか。

 やっと永田がタッチしてくれて、スパート。

 したのはいいが、永田のキック誤爆から、石井に垂直落下式

ブレーンバスターでピンされた。

 仲間割れ…はとりあえずせず、いっしょに帰って行った。

 今日は黄色の全身タイツで、「黄色―!」と声援が飛んでいた。

 永田は、かつての全日における馬場のポジションに近づいて

いる感もあるが、石井との張り合い、エルボー合戦等でまだまだ

ハードな闘いができることを見せていた。

 見所の一つ、ロメロの一人連続串刺しラリアット。

 最後はYOSHI-HASHIと和解し、仲良く交互に。

 YOSHI-HASHIは凱旋帰国がオカダ・カズチカといっしょになって、

割を食っている感があるが、腐らず頑張って欲しい。

 

 

3 IWGP Jr.タッグ王座決定戦}

獣神サンダー・ライガー ○タイガーマスク P  TAKAみちのく● タイチ

9分20秒)

 

前王者組の返上により空位となった王座を争う。

 前哨戦でタイチがライガーのマスクを破壊、つのを折って持ち帰る

暴挙に。

 怒りのライガー、今日はシルバーのコスチュームで登場。

 だが今日もタイチが角を折り取り、マスクをはぐ。

 あらわになった素顔…はしかしペイントが!

 タイチに、TAKAに赤の毒霧噴射。

 テーブルを持ち出し、タイチを据えて、棒状の金属凶器で思い切り

突き刺す。

 間一髪タイチがよけたが、凶器はテーブルの板を深々と貫通。

 (半分ぐらい板の下に飛び出していた)

 刺さったままのテーブルに、タイチをパワーボムで叩き付ける。

危ないことこの上ない。

 (刺さった所には落ちなかったが)

 フィニッシュはタイガーが、タイガー・スープレックスでTAKAから取った。

 ホラー・モードのままのライガーに、タイガーが通常の赤マスクを渡す。

 これをかぶって人間に戻った?ライガー。

ご機嫌で壊れたシルバー・マスク、そのとれた角を次々と客席に

投げ入れるファン・サービス。

面白かったが、タイトル・マッチとしてはどうか。

 

 

4}

カール・アンダーソン ●タマ・トンガ P MVP シェルトン・ベンジャミン○

10分19秒)

 

 外人だらけのタッグ・マッチ。

 しかし皆日本人受けするすべを心得ており心配無用。

 アンダーソンは「ゴメンナサーイ!」と叫びながらセントーン。

 MVPは「ボーリン」エルボー。

 トンガとベンジャミンは、ヘビーでありながら跳躍力が素晴らしい。

 トンガが、スヌーカ・ムーブの前から後ろからリープ・フロッグ。

ベンジャミンが、ペイ・ダート(飛び付きDDT)でトンガをピンして

フィニッシュ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5 IWGP Jr.ヘビー}

○ロウ・キー P 田口隆祐●

12分32秒)

 

 ベストオブスーパーJr.を制して、田口が王座に挑戦。

 その決勝で敗れたロウ・キーにとっては、リベンジ・マッチ。

 どちらも勝ちたい闘いは一進一退、勝敗が最後まで読めな

かった。

 田口渾身のどどんを、膝へのフット・スタンプで返し、サソリ固め。

 雪崩式を狙う田口を落として宙吊りにさせ、コーナー・トップから

フットスタンプ。

ロウ・キー、王座防衛。

 試合後、飯伏がエプロンまで上がり、つたないカタカナ英語で挑戦

表明。

 ロウ・キーも日本語で返す(しかも声が渋い)。

 「オマエノケツヲ、ブットバシテヤル!」

 盛り上がるリングを尻目に、ひっそりと控室へ戻って行く敗者の

姿はいつも切ない。

 

 10分間の休憩。20時頃再開。

 

6 IWGPタッグ選手権試合}

▲飯塚高史 矢野通 WRO 小島聡 天山広吉▲

2分41秒)

{再試合}

▲飯塚高史 矢野通 NC 小島聡 天山広吉▲

12分26秒)

 

 超満員の客席になだれ込んで、ぐるりと館内を一周する飯塚。

 迷惑がる客もいるだろうが、多くの人にとっては究極のファン・

サービスではなかろうか。

 後ろの方から段々と放送席に近付いて行って野上アナを襲う。

 なかなかリングに来ないので、天コジが場外に下りて乱闘を

始める。

 

 ゴングが鳴っても誰も上がって来ないので、レフェリーが20カウントを

数えてしまった。

「両者リングアウトは王者の防衛なんだよ!」

ベルトを手にマイクで毒づく矢野。

意外に計算づくであった模様。

しかし「菅林社長・IWGP実行委員長裁定で再試合とします!」

とアナウンス。

不満げな王者組、客はやんやの喝采。

再試合も荒れた試合で、両軍椅子を持ち出してノー・コンテストに。

1回目は誰も一度もリング・インしていないので、試合時間が

20秒でないとおかしい。

 

 

7}

後藤洋央紀 ●内藤哲也 P 中邑真輔 田中将斗○

13分28秒)

 

 …プロレスの神様、俺は学生時代アマレスで鳴らし、期待されて

新日本に入団、早々にIWGPも取り、総合格闘技もやり、海外

にも遠征し、アントニオ猪木にも喧嘩を売り、必殺技も開発しました。

それなのに、あなたの子であるこの俺よりも、ちゃらい棚橋の方

が人気があるみたいです。どうしたらいいのでしょうか?教えて

下さい…

 「くねくねせよ」

…え?

 

 棚橋の努力の方向性を発想することは難しくなかろう(実行は

ともかく)。

 くねくねする、という発想をした中邑こそが真の天才であろう。

 しかもストロング・スタイルを崩すことなく、くねくねを実行している。

努力は勿論だが、センスがあるのであろう。

 類い稀な素質を持ちながら今一つ方向性に悩んでいたように

見えた中邑が、吹っ切れて今のスタイルを確立したことと、その

スタイルそのものに、支持と賞賛を表します。

 

 この4人は技量申し分なく、試合は客の期待を裏切らない。

 ただ見て楽しめばよいタッグ・マッチ。

 ただ内藤が攻められる場面が多い上に、フィニッシュを取られた

のは残念。

田中がスライディングDでピン。

 

 

8}

○真壁刀義 P 鈴木みのる●

16分21秒)

 

 因縁の喧嘩マッチ、ということで、タッグ王座戦のようになるかと

危惧したが、意外とじっくりした試合に。

 みのるがヒール・ホールドを多用し、真壁の足を破壊。

 しかし必死に耐えた真壁が、一度はかわされたキングコング・ニー・

ドロップを連発で決めて勝利。

 半ば体を起こした所に一発目、うつぶせの後頭部にニ発目。

 

 

9 IWGPヘビー}

●オカダ・カズチカ P 棚橋弘至○

28分6秒)

 

 2月の大阪府立でオカダがIWGPを取った。

 多くの人が番狂わせと思ったであろう。

 それまでは大した実績なし。

 インタビューは外道任せ。

 王者にふさわしいものを現時点で持っているのか。

 今日はそれを見に来た。

 持っている。

 それが結論。

 (今日負けてしまったけれど)

 身長がある。

 それを生かす闘いができる。

 突き上げるようなエルボー・スマッシュは、腕を真っ直ぐ上げて

終わる。

その高さがリングに這う相手とのコントラストを生じさせる。

(今日は相手が棚橋で受けもうまかったのだけれど)

 ドロップ・キックが素晴らしい。

 当代随一ではなかろうか。

 コーナーに担ぎ上げて下から突き上げる。

驚くべき跳躍力。

(リング下に転げ落ちる棚橋の受け身ももちろんうまい)

しかし通常のカウンターのドロップ・キックも、スピード、打点の高さ、

飛形の美しさ、どれも素晴らしい。

コーナー・トップからのダイビング・エルボーも飛距離があった。

 技も豊富。

 レイン・メーカー(リストを取ってのラリアット)の他にも、ツームストン・パイル

ドライバー、担ぎ上げて落とす技などフィニッシュ級の技が幾つか

あってフィニッシュが読めないし、ジャベもあって攻撃のペースを

変える事ができる。

 態度もふてぶてしく落ち着いている様に見え(内心はわから

ないが)、間が空くことを恐れない。

 スタミナも難はないようだ。

 後は外人と闘って客を沸かせられれば申し分なかろう。

 G1が楽しみである。

 入場時のお札が降る演出もかっこよかった。

 もちろん今日は相手が棚橋であるから、誰でも名勝負には

なったかもしれない。

 しかしこの試合は、名勝負を超えた。

 年間最高試合の最有力候補であろう。

棚橋が膝を攻め、オカダの反撃もあったが、テキサス・クローバー・

ホールドで一つの山を迎えた。

オカダがこれは耐えたが、ついにハイフライフローが出る。

うつ伏せで一発、仰向けに直してもう一発。

棚橋の必勝パターンだが、ニ発目はオカダが膝を立ててカット。

自分の膝もまた痛めるのだけれど、今日はオカダ防衛か、

と思わせた。

 ツームストンに行く。

 フィニッシュか?

 しかし棚橋が体をシーソーさせ、逆にツームストンを完璧に決めた。

 再逆転。

 今度こそのハイフライフローでピン。

 王座奪回を果たした。

 インタビューしようとすると、田中将斗と真壁がリングに。

 先に挑戦を表明した田中を、真壁が「顔じゃねーんだよ!」

と一喝。

因縁ある2人で挑戦者決定戦をやればよかろう。

 「俺の(連続防衛)記録を破れるのは、俺しかいない!」

 エア・ギター3連発。

 なおもアンコールする客に「次の大阪では4回やる」と約束。

 「愛してまーす!」

 なおも棚橋劇場は続く。

 

が、わたしはやむなく会場を去った。

 22時頃、外は土砂降り。

 タクシーに飛び乗る。

 20分弱、2500円弱で新大阪駅へ着き、22:30発の新幹線

名古屋行き最終に間に合った。

 

 

 

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