2016.1.30(土)新日本・後楽園ホール

Road to THE NEW BEGINNING

 

 

 

 

 

 

客入りの公式発表、超満員札止め1806人。

18:30試合開始。

 

1}

○デビッド・フィンレー(逆エビ固め)川人拓来●

4分38秒}

 

2}

●ジェイ・ホワイト(パワーボム)YOSHI-HASHI○

6分20秒}

 

3}

天山広吉      永田裕志

○小島聡  (ラリアット)中西学●

獣神サンダー・ライガー タイガーマスク

10分34秒}

 

4}

●矢野通 桜庭和志(グラネード)バッドラック・ファレ○ 高橋裕二郎

6分55秒}

 

5}

KUSHIDA       内藤哲也

田口隆祐   (EVIL)EVIL○

●キャプテン・ニュージャパン BUSHI

8分57秒}

 

6}

真壁刀義         ケニー・オメガ○

本間朋晃(ランニング・ニー)カール・アンダーソン

マイケル・エルガン       ドク・ギャローズ

●ジュース・ロビンソン      コーディ・ホール

11分43秒}

 

7 中邑真輔壮行試合}

棚橋弘至                  中邑真輔

後藤洋央紀(垂直落下式ブレーンバスター)オカダ・カズチカ

●柴田勝頼                  石井智宏○

21分48秒}

 

 超満員は、中邑真輔の新日ラストマッチだったから…ではない。

 皆その発表前に、チケットを買ったはず。

 土日の後楽園のチケットは、あっという間に売り切れる。

 そこまで人気が戻って来た。

 その最大の立役者の一人は、間違いなく中邑。

 中邑がいなければ、新日はつぶれていた…かもしれない。

 そして今は、中邑がいなくても、つぶれない…所まで、持って来た。

 だからこそ、中邑は新日を離れる決断ができたのだろうし、ファンも引き止めず温かく送り出そうとしている。

 そう、会場は温かかった。

 裏切り者とののしる者も、行くなとすがる者もいなかった。

 涙をこらえて…あるいは涙を流しながら…声援を送り、その勇姿を記憶に焼き付けようとしていた。

もっとも、引退するわけではない。

まだまだ応援することはできる。

新日のトップは世界のトップであることを示してほしい。

 

 大会としては決して中邑一色ではなく、2/11大阪、2/14長岡の「THE NEW BEGINNING」2大会の前哨戦の意味合いが多分に含まれていた。

 メインも後藤はオカダ、柴田は石井を意識して闘っていた(IWGP、NEVERのタイトル戦をそれぞれ控える)し、フィニッシュにも中邑は絡まなかった。

またメイン終了後、中邑の返上したICの王座決定戦に出場するケニー・オメガが現れて、中邑に絡み出すと、棚橋が割って入り、王座決定戦の相手「X」が自分だと明かす。

大いに盛り上がったものの、暗黒期を支えたツー・トップの別れの場面としてはあっさりした感もあった。

 しかし、中邑がいなくなっても新日はまだまだ続くのだから…ということであろう。

 最後の中邑を送り出す場面にも、出て来るのが新日の選手全員でもおかしくなかったものの、CHAOSだけであったのも、控え目な感じであった。

 

(公式webサイトより、中邑のスピーチ。)

http://www.njpw.co.jp/match/detail_result_game2.php?e=1081&c=8327

「なんか言ったほうがいい!? どうしよっかなぁ〜〜!!」

「新日本プロレス、闘ってきた選手、仲間、そして応援してくれるみんな、本当に・・・本当にありがとう。ここで、生まれ、育ち、培ってきた中邑真輔を、まだ見ぬ世界にぶつけて来ます!! レスラーとして生きてるかぎり! 物語は続いてきます。だから! 『さよなら』は、言いません。ただ・・・ありがとう。え〜、以上です・・・。ウッソーーー!!!! なに言うかわかってんだろ!? お前ら!! 答えはこうだ!! イヤァオ!!!!」

http://www.njpw.co.jp/match/detail_result_game2.php?e=1081&c=8328

「一番、一番スゲェのは!!!! プロレスなんだよー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

これまで中邑について書いて来たことを抜き書きする。

 ただし、2006年より前の記述はリアルに日記に書いたものなので、大したことは書いていない。

 試合カードが書いてあればいい方。

 ただ、カードだけ見ても、中邑がデビューから特別な扱いを受けて来たことがわかる。

 本人はそれで悩み苦しんだこともあったろう。

 未熟なうちからファンの注目を浴びるのは重荷でもあったろう。

 しかしそのおかげで、わたしなどもずっと中邑を見て来られたし、特別な思い入れができたのも事実である。

 なお、中邑がデビュー(2002.8.29日本武道館、安田忠夫戦)する少し前の新日の状況については、こちらに少し書いている。

 

猪木が悪いという根拠 2002.6.20

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/45818391/

 

 ここら辺りから新日は迷走が始まって、いわゆる「暗黒期」へと突入して行く。

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/90375164/

2003.1.4(土) 新日本 東京ドーム

8.○中邑小原 P 安田● 村上

 

※P:ピンフォール、ギブアップ

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/44448958/

2003.8.14(木) 新日本 宮城県スポーツセンター

 

 14日は東京は通過したのみ。仙台駅で下車し、バスで宮城県スポーツセンターへ行って、新日本プロレス(G1クライマックス)を観戦。

 …

注) … 試合については何にも記載がなく、思い出せもしない。ただ、中邑への声援がすごく、未来のエースとして全国でファンが期待しているのだなあ、と感じた覚えがある。ただし、あれほど早くIWGP王者になろうとは、当時は思っても見なかった。

 この稿2006.9.17

 

(※中邑はこの日、G1公式戦で安田に勝ち。2003.12.9、天山からIWGP奪取。)

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/15683189/

10.13(月=祝) 新日本 東京ドーム 

<イリミネーションマッチ>

○真猪木軍(高山藤田鈴木中邑サップ)2人残り(天山永田中西棚橋坂口)新日本軍●

 

11.3(月=祝) 新日本 横浜アリーナ

○中邑 サップ P 中西 西村●

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/13494387/

2003.12.31     格闘技 TV観戦記

K−1は良かったけど、IWGP王者・中邑をコケにしたのが許せない。TV朝日に対しても失礼。イノキ・ボンバイエも、藤波まで出て、丸きり新日本だし。

 

(※TBS放送の「K-1ダイナマイト」でイグナショフ戦、初めTKO負けの裁定だったが無効試合に)

 

(※2004.1.4東京ドームで高山とIWGP・NWF統一戦。勝利したもののその後ドクター・ストップで王座返上。)

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/72660697/

2004.8.14(土) 新日本 両国国技館

両国で、新日本プロレス観戦。G1予選最終日。明日の決勝は行かない。

Aブロック ▲中邑 DRO 蝶野▲

 

DRO:両者リングアウト

 

2004.8.15(日) 

 

 TVで見た結果がコレ。

 

       W

       天

       山

  棚         天

  橋         山

棚   天     天   柴

橋   龍     山   田

   健 天  天  中

   介 龍  山  邑

           蝶 中

           野 邑

 

注)この日、テレビ朝日で生中継があった。

 前日の記述にもうかがえるが、わたしとしては新三銃士が優勝を争い、新しい時代を切り開く…と思っていた。中邑、柴田、棚橋と3タテして天山が優勝したのには、だからかなり驚いた。

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/14587361/

2005.1.4(土) 新日本 東京ドーム

 1.4はお昼には上京して、恒例の新日東京ドーム大会観戦。史上最低の入りだったが、試合は企画倒れの「アルティメット・ロワイヤル」をのぞけば良かったと思う。

 

注)主要カード

IWGP・U30>○中邑 P 棚橋●

<アルティメットロワイヤル決勝>○ウォーターマン P 永田●

<巴戦>○蝶野 P 長州●

      ○蝶野 P 天山●

 

(※2006.1.4東京ドームでは、藤田の代打としてレスナーのIWGPに挑戦して負け。その後渡米する。)

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/83278566/

2007.2.18(日) 新日本 両国国技館

Circuit 2007 NEW JAPAN ISM

 

○中邑 P 真壁●

 中邑は「絶対王者」になるべく、興行成績が苦しい中、渡米して練習だけしていた、と思っていたが、帰国後、王者にもなれず、東京ドームでは川田にも負けた。これでいいのか。

 この後王者になってもインパクトないではないか。もったいないと思う。がんばっている真壁(いつの間にかWEW王者)には申し訳ないが、中邑には意味のないカードで、秒殺でよいと思っていたが、結構苦戦していた。

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/56306699/

2008.1.4(金)新日本 東京ドーム

レッスルキングダムU in 東京ドーム

 

10.{IWGPヘビー}

●棚橋弘至 P 中邑真輔○

 

 ここまで各試合とも長からず短からず、テンポよく進行し、盛り上がって迎えた東京ドームのメインイベント。

 カードは新日を背負う若手2人の純血対決。

 珍しく棚橋が攻める展開。

 まだ完治しない左肩を攻められ悶絶する中邑。

 しかし、中邑が攻められる展開は珍しくない。

 いつものペースで闘ったせいか?中邑が最後はランドスライドの連発でピン。

 ハードルの上がった状況で客を沸かし、内容も伴った試合で棚橋からIWGP王座を奪取した。

 余韻に浸る間もなく、IWGP 3rdベルトを抱えたアングル登場。

 統一戦を叫ぶ中邑。

 英語で反論するアングル。

 若い日本女性の通訳が、その言葉を語感まで忠実に訳す。

 つまり、女性通訳が中邑に罵声を浴びせる。

 …この人何者?

 恐るべしTNA、こんな人材を発掘・登用していたとは!

 今後の展開にますます目が離せなくなって来た…

 リング上がこんなになっている間に、前チャンピオン・棚橋はひっそりと、セコンドの肩を借りて控え室へと向かっていた…

 思えば中邑がアメリカへ行って、試合もせずに練習だけしていたときも、怪我をして休んでいたときも、棚橋は新日本のリングで闘い続け、先頭に立ってリングを守っていたのである。

 それを思うと、その姿はあまりにかわいそうであった。

 しかし、めげない男であるから、またトップを目指して闘うことであろう。

 …

 

(※2008.4.27、武藤に敗れて失冠、IWGPが全日本に流出。)

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW090104/

2009.1.4(日) 新日本 東京ドーム

レッスルキングダムIII  in 東京ドーム

 

10}

○中邑真輔 後藤洋央紀 P 三沢光晴 杉浦貴●

(15分17秒 飛び付き腕ひしぎ逆十字固め)

 

 最近は、ひたすらエルボーを打つばかりで試合運びが単調な三沢。

 しかし、こういう殺気立った対抗戦では、それが生きる。

 ガッツンガッツン肘を当てればドームがどよめく。

 最後は取られた杉浦だが、大いに強い所を見せて満足であったろう。

 新日本は勝っても辛勝、という印象では不満だろう。

 さて、次はあるのか?

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW090816/

2009.8.16(日) 新日本・両国国技館

フィールズPresents G1 CLIMAX 2009

 

4}<G1 準決勝>

○中邑真輔 P 棚橋弘至●

 

平成の名勝負数え歌?が準決勝で実現。

昨日のTV解説で、意外にも長州がIWGP王者・棚橋を絶賛。

「できあがっている」(レスラーとして完成されている)

「コンディションがいいのか悪いのかわからない。悪いことがあるのか、と思う」

(悪いときでもそれを見せず、絶好調であるかのように闘う)

「試合をつくっているのは棚橋。(対戦相手・田中将斗との)差はちょっとじゃない」

「今の棚橋と闘うのはしんどい」

などといった感じ(大体)。

マサ斉藤もそうだったが、アナウンサーに合わせず自分の言いたいことを言う長州の解説は面白い。

プロならではの感覚が独特に感じられ、感心した。

「棚橋は休むときは相手を倒して(=ダウンさせて)から休んでいる」と言ったほめ方は、他の人にはできまい。

 

さて、棚橋。

序盤は新日本らしくグラウンドの攻防。

スタミナ自慢の棚橋も、アマレスでならした中邑が相手の寝技では、些か疲れたように見えた。

開始5分辺り、張り手を見舞ってからスタンド中心の攻防にスイッチ。

足攻めに活路を見出そうとする。

しかし中邑は、コーナー上から館内がどよめく雪崩式ランド・スライド。

とどめに膝蹴り(ボマイェ)でピンし、決勝進出。

先の話だが決勝後の表彰式の際、棚橋は病院に行ったとのアナウンスがあった。

この試合後、休憩。

 

8}<G1 優勝決定戦>

○真壁刀義 P 中邑真輔●

 

声援は真壁が多い。

ここ数年、一番がんばったのは真壁。

言いすぎだろうか。

一方中邑は、太ったりやせたり、休んだり出たり、チームに入ったり出たり。

方向性が定まらないようにも見える。

期待が大きかっただけに、些か失望している。

これはわたしの感想だが、他のファンはどうなのだろう。

新日本の伝統として、やはりまずはグラウンドの攻防。

真壁はイメージないが、腕をたぐってバックに回るなど、テクニックも見せる。

しかし、今日はそれではすまない。

包帯をはずされ、絆創膏をはがされる。

血が止まらないまま今日2度目の試合。

タフな真壁もさすがにきつそうに見える。

しかし中邑、攻めても攻めきれず。

決まったかに見えた腕十字を、決めきれなかった。

最後は、これしかない。

スパイダー・ジャーマンからキングコング・ニー・ドロップ。

真壁が初優勝した。

表彰式後のインタビュー。

アマチュアの実績もなくプロ入りし、長く苦労した下積み時代を思い出して涙…

することもなく、いつも通りのキャラで真壁節を通したのが、逆に新鮮ですらあった。

 

(※棚橋がIWGP返上し、2009.9.27、王者決定戦で真壁に勝つ。)

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW091108/

2009.11.8(日)新日本・両国国技館

クアーズ ライト Presents DESTRUCTION'09

 

9 IWGP}

○中邑真輔 P 棚橋弘至● ※防衛

 

 10度目のシングル対決、とのこと。

 G1準決勝での中邑戦で負傷。

 敗れずして王座返上を余儀なくされた棚橋にとって、挑戦は当然の権利。

 迎え撃つは、王者決定戦で真壁相手にG1決勝の雪辱を果たした中邑。

 言わば必然の対戦なのであるが、ことこの2人の対決としては、個人的には機が熟さず、の感あり。

 今の新日本の切り札である。

 安直には切って欲しくない。

 満員の会場でやらなければいけないカード。

 今日そうならなかったことは、早過ぎる再戦だったことの証しでは。

 CAOS入りしたが、単なるヒール転向、の感はない。

 「狙うはアントニオ猪木ただ1人」など、物議を醸す中邑の言動。

 ボマイエ(膝蹴り)などの打撃や関節技一発で決まる、緊張感のある試合が目指す所か。

 今日は長州絶賛の試合巧者・棚橋に引っ張られて、山あり谷ありの客が沸く試合になったが、ハイ・キック→パンチ→ボマイエ各1発のフィニッシュ(22分47秒)は、四天王プロレスを見慣れた者にはあっさりしたものと感じた。

 が、中邑としてはこれでいいのだろう。

 試合後リング上でのインタビュー。

「過去と闘って何が悪い!昔を越えようとして何が悪い!未来は俺が作る!生きたいように生きる、なりたい自分になる。それがプロレスラーだろ?」

次期挑戦者には、永田を指名。

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW091205/

2009.12.5(土)新日本・愛知県体育館

Circuit2009 NEW JAPAN ALIVE

 

9  IWGP}

○中邑真輔  P 永田裕志●

19分39秒)

 

 シングルの好カードが続いたが、客の期待は群を抜いて一番であったろう。

 結論から言うと、

(真壁風に)中邑さんよぉ、

(長州風に)これがお前のやり方か?

 中邑のストロング・スタイルとはこういうものなのだろうか。

 流血あり、ナックル・パンチの連打からフィニッシュ。

 試合後のインタビュー、

アナ「ストロング・スタイル最強者決定戦にふさわしい試合でしたが」

中邑「未来を創るということは、過去を葬り去ることではない」云々

やり取りが、浮いて聞こえる。

 現実から乖離した大言壮語に聞こえた。

 本当に望んだ闘いがこれなのか。

 満足してるんだろうか。

 そうでないことを期待したい。

 悩んで試行錯誤している、と思いたい。

 細かいことを言うと、まずナックル・パンチが様になっていない。

 猪木の「ナックル・アロー」と比較にならない。

 フィニッシュのボマイェがクリーン・ヒットしていなかった。

 これは永田がよけたのかもしれないが、一撃必殺の技がクリーン・ヒットしなかったらだめだろう。

 元々、やられて受け続けてカウンター狙いのスタイル。

 強い人とやると今もそう。

 それはいいのだけれど、一撃で倒した後に自分もいっしょに倒れていたら、前と変わらない。

 永田には勝ち誇って見下すぐらいでないと、過去を超えるなんて遠くないか。

 過去の歴史の壁は恐ろしく分厚いぞ。

 次の相手(1.4東京ドーム)については、「上の世代で挑戦する奴いないか」と言っていたので、かつてIWGPで連敗している武藤へのリベンジ・マッチか?

他にドームのメインにふさわしい相手が浮かばない。

しかし前年とかぶる(2009は武藤−棚橋のIWGP)のがネック。

「ホーガン」という客の声もあったが、今のホーガンといい試合はできまい。

本当に過去と闘う、と言うのならホーガンをボマイェで伸ばすぐらいしないと、とは思うが。

色々書いたけれど、見に行ったのを後悔するような試合ではなかった、とフォローしておく。

普通の基準ではいい試合だった。

中邑には期待しているから。

が、今のままなら棚橋に負けてる。

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW100104/

2010.1.4(月) 新日本 東京ドーム

 レッスルキングダムW  in 東京ドーム

 

10 IWGP}

○中邑真輔 P  高山善廣●

15分51秒)

 

 ボマイェからピンして中邑の防衛…だが。

 膝蹴り、ナックル・パンチ、ジャーマン・スープレックス。

 どれをとっても、高山の方が迫力がある。

 もちろんスピード、スタミナなど中邑が上回る点はあるのだけれど、それよりも一発の重みが目立つ試合。

 一撃必殺でなければ、ボマイェはシャイニング・ウィザードとかぶってしまわないか。

 試合後、中西がリング・インして中邑に突っかかったが意味不明。

 中邑のインタビューも、激戦の後で声が出ないのか小声で聞き取りづらい。

 何やらかっこいいことを言っていたが、客には伝わっていなかったのではないか。

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW100214/

2010.2.14(日)新日本 両国国技館

Circuit2010 NEW JAPAN ISM

 

9 IWGP}

○中邑真輔 P  中西学●

18分2秒)

 

 双方が相手の技を逃げずに受け合うタフガイ・コンテスト的でも、防御し潰し合う総合格闘技流でもない。

相手の技は受けまくり、自分はボマイェだけで勝つ。

それが中邑の目指すスタイルか。

 中西は持てる技を出し尽くした。

それで負けるのは、得意技を封じられて負ける以上に屈辱的という見方もできよう。

 天龍のように受けの強さを、三沢のように受けの上手さを見せるわけではない。

 線の細い中邑は、受けると弱々しく見える。

 体をごつくしようとした時期もあったが、諦めたのだろう。

 ランド・スライドも、エルニーニョもやめた。

 ボマイェという毒針のみをひたすらに磨き、一刺しで殺す。

 相手はそれを警戒し、対策を練る。

 中西は、坂口との特訓から、荒鷲掴み→中西御殿、という反撃方を編み出した。

 ただ、中西御殿は一回失敗してやり直したようでもある。

 何が中西御殿かわからないので、はっきりしないが。

 (そこら辺りが、中西のセンスのない所でとても残念なのである。)

 中邑も、口では色々言いながらもこれに乗って「ボマイェ返し返し」(試合後のインタビューでの表現。右膝をフェイントにして荒鷲掴みを防ぎ左膝でボマイェ)を出す(この後の右のボマイェがフィニッシュとなった)。

 武藤のシャイニング・ウィザードのように、連発するようにはなってほしくない。

ただでさえ似ているのだから。

オフェンス(相手のディフェンス)ではこのように一撃必殺の緊張感を出そうとしているのだろうけれど、ディフェンスでは色々な技を受けまくる、今やスタンダードなタフガイ・コンテスト的な流れ。

つまりそこの所は棚橋と変わらない。

猪木のまねをしろとは言わないが、相手によっては一方的に叩き潰してもいいのでは。

序盤に隙があって、ボマイェが入ってしまえばそうなるはずである。

会場の反応が悪かった試合後のスピーチだけれど、今日はまあまあ反応がよかった。

ただ、これで終りなのかまだ続き(のしゃべり)があるのかわからない所で終わる所はこれまで通り。

棚橋の「愛してまーす」も、初めは笑われながらも言い続けて定着させた。

試合もそう。

同じ方向に努力を続けて、今のクオリティに辿り着いた。

キャリアが積み重なっている。

一方中邑は、誰よりも早くスタート・ダッシュを切りながらも、その後方向が定まらないままあっちこっちさまよって伸び悩んだ印象。

だからこそ焦っているのだろうけれど、ここは腰を据えて、同じ方向に努力を重ねて行ってほしい。

猪木の名前を口にしたりでもっと大きなことを考えているのかと思っていたが、そうでないのならそうでよい。

地道にでも着実に進んで行ってほしい。

 

※新日本プロレスオフィシャルWebサイトより、中邑のスピーチ

「今日は(リングに)上がって来る奴、いねぇんだな。チャンスだぞ、オイ。自重してんのか? プロレスラーが。まぁ、いいや。頑張ってるとか、支持があるとか、待望論があるとか、どうでもいいね。リングは、リングの中は力だろ! このベルト、IWGPが欲しかったら、かかって来い!!」

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW100320/

2010.3.20(土) 新日本 愛知県体育館

Circuit2010 NEW JAPAN CUP 〜The Perfect Generalist〜

 

6}

 ○中邑真輔 P ストロングマン●  (9分9秒)

 

 IGFから移籍(引き抜き?)したストロングマン。

(しかしもうちょっと気の利いた名前はなかったのか?)

 3.14後楽園では、初出場でいきなりメインのシングル戦。

 古くはジェシー・ベンチュラ、最近ではジョシュ・バーネット並みの扱いだが、試合はどうだったのか。

(そういえばどちらも新日では成功しなかったが…)

 見ていないので何ともいえないが、今日の中邑戦は楽しみにしていた。

 シングルの公式戦が続く大会で、特別試合もシングル、というのは珍しい。

 1回戦の結果に基づく、今日のカードが弱いと見てのてこ入れか?

 確かに今日の客入りは、新日の名古屋にしてはもう1つだった。

 ストロングマンはプロレスのキャリアはあまりないようだが何しろあの体、パワーだけはあり、かえって中邑の望む闘いができる相手、と見たのだが…

 実際はリフト・アップ(重量挙げジャークの形と三角締めを持ち上げるのと2回)からのスラム、という見せ場もありの一進一退の攻防の末ボマイェでフィニッシュ、という言わば昨今普通の試合。

 もっと短い時間で「捕まえられたらやられる」といった緊張感のより高い試合ができたように思うのだが。

 

(※2010.5.3、真壁に敗れてIWGP失冠。)

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW100815/

2010.8.15(日) 新日本・両国国技館

Powered by HEIWA G1 CLIMAX XX 〜20th Anniversary〜

 

2 G1公式戦 Bブロック}

△中邑真輔 DRW 潮崎豪△ (30分)

 

 まじめなさわやか好青年といった感じの潮崎に対し、最近の中邑はやさぐれた感じ。

 髪も髭も伸ばし、へらへら笑っているし何かふらふらしてる。

 しかし闘い方は、やられ続けてカウンター狙いの従前通りのもの。

 激しい攻防に客が沸き続ける内に、みるみる時間がなくなる。

 残り3分、2分…とアナウンスされる中で、ギブ・アップ狙いの技を掛けるのはいただけない。

 中邑の三角絞めは、かっちり入った所を見たことがないので、掛けてもさっぱりはらはらしない。

 潮崎もお付き合い?で最後逆片エビに行っていたが、その前に出していた丸め込み技の連発はよかった。

 時間が切迫しているときは、ピン・フォール狙いの方がはらはらする。

 もっとも、真夏のシングル連戦で体力も限界に達し、フォールして返して、の攻防をするスタミナが最後はもうなかったのかもしれない。

 NOAHと新日本、両団体を背負って立つ2人の闘いに今回決着を見なかったことが、今後の展開につながると考えれば、これでよかったのかもしれない。

 この結果、両者とも決勝進出がかなわなかった。

 そうした意味合い抜きで、内容だけ見ればこの日のベスト・バウトであろう。

 潮崎はチョップ1発で大会場の客も沸かすことができる。

ちょっと小さいけれど、パワーもスタミナもセンスもあって顔もいい。

 NOAHのヘビー級は、いずれ彼を1人エースにすべきであろう。

(※早速22日のNOAH有明大会で二人が時間無制限で対戦の旨が発表された)

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW110104/

2011.1.4(火) 新日本 東京ドーム

レッスルキングダムX  in 東京ドーム

 

9}

○中邑真輔 P 潮崎豪●  (14分17秒)

 

 ここから3つのシングルは、去年もやって新鮮味はないけれど、高い内容が確実なカード。

 中邑は去年の1.4ドームは、王者としてメインを張っていた。

 2010年はそのまま行くかと思っていたが王座を陥落、再び挑戦も失敗した。

 わたしも中邑については批判的であったけれど、あのままやらせて見たかったとも思う。

 今日はセミ前の位置で、ボマイェで潮崎とのリベンジ・マッチに勝利。

 試合前のVTRで潮崎も言っていたが、新日とNOAHで似たような所にいる2人。

 エースを期待されながら、もう一つ足踏みの感。

 それぞれの団体のみならず、プロレス界のために、2011年こそ2人とも突き抜けて欲しい。

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW110618/

2011.6.18(土)新日本 大阪府立体育会館

DOMINION 6.18

 

10 IWGPヘビー}

○棚橋弘至 P 後藤洋央紀●  (25分28秒)

 …

猪木なら、こうしたファン・サービスを「客に媚びている」と言うだろう。

しかし、自然に、好きでやっている、と思わせる棚橋のキャラクターが、わたしにそう感じさせない。

棚橋がコーナーに駆け上がると、それで客の盛り上がりがクライマックスに達する。

ハイ・フライ・フローという技をそこまで持って行ったのは、ひとえに棚橋が信念を持ってそれを使い続けた積み重ねの結果である。

初めは失笑を買った「愛してまーす!」の締めも、そのちゃらいキャラクターも同様である。

今や堂々たるエースとして、頭一つ抜け出たと言えるであろう。

そこで思うのが、今日姿を見なかった一人の男のことである。

中邑真輔はメキシコ遠征中で出場しなかった。

が、はっきり言ってその穴を今日は感じなかった。

いなくても物足りなく感じなかったのである。

これでいいのか?

客にそう言われて、中邑よ、それでいいのか?

エースでないなら棚橋の下ということだぞ。

 …

 

 

 

 

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW110806/

2011.8.6(土) 新日本・愛知県体育館

ブシロード PRESENTS G1 CLIMAX XXI

 

4 G1公式戦 Bブロック}

●井上亘 P 中邑真輔○ {12分29秒}

 

 今日のベスト・バウト。

中邑は相変らずふにゃふにゃしている。

さらにロープ・ブレイクの後、亘の頭をぺしぺし叩くなど相手を小馬鹿にする態度でブーイングを浴びる。

ナチュラル・ヒールの道を歩き始めた模様。

場外で亘にスピアーを食らって脇腹を痛める。

ボマイェを狙ってキッチン・シンクで返された所で場内すごい盛り上がり。

裏拳のようなエルボーが中邑の顔を痛打、これは勝てるんじゃないか、と思った所で亘がスピアーで決めに行くと、今度は中邑がボマイェでカウンター。

連発で決めてフィニッシュ。

負けたが亘は客の声援に応えて頑張った。

試合開始早々グラウンドになったが、亘も結構うまい。

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW110814/

2011.8.14(日) 新日本・両国国技館

ブシロード PRESENTS G1 CLIMAX XXI

 

11 G1 優勝決定戦}

●内藤哲也 P 中邑真輔○  (20分19秒)

 

 どっちが勝っても初優勝。

 序盤、リープ・フロッグからドロップ・キックを決めた内藤だがこのとき膝を痛めたか。

 しかし逆に中邑の左膝に的を絞る。

 ニー・クラッシャー、武藤張りのコーナー・トップからの低空ドロップ・キック(って言い方変?)。

 足へのキー・ロックという感じのジャベ。

 しかしそれでも、中邑はその膝に賭ける。

 久しぶりのランド・スライド?も膝の上に落とす。

 ボマイェでフィニッシュ、悲願の初優勝。

 試合中は相手を小馬鹿にするような態度を見せてブーイングを買っていた中邑だが、勝利者インタビューでは素直にファンに「ありがとう」と感謝を口にする。

 IWGP王者時代とは違い、今日のスピーチは短くて率直的な感じで、あらかじめ考えて来たことをしゃべっているようでなくて良かった。

 久しぶりに「一番すげーのは…プロレスなんだよ!」が出て大団円。

 リングを下りても、リング・サイドを回ってファンと共に喜びを分かち合う。

 ちょっと棚橋っぽいけれど好感。

 退場後、バック・ステージでのテレビ用インタビューがスクリーンに映し出されたが、そこではまたかっこつけたようなことをペラペラしゃべっていたようだけれども、よく聞き取れず。

ちょっと客が静かになったけれど、IWGP挑戦宣言が出てまた沸いた。

 棚橋エース路線で、両国を札止めにするまで戻って来た新日本。

 だけれども、この男が棚橋の下のポジションに安住するようでは面白くない。

 また、今日は負けたけれど、内藤へのファンの期待もまた大きい。

 今日勝っても不思議には思わなかったであろう。

 

 

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2011.12.4(日) 新日本・愛知県体育館

NEW JAPAN ALIVE 2011

 

9}

●内藤哲也 P 中邑真輔○

 (13分15秒)

 

 名勝負となったG1決勝戦の再戦。

 神の子と呼ばれた早熟の大器、中邑真輔が、試行錯誤、迷走の末に、ようやっと固まったキャラクターが、今の変な髪形とクネクネした動き、大口叩いて相手を小馬鹿にし、膝蹴りを中心とした攻撃的なヒール・スタイル。

 しかしかつての若き日の、期待値込みの評価と比べても、今の中邑が一番ファンに支持されている、と思う。

 G1では全試合が称賛され、初優勝が歓迎された。

 今日も特に終盤は館内大爆発。

 内藤の畳み掛ける攻撃も素晴らしかったが、返して返してボマイェ一発でフィニッシュ。

 ボマイェでのフィニッシュは、完全にファンに受け入れられた。

 一発で決まるので、終盤目が離せず、スリリングになる。

 怪我の功名で、膝を右脚から左に変えてからかえって技の安定感が増したように思う。

 もちろん内藤もよくてこその名勝負。

 内藤は棚橋戦が名勝負数え歌と思っていたが、どうしてどうして中邑戦が上かもしれない。

 

 

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2012.1.21(土) 新日本 後楽園ホール

NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2012

 

5}

○内藤哲也         中邑真輔

獣神サンダー・ライガー P 高橋裕二郎

ディアマンテ         メフィスト●

13分33秒)

 

 ブラックキャット・メモリアル・マッチ。

 奥さんと息子さんがリング・イン。

 「ネコさんに今年の新日本のジャージを着てもらう」ということで、ジャージが渡され息子さんが着る。

 ライガーは東京ドームに続いて全身シルバーの白獅子?スタイル。

 ディアマンテはでかく、身体能力も高いようで跳躍力もあるが、技術はまだ粗め。

 飛び技を成功させることに集中して、そこまでの流れが型をなぞるだけ。

組体操の印象で、闘いに見えない。

 パワー・スラムを失敗、裕二郎が頭から落ちて戦線離脱。

 もっともこの技は一概に攻め手が悪い、とは言えないか。

 裕二郎も序盤ライガーとの絡みで受け身のタイミングがずれていたので、不調もあったのか。

 裕二郎はずっと場外にエスケープしていたが、ディアマンテが中邑にプランチャを見舞った際に巻き添えを食い(受けに参加)、また頭を打ったようで心配。

 中邑はマスク(頭巾?)を被って入場するなどノリノリ。

 くねくねヒールぶりはすっかり板について生き生きとしている。

 内藤との感情的とも思える絡み(執拗な頭部への蹴りなど)に客もヒート。

裕二郎を心配する客の注意をリング上に引き戻した。

 フィニッシュは内藤がスターダスト・プレスでメフィストから取ったが、その後も中邑にやられていた。

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW120122/

2012.1.22(日) 新日本 後楽園ホール

NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2012

 

5}

棚橋弘至   中邑真輔

内藤哲也 P オカダ・カズチカ

●ディアマンテ    メフィスト○

14分24秒)

 

 昨日は入場時だけだったマスクを、試合が始まっても脱がない中邑。

 内藤と対峙する。

 表情が見えなくても、くねくねした動きだけで、内藤を小馬鹿にする態度を表現するのは素晴らしい。

 攻撃されてもだらんとロープにもたれかかるだけ、一切反撃せず。

 怒った内藤がマスクを剥ぎ取り、張り手をかますや、一転怒りモードで叩き潰しにかかる。

とにかく中邑‐内藤が熱いので、IWGP王座戦を控えた棚橋‐岡田の絡みがあまり目立たない。

ただ岡田は、昨日は試合後に決めたツームストンを、今日は試合中に棚橋に決めた(ピンはならず)。

 ディアマンテはアクロバチックな動きが受けていたけれど、やはり組体操的な印象はやや残る。

 フィニッシュは意外にメフィストが取った。

 コーナー・トップからのペディグリー(雪崩式ダブル・アーム・フェイス・バスター)でピン。

 

 

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2012.6.16(土)新日本 大阪府立体育会館

DOMINION 6.16

 

7}

後藤洋央紀 ●内藤哲也 P 中邑真輔 田中将斗○

13分28秒)

 

 …プロレスの神様、俺は学生時代アマレスで鳴らし、期待されて新日本に入団、早々にIWGPも取り、総合格闘技もやり、海外にも遠征し、アントニオ猪木にも喧嘩を売り、必殺技も開発しました。

それなのに、あなたの子であるこの俺よりも、ちゃらい棚橋の方が人気があるみたいです。どうしたらいいのでしょうか?教えて下さい…

 「くねくねせよ」

…え?

 

 棚橋の努力の方向性を発想することは難しくなかろう(実行はともかく)。

 くねくねする、という発想をした中邑こそが真の天才であろう。

 しかもストロング・スタイルを崩すことなく、くねくねを実行している。

努力は勿論だが、センスがあるのであろう。

 類い稀な素質を持ちながら今一つ方向性に悩んでいたように見えた中邑が、吹っ切れて今のスタイルを確立したことと、そのスタイルそのものに、支持と賞賛を表します。

 

 この4人は技量申し分なく、試合は客の期待を裏切らない。

 ただ見て楽しめばよいタッグ・マッチ。

 ただ内藤が攻められる場面が多い上に、フィニッシュを取られたのは残念。

田中がスライディングDでピン。

 

 

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2012.8.4(土) 新日本 愛知県体育館

カードファイト!! ヴァンガードPRESENTS NJPW 40th anniversary Tour

G1 CLIMAX 22 〜The One And Only〜

 

5 Bブロック公式戦}

○中邑真輔 P ランス・アーチャー●  (12分11秒)

 

 アーチャーは2mあるが動きもよく試合もうまい。

 スタミナも問題なさそう。

 でかい人は受ける時もたつき感が出るが、多少は仕方あるまい。

 攻めには迫力があって緊張感が出る。

 ボマイェ狙い→手を伸ばして受け止めチョーク・スラム狙い→飛び付き腕十字で返すの展開は見事。

 アーチャーがチョーク・スラムを決め、ムーンサルト・プレスまで出すと、これを間一髪かわした中邑が、コーナーからダイブ→ノーマルのボマイェ連発でフィニッシュ。

 昨年の覇者が3戦目にして初白星を上げた。

 中邑のくねくね→ボマイェ(膝蹴り)の流れはすっかりファンに受け入れられて、ショーン・マイケルズの足踏み→スィート・チン・ミュージック(スーパー・キック)の域に近付く勢い(筆者調べ)。

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW120805/

2012.8.5(日) 新日本 大阪府立体育会館

BODY MAKER コロシアム〜

カードファイト!! ヴァンガードPRESENTS NJPW 40th anniversary Tour

G1 CLIMAX 22 〜The One And Only〜

 

7 Bブロック公式戦}

○中邑真輔 P オカダ・カズチカ●  (16分16秒)

 

同じCHAOSの仲間だけれど、オカダがいきなりIWGPを取り、後輩の後塵を拝さなければならなかった中邑の心中や如何に。

今日はその鬱憤が爆発するか?

確かに中邑の攻めもきつかった。

が、オカダもやられっぱなしではない。

変に意識も、気後れもすることなく、他の相手と変わらぬ闘いをしていたように見えた。

エルボー合戦では中邑に勢いがあり、オカダの気合負けのようにも見えたが、根性比べに乗らないのが、オカダの個性かもしれない。

突き上げるエルボー・スマッシュなど、別の形でやり返す。

ボマイェにその場飛びドロップ・キックでカウンターを決める。

打点の高さ、タイミングのよさ、飛形の美しさ。

いいアングルで真横から見られ、今日来た甲斐があった。

フィニッシュはボマイェで取られ、中邑が先輩の貫禄を見せた格好。

 しかし見下したり叩き潰す感じでなく、対等なライバルとして競い合う感じの試合でよかった。

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW120812/

2012.8.12(日) 新日本 両国国技館

カードファイト!! ヴァンガードPRESENTS NJPW 40th anniversary Tour

G1 CLIMAX 22 〜The One And Only〜

 

2 Bブロック公式戦}

○天山広吉 P 中邑真輔●  (12分48秒)

 

 日本中どこでも天山人気は健在。

客の後押しに奮起、必殺のボマイェにフライング・ヘッドバッドをカウンターで合わせ、ツームストンからムーンサルト・プレスで勝利。

 中邑は決勝進出ならず、2連覇の夢を断たれたが、今年のG1も名勝負製造機として評価を不動のものとしたのではなかろうか。

 

 

http://www7a.biglobe.ne.jp/~wwd/PW121081/

2012.10.8(月・祝) 新日本・両国国技館

NJPW 40th anniversary KING OF PRO-WRESTLING

 

8 IWGPインターコンチネンタル}

○中邑真輔 P 後藤洋央紀●

15分12秒)

 

 後藤は体も厚みがあっていいし、顔も野性味が溢れていていいし、試合も面白いのだけれど、もう一歩トップに届かないのはなぜだろう。

 個人的には、説得力のあるフィニッシュ・パターンを確立できていない、と思う。

 そこが不満。

 昇天は不発。

 代わりに相手を仰向けの状態で持ち上げぐるぐる回してフェイス・バスターで落とす技(裏昇天)を出したが、フィイッシュに至らず。

 G1で使っていた寝技は出ず。

新しい技をつくるのはいいが、やり込まずに使い捨てにするのはどうか。

 牛殺しは使い続けているが、これは危な過ぎるのでやめてほしい。

 今日は雪崩式でやっていた。

 一方中邑は、完全に確立している。

 くねくねすれば、満場がヒートする。

 ボマイエでピン、中邑王座防衛。

 今日も負けた後藤。

 親会社のカード・ゲームでも、棚橋、中邑、真壁、オカダの4人が表に出ている。

 危機感を持たなくてどうする!

 

 

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2012.12.2(日) 新日本・愛知県体育館

NJPW 40th anniversary Tour WORLD TAG LEAGUE 2012

 

7}

中邑真輔 ●石井智宏 P 桜庭和志○ 柴田勝頼

9分20秒)

 

 ドームでのシングルが決まった中邑と桜庭の絡みは、総合風…と言うより道場スパー風、と言うべきか。

 見応えはあったけれど、一方で柴田と石井が激しく殴り合っているのを見ると、体を張らずにスパーリングのような闘いで(彼らよりも恐らく)高額なギャラを桜庭はもらっているのか…と何か嫌な思いがした。

 しかし今日は、石井が頑張っていい所を見せた。

桜庭にエルボーを見舞い、受け身を取らせたりすると、大丈夫かな、と少し心配になったりもする。

結局、桜庭にヒールは似合わないのだ。

 抗争はドームでスパっと終わらせて、後は外敵ではなくレジェンドとして客将扱いで、ファンが応援できるようなマッチ・メイクをした方がむしろいいのでは、と思った。

 柴田は若い選手、例えばNOAHのKENTAと組んで欲しいが、今は難しいか。

 石井が頑張って腕十字も返したので、フィニッシュはダブル・リスト・ロックになった。

 試合後は真壁が乱入、こちらも1.4の相手・柴田と乱闘。

 

 

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2013.1.4(金) 新日本・東京ドーム

WRESTLE KINGDOM 7 〜EVOLUTION〜 in 東京ドーム

 

8 IWGP IC}

○中邑真輔 P 桜庭和志●

11分12秒)

 

 煽りVTRは両者のインタビュー。

 桜庭は1人だと特に挑発的なことは言っていない。

 ブシロードの木谷氏(新日会長)が桜庭のセコンドに付いたものの全くアナウンスもなく、何のアクションもなし。

 現場では無視か。

 グラウンド、スタンドで総合格闘技のような闘いができ、かつボマイェ1発で試合をつくれる(他の選手のようにハード・バンプの攻防を要しない)中邑だからこその名勝負。

 もっとも桜庭も、今日はランド・スライドを受けたり、ボマイェも2発(後から前から各1回)受けて頑張っていた。

 試合後、握手をして勝者を称えたのも爽やかでよかった。

 中邑のレッグ・ダイブに膝を合わせたり(イグナショフ戦の再現)、腕絡みや腕十字で追い込んだので、スリリングな展開になったし、桜庭も面子が立ったであろう。

 これで契約が終わりでなければ、ファンが声援を送れる立場で(レジェンドとして助っ人扱いで)また出て欲しい。

 柴田はどうするか?

 後藤はパートナーが決まってしまったので、個人的にはNOAHのKENTAとまた組んで欲しいのだが…

 

 

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2013.8.4(日) 新日本 大阪府立体育会館(BODY MAKER コロシアム)

ブシモ Presents G1 CLIMAX 23

 

○中邑真輔(ボマイェ)飯伏幸太● {19分18秒}

 

「たぎったか?…飯伏、オマエもたぎったか?…いいか、1回しか言わねぇぞ、よく聞けよ…イヤァオ!」

 これでもかという棚橋劇場はもちろんいいけど、簡潔な中邑の締めもまたよし!

 終盤、中邑怒りの?踏み付けに飯伏もヒートしてパンチ。

 激しすぎる攻防はヒザでフィニッシュ。

 しかしフェニックス・スプラッシュに膝立ては痛すぎ。

 今年のG1のベスト・バウト。

 わたしの見た限り、飯伏の場外ムーンサルト・アタックが不発はこの試合だけ(阻止された)。

 

 

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2013.8.6(火) 新日本 石川県産業展示館3号館

ブシモ Presents G1 CLIMAX 23

 

7 Bブロック公式戦}

○中邑真輔(ボマイェ)高橋裕ニ郎● {10分47秒}

 裕ニ郎は女性の帯同なし。

 ボマイェを狙ってたぎりにたぎる中邑、しかし裕ニ郎が一向に起きて来ないので不発。

 そのせいでフィニッシュの時たぎりが少なかった。

 

 

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2013.8.7(水) 新日本 仙台サンプラザホール

ブシモ Presents G1 CLIMAX 23

 

9 Bブロック公式戦}

●永田裕志(ボマイェ)中邑真輔○  {13分55秒}

 白目、少し出る。

 ブルブル、クネクネたくさん出る。

 

 

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2014.1.4(土) 新日本・東京ドーム

バディファイトPresents WRESTLE KINGDOM 8 in 東京ドーム

 

9 IWGPヘビー}

○オカダ・カズチカ(レインメーカー)内藤哲也●

15分36秒)

 

 ダブル・メインイベントの1試合目…だが、実質的にはセミ・ファイナルであろう。

 G1優勝者がIWGPに挑戦。

 半年近く引っ張ったのは、最高の組み合わせを東京ドームのメインで行ないたいからではないのか?

大舞台のメインを任せられないなら、タイトルを任せるのもおかしいのでは?

 ファン投票で決まったことではあるが、そもそも投票する必要があったのかどうか。

 試合内容で見返してもらいたいと思っていた。

はっきり上回ったとは言えないかもしれないが、立派にトリは務められた、と思う。

オカダは試合の流れはまだ型にはまっているかもしれないけれど、終盤のレインメーカーを巡る攻防は必ず盛り上がる。

立派なメインイベンターだと思う。

結果は王者が防衛。

内藤は終盤ギリギリの所でやったジャベを、中盤で既に1回やっていたのがどうかと思った。

正統派ベビー路線でこのまま行くのだろうが、個人的にはちょっと違う路線で、裕二郎ともう1回組むぐらいでもいいのではないかと思っている。

 

10 IWGPインターコンチネンタル}

●中邑真輔(ハイフライフロー)棚橋弘至○

23分24秒)

 

 立会人にスタン・ハンセン。

 棚橋の入場では元メガデスのマーティー・フリードマンが生ギター。

 中邑の入場にはポール・ダンサー。

 ポールは上が固定されていないためグラグラ揺れてやりにくそうではあった。

 明らかに、さっきの試合よりいい扱い。

 確かに、両選手の存在感は大きい。

 中邑が自身の評価と共に、ICのベルトの価値を高めてきたのもわかる。

 そして最高の挑戦者を得た。

 しょっちゅうやっていた感のあるこのカードも、実に2年4ヶ月ぶり。

 昨今はこのカードに頼らなくてよくなってきた新日マットの充実ぶりを物語る。

 満を持しての黄金カード。

 さはさりながら…ではある。

 中邑は新しい闘いを見せられる、と言っていたが、いい試合ではあったけれど、既視感

は否めなかった。

 ここは一つ、レインメーカーに締めさせてもよかったのではなかったろうか。

 試合後はいつもの棚橋劇場。

 エア・ギターにマーティーの生ギターが加わって、いつもよりは短め。

 終了は22時過ぎ、正規試合開始からでも5時間だが、全く長く感じなかったのはさすが。

 

 

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2014.8.8(金) 新日本 横浜文化体育館

バディファイトPresents G1 CLIMAX 24

 

7 Aブロック公式戦}

○中邑真輔(ボマイェ)バッドラック・ファレ●

11分8秒}

 

 くねるカリスマ・中邑の一挙手一投足が、確実にファンをたぎらせる。

 ボマイェによるフィニッシュはスペクタクル。

 棚橋はどんな相手ともいい試合をするが、今の中邑はどんな相手でもいい試合になる、という感じ。

 前者はどんな相手にもうまく合わせて盛り上がる試合を組み立てられる。

後者は相手を選ばず、自分の闘い方をすればファンが喜ぶ。

…とは、言い過ぎであろうか?

 IC王者、ファレは巨体の割りに動きも悪くないが、キャリアが浅いせいか物足りなさはある。

 もっと迫力が出ていいはず。

 ベイダー・ハンマーのような攻撃を見せたが、なでるようで迫力がなかった。

 IC戦の雪辱を果たし、中邑はAブロック・トップをキープ。

 

 

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2014.8.10(日) 新日本 西武ドーム

バディファイトPresents G1 CLIMAX 24

 

10 優勝決定戦}

●中邑真輔(レインメーカー)オカダ・カズチカ○

23分18秒}

 

 かつてのワールド・リーグ戦における猪木対坂口のような、さわやかな?同門対決は、後輩のオカダが勝利。

 ボマイェをドロップ・キックで切り返し、レインメーカー3連発でフィニッシュ。

 試合後のインタビュー(外道共々)でも、「中邑さん」への敬意を忘れない。

 IWGPヘビーへの挑戦は、来年の1.4に。

 それまでは権利書を賭けて防衛戦をすると言う。

 終わってみれば、今の新日には順当な結果か。

 子供番組を提供する親会社ブシロードのCMに出て、プロレスを知らない子供でも「オカダッシュ!」などと言っている。

 「カネの雨を降らせる」は、本当になりつつある…のかもしれない。

 

 

 

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