18回富士通杯達人戦 決勝戦 (2)

▲佐藤康光九段−△谷川浩司九段

2010.9.4(土) 於 有楽町・朝日ホール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真・トップは、駒を並べる両対局者。

 

コメントは基本的には大内延介九段の解説。

名前とカギ括弧付は、感想戦でのコメント。

 

盤面は21手目▲7七角の局面。

 

初めて見た。新手かもしれない。

角交換に来たら幸便に(7七に)銀が上がる。

△5六歩と来られてかまわないという手。

谷川九段は長考中。意表を突かれたのかも。

佐藤「密かに研究していた。△8八角成▲同玉と

玉が(将来)角筋に入るのを避けた手」

谷川「対処がちょっと難しかった。△5六歩

突いて行ったが本譜は苦しかったかも」

 

22△9四歩  様子を見た。▲9六歩と追随するか、

  4五銀と激しく行くか、

▲3七桂と力を蓄えるか。

23▲9六歩

24△5六歩 (この手を見て佐藤、うんうんと

        うなずく)

25▲同歩   積極的な手。激しくなるのを厭わない。

26△同飛   ▲3三角成△同銀▲7七銀が一般的だが

▲7七角と一手上がっているので悔しい。

27▲2四歩  佐藤さんの真骨頂。

28△同歩

29▲2二歩

30△7七角成 自信のぶつかり合い。

31▲同銀

32△3三桂  ▲2一歩成△同銀▲2三角△3ニ銀

▲3四角成△5四飛▲3五馬。

▲2三角の所▲2四飛なら△2ニ歩。

33▲2四飛 佐藤「一番激しい手。

この瞬間はちょっと怖いが」

        大内「最近は緻密流ではなく

           自由奔放流」

        佐藤「いえ、緻密に研究している

           つもりです。(笑)

ここで後手△2五角もある

かなと思っていた」

34△2三歩  飛車を引かれて歩成りが残るので

打ちづらいか、と思っていたが。

35▲2八飛  

36△4四歩  △2三歩打たないでやるか、と。

37▲2一歩成 △同銀は▲6五角。

38△4五歩  

39▲3七銀  

40△3五歩  中盤の難所。ここ10手程で優劣が。

 

写真は、対局前の佐藤九段。

41▲2ニと 

42△3六歩  最近の佐藤九段は直線的。

         ▲3ニと△3七歩成もあるか?

43▲4八銀

44△6四角 (斎田「▲1八飛は?」)

△4三銀▲2三と△2五桂で

△3七歩成を狙われる。

45▲2六飛  △1九角成なら▲3ニと

△同金▲6五角。

46△4三銀  ▲2三と△2五歩は▲1六飛。

         ▲5七歩で飛車を追えば▲3六飛。

         △1四歩△1五歩は間に合わない。

47▲5七歩  先に。渋い。

48△5四飛

49▲2三と

50△1九角成

51▲3三と

52△5ニ銀

53▲2一飛成

54△4六歩  これが筋。▲同歩なら△4七歩

▲同銀△5七飛成。

        谷川「粘るなら△6四馬引きだが

苦しいことには変わりない」

        佐藤「▲8六角と合わせて馬を消す」

55▲4三と

56△3七歩成  

57▲5三桂

(以下略。97手で▲佐藤九段勝ち)

 

 

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